Internal Medicine(旧Annual Session)

2006年度(Philadelphia)

米国内科学会年次セッション報告

(フィラデルフィア:2006年4月)

上尾市・前田内科医院 前田賢司

 

 今年は米国内科学会(ACP)本部のあるフィラデルフィアでの開催でした.途中,アンカレッジ上空で偶然きれいなオーロラを目撃することが出来ました.その時間に偶々眠らないで起きていたので,フライトアテンダントの方が「今オーロラが見えますよ」と声を掛けてくださったのでしたが,過去に何度もこの路線を飛んでいるはずなのですが初めての経験でした.シカゴで乗り継いでフィラデルフィアにようやくたどり着いたのは乗り継ぎ機が遅れたせいもあって,4月5日(水)の夜かなり遅くなってからでした.
 今回も私が出席したセッションを以下に順次簡単にご紹介してみます.

●4月6日(木)

  朝7時からセッションが始まります.いつも辛いのはこの到着翌朝一番のセッションです.
(1)MTP:What We Do to Our Patients:renal Complications of Commonly Used Medications(講師はクリーヴランド・クリニック・フロリダのJohn Brian Copley, MD, FASN, FACP先生)
 最初に,脳出血で亡くなったフランクリン・ルーズベルト大統領の主治医が大統領の高血圧管理に手をこまねいていたことを取り上げ(ヤルタ会談の頃は収縮期血圧が250前後,会談後は300以上まで上がり最終的に脳出血で死亡),当時は有効な降圧剤がなかったことから説き始められました.(レセルピンが世に出たのは1949年のことだそうです.)次いで,合併症のある高血圧にどのような降圧剤が使われるかを説明され,さらに全米の医師は何故ACE-Iを使わないのか―それはクレアチニン上昇を懸念しているからである,として腎臓の構造(輸入動脈や輸出動脈も含めて)を簡単に解説されました.そして症例を示されながら,腎臓障害のある場合に薬剤をどのように使い分けていけばよいかを具体的に教えてくださいました.[例:63歳,S Cr 1.8,K 5.1でACE-I+利尿剤で血圧がまだ高い場合→ACE-I+利尿剤は同量で維持しながら他剤を加えて血圧を130/80未満に落とし,Kも薬物でコントロールする.ACE-I/ARBを使って血圧をコントロールするとS Crが30%まで上がることがあるが2〜4週で落ち着く.(S Cr<3で70歳未満なら耐えられる)もしS Crが30〜50%増加するならACE-I/ARBを減量,S Cr>50%なら中止しCrが戻ってくるまで5〜7日毎にフォローアップする.]すべてをご紹介できませんが,勉強になりました.また,尿中のアルブミンとクレアチニンの比も腎機能の簡便な指標になるということも知りました.
(2)MTP:Diagnosis and Acute Management of TIA and Stroke(講師はSeton Hall UniversityのS. Hariharan, MD, FACP先生)
 TIAと脳卒中の定義,ACCPのガイドラインや種々のトライアルの結果を説明され,推奨治療を説明されました.[急性虚血性脳卒中(日本で言う脳梗塞)には3時間以内にt-PAを静注(CTで広範なhypodensityがあれば血栓融解療法を控える,3時間を越えて6時間以内ならt-PAを勧めない),血栓融解剤を内服していない患者にはアスピリンを与える,抗血小板療法なら良いがワルファリン内服患者でPT>15ならt-PAを使用しない,等々(詳細略)].また,昨年にもご報告したMerciという器具を使った血栓除去術の成績についてもお話がありました.脳梗塞発症後8時間までに使用する,閉塞血管の再開通は54%(114例中61例),操作に関連した合併症は7%,操作に関連した死亡例は2%という成績だったそうです.次いで,高血圧の管理,脳浮腫対策(ステロイドを使わない),梗塞予防の抗血小板療法(アスピリン+持続型ジピリダモール>アスピリン単独,クロピドグレル>アスピリン)などの話題が続きます.頸動脈狭窄(0〜49%の狭窄は内服治療-アスピリン,50〜69%なら患者の選択と外科医の選択,70%を超える狭窄ならCEA,CEAは74歳以上の高齢者により利益がある,),スタチン療法(スタチンの脳卒中予防効果)等々の話題もあり興味は尽きませんでした.
(3)開会式(Opening Ceremony)
 9時半から行われた開会式ではT. Jock Murray, MACP先生のプロフェッショナリズムに関するキーノート講演「The Call to Professionalism:Use It or Lose It!」が行われ,会場は満席でした.講演の中でプロフェッショナリズムには信頼(confidence)が欠かせないという言葉に惹かれました.また,医療に商業主義が入ってはならないと述べられると会場から拍手が沸き起こっていました.開会式が終了すると会場の外でにぎやかな音が聞こえました.それは独立戦争時代の衣装をまとったフィラデルフィアならではのバンドの演奏でした.
(4)MTP:Strategies for the Diagnosis and Treatment of Hepatitis B and C(講師はテキサス大サウスウェスタン・メディカル・センターのWillis C. Maddrey, MD, MACP先生)
 B型肝炎の自然史,ワクチンの効果(台湾の例が紹介されていました),治療について(HBe-Ag陽性の場合:HBV-DNAが10の5乗未満でALT正常なら無治療,10の5乗以上でALT正常ならフォローアップまたは肝生検により治療決定,10の5乗以上でALT上昇していれば治療等々),さらにC型肝炎についても自然史,ジェノタイプとサブタイプ,線維化進展に関する因子(感染持続期間,肝の炎症の程度,肝のsteatosis,,アルコール),治療について述べられました.
(5)WSO:Medical Care for the Surgical Patient:Expert Perioperative Management(講師はブルックリンのSUNY・ダウンステート・メディカル・センターのSteven L. Cohn, MD, FACP先生とハーヴァードのGerald W. Smetana, MD, FACP先生)
 このワークショップは内科的疾患のリスクを持った患者が外科手術をする場合,術前に内科的管理はどうすればよいかというセッションで,満席の人気セッションでした.まず心臓の観点からCohn先生がACCのガイドラインから疾患のリスクの多少(リスクが大きいのは:unstable coronary synd,非代償性心不全,重篤な不整脈,重篤な弁疾患)についてと,非心臓の外科手術のリスク分けを説明され,ACCのアルゴリズムをお示しになりました.次いで,術前のCABG,PCI-PTCA,DES(薬剤溶出性ステント)の是非,術前のβブロッカー投与の適応,術前のスタチンの適応などについても語られました.この後,Smetana先生が肺の立場からACPの術前肺評価ガイドライン(このガイドライン作成にはSmetana先生ご自身が参加されています)をご説明されました.(年齢は大きな危険因子だが肥満は危険因子ではない,COPDは危険因子である)さらに術前の呼吸機能検査の重要性,アルブミンとBUNが術後肺合併症と関連すること,喫煙(最近1〜8週の間に禁煙したばかりが一番リスクが高い),術後の肺伸展が大事であること,術後の疼痛管理(方法によりリスクが異なる),腹部手術後のルーチンの経鼻胃管(誤飲のリスクが高くなる)などについて話されました.
 この日は午後6時から新FACPの先生方の授与式(Convocation ceremony)とその後の国際レセプションにも出席しました.(詳細は他の先生のレポートをご覧ください)

●4月7日(金)

(6)MTP:Emerging and Re-Emerging Infectious Diseases:The Challenge to Global Health(講師は地元テンプル大のThomas Fekete, MD, FACP先生)
 新興感染症のセッションはSARSの話から始まりました.(ウィルスのホストはハクビシンではなくコウモリの仲間Chinese horseshoe batらしい,対策はどうすればよいか等々)次にNipah virusについて,さらに世界のワクチン行政について(ポリオと麻疹は撲滅に近づいたがあと少し),他の話題のワクチン(成人百日咳ワクチン,成人の破傷風―ジフテリア―百日咳ワクチンTdap),近日到来予定のワクチン(成人の帯状疱疹ワクチン,HPVワクチン)などの話題もありました.次いで,症例を紹介しながら壊死性筋膜炎,CA-MRSA(Community-acquired MRSA),最近全米で話題になっているクロストリジウム・ディフィシル感染症(高齢者で死亡率高い,対策にはフルオロキノロンやセファロスポリンの使用制限が必要),STDなどについてと話題は多岐にわたりました.最後に「不必要な抗生物質使用を減らすことが大事だ」と強調されたことが心に残りました.
(7)ERA:Exciting Research Advances(ERA):Immunology and Pulmonary/Critical Care(講師はバッファロー大のRobert A. Klocke, MD, FACP先生,シカゴ大のAlan R. Leff, MD先生,ニューヨーク州立大のStanley A. Schwarz, MD, PhD先生)
 このセッションは今回新しく設けられた新しい研究の成果を紹介するセッション(ERA)の一つでしたので興味深かったのですが,まだエビデンスのない治療法や新しい治療戦略のお話なので果たして近い将来すぐに役に立つのかどうかは「?」です.Leff先生は喘息の治療として気管支の温熱治療(thermoplasty)をご紹介くださいました.気管支鏡的に気管支壁に熱を加えて気管支平滑筋を選択的に融解(アブレート)させるという手法で,3回に分けて実施するそうです.Schwarz先生は(テオフィリンやロイコトリエン拮抗薬にはエビデンスがないとして)吸入ステロイドの次に来るであろう治療戦略を話されました.将来はMMP(matrix mettaloproteinase)をターゲットにした治療,TNF-α遮断薬,stem cell transplantation等々が開発されていくだろうとのお話でした.
(8)MTP:Optimal Asthma Management(講師はニューヨーク州立大学のRobert E. Reisman, MD, MACP先生)
 上述のセッションは近未来の喘息の治療のお話でしたが,こちらは現実の喘息治療のお話でした.具体的に20代(β刺激薬のみ使用例),50代(慢性持続性喘息の例),40代(鼻ポリープ,副鼻腔炎合併のアスピリン感受性のある喘息の例)などの症例を挙げて疾患概念,治療対策についてお話しされました.ところで,セレベント(持続型β刺激薬吸入剤)はICS(ステロイド吸入剤)と一緒に使うのが安全で効果的だとのお話があり(実際米国ではこの2剤の合剤が発売されており,我が国でも近日発売の予定です),セレベント単独では死亡例が報告されていることをお示しになりましたが,わが国だけで発売されているβ刺激薬貼付剤(テープ剤)が巷で頻用されている(ただの風邪にも安易に使用されています)のを見るにつけ心配になるのは私だけでしょうか.
(9)MTP:Common Allergy Problems for the Internist(講師はニューヨーク州立大学のRobert E. Reisman, MD, MACP先生)
 このセッションも偶々前と同じReisman先生の講義でした.同じように症例をお示しになりながら説明してくださいました.最初はスズメバチ(yellow jacket)によるアナフィラキシーの例,次いで運動誘発性のアナフィラキシー,薬剤アレルギー,慢性蕁麻疹,アレルギー性鼻炎,慢性喘息などの例を挙げて説明されました.
(10)MTP:Evolving Treatment of Hyperlipidemia(講師は南アラバマ大学のRobert A. Kreisberg, MD, MACP先生)
 毎年聞いてしまうクライズバーグ先生の魅力的な講義を今年も聞いてしまいました.クライズバーグ先生の講義はいつも満席の人気です.スタチンとω-3脂肪酸以外のフィブラート系やナイアシンでは全死亡や心臓死が減らないとご説明された後,最近の新しいデータ(BMJ2006年3月24日号)としてω-3脂肪酸で全死亡,心臓死,がん死亡に効果がなかったとするレポートも併せて紹介され,ご自分の「年取ったユダヤ人の母親」に今までω-3系のものを勧めていたが,どうしようかなどと冗談も仰っていました.葉酸+ビタミンB6+B12でMIや脳卒中のリスクが減らなかった(NORVIT)とか,フェノフィブラートで2型糖尿病の虚血性心疾患死亡や非死亡MIは減らせなかったが心血管系イベントを11%減らせた(FIELD)などの最近のトライアルを数多く紹介されました.糖尿病性脂質異常に際しロシグリタゾンよりもピオグリタゾンの方が脂質や脂質蛋白に良い効果を持っているというお話も興味深いものでした.
 この日はこの後,市内の高級フレンチレストラン「Le Bec-Fin」で新FACP歓迎の日本支部晩餐会が開かれました.(詳細は他の先生のレポートをご覧ください)

●4月8日(土)

(11)MTP:Evaluation and Treatment of Common Symptoms(講師はワシントン大学のDouglas S. Paauw, MD, FACP先生)
 臨床でよくお目にかかる症状として「咳」,「頭痛」,「疲労感」,「腰痛」の4つを取り上げて講義してくださいました.まず気管支炎(95%がウィルス性)と百日咳のお話の後に,いわゆる「慢性の咳」の原因を後鼻漏(PND)が41〜87%,喘息は17〜29%,GERDは11〜21%という割合だと紹介,さらに後鼻漏の見分け方として「咳払い」,「Cobblestoning(咽頭後壁のリンパ濾胞が小石のように目立つ)」,「舌の後ろ三分の一に舌苔」などがあり,さらにこのPNDを最近ではChronic Upper Airway Cough Syndromeと称すると教えてくださいました.(治療は抗ヒスタミン剤,無効なら副鼻腔のCT考慮,解決しなければ経鼻ステロイド)[その他,慢性咳の原因に非喘息性好酸球性気管支炎(喘息同様ステロイド吸入を使用)もある由]
 頭痛に関してはSAHの例(突然経験したことのない痛みが起きたらCTを),片頭痛(片頭痛では画像診断で陽性になるのは0.4%のみなので,ルーチンのCT/MRIは勧められない),その他の頭痛についても興味深いお話をお聞かせくださいました.(鎮痛剤のリバウンド頭痛では鎮痛剤を一日おき以下に制限,慢性頭痛の悪化例〜症状変化例等にCT検査を施行したところグリオーマや骨腫などの重大な病変はわずか1%だった,つまりSAHを疑った場合以外は頭痛があるからという理由でCT検査をすることはにわかには勧められないということのようです.)
 その他,「疲労感」(疲労と睡眠不足を見極めること,ウィルス検査やECG,胸部X-Pはオーダーしないこと),「腰痛」(椎間板ヘルニア,脊椎管狭窄は歩くと悪化し座ると軽減,Cauda Equina症候群,血管性腰痛)についてもご説明くださいました.
(12)MTP:Global Health Challenge:Diabesity(講師はChristopher Murray, MD, DPhil先生)
 本当はこの時間は「Common Outpatient Infections」の講義を聴くつもりだったのですが,講師の都合で休講になってしまったので,代わりに聴くことになったものです.内容はタイトルの示すとおり,世界の疫学の話でした.世界全体の死亡率は1位は虚血性心疾患,2位は脳血管障害,3位に下気道感染症,4位にHIV感染,5位はCOPDという順であり,心血管系疾患と感染症が多いということから始まり(GDPが上がるとBMIと総コレステロール値も上がる…)肥満の対処が今後大事になるという内容でした.
(13)MTP:Colon Cancer Screening and Surveillance(講師は地元テンプル大学のBenjamin Krevsky, MD, MPH, FACP先生)
 この時間は大腸がん検診の疫学,種々の検査の賛否両論(pros & cons)を紹介され,大腸がん検診の戦略と検診の費用対効果についても論じられました.最後の費用対効果のところを少しご紹介すると,人命が助かるためのコスト/年は学校バスにシートベルトをつける(180万ドル),家庭に煙感知器をつける(21万ドル),車のデュアル・エアバッグ(12万ドル),乳がん検診(3万5千ドル),それに大腸がん検診(2万5千ドル),バイクのヘルメット着用強制(2千ドル)と大腸がん検診はcost-effectiveだという結論でした.
(14)MTP:Management of the Patient with Atrial Fibrillation(講師はウィスコンシン大学のKelly P. Anderson, MD, FACP先生)
 心房細動の対処として必要なのはレート・コントロールかリズム・コントロールかを比較したAFFIRMトライアル(2002年)を詳しく検証しながら症例を例にして説明されました.(結局AFFIRMトライアルの解釈としてはレート・コントロールが多くの場合受け入れられることを示しているものの,リズム・コントロールの戦略を完全に排除するものではなく,薬理的または非薬理的な方法で洞性リズムを維持する戦略も多くの場合適当であろう…ということでした.)次いで,心房細動のリズム・コントロールにアミオダロンとソタロールのいずれがよいかというSAFE-Tトライアルを紹介されましたが,アミオダロンが心房細動を洞性リズムに戻し維持するのに役立つが,アミオダロンの毒性に注意を払わなければならないという結論でした.その他,アブレーションのpros & cons,抗凝固療法についても語られました.
(15)MTP:Evidence-Based Physical Diagnosis(講師はワシントン大学のSteven McGee, MD先生)
 尤度比(likelihood ratio, LR)や検査前確率(pretest probability)から検査後確率(posttest probability)を導き出す方法を,まず腹水を例に挙げて説明されました.(波動あれば50%は腹水あり,腹水のないものの10%は波動がある→腹水を診断する上で波動陽性の尤度比は50÷10で5.0,以下の計算は略)その他,心不全,肺炎COPD,大動脈狭窄等々で同じようにご説明されました.お話を聞いていると将来は診察所見のデータだけ入力すれば機械が自動的に疾患の確率を出してくれるような世界になるのでは…と想像してしまいました.
(16)MTP:Belching, Flatulence, Distension, and the Irritable Bowel(講師は地元フィラデルフィアのドレクセル大学のHarris R. Clearfield, MD, FACP先生)
 腹部のガスのお話で,会場内に笑い声が絶えない講義でした.ガスの成因や組成などありきたりのこと以外に,ゲップは胃内ガスばかりでなく食道のガスが案外多いこと(繰り返し出る場合は食道性が多い),腹部膨満感を訴える女性で横になると症状が取れる人は腸ではなく直腸の筋肉に原因があることが多い,人間は一日に10〜22回放屁している(ボランティアの健康な学生で調べたのだそうです)などの新しい知識を得ることができました.
(17)Annual Session Highlights:Key Messages You'll Want To Take Home and Doctor's Dilemma:The Finals.(モデレーターは,ワシントン大学のDouglas S. Paauw, MD, FACP先生,パネラーはペンシルバニア大学の, Jack Ende, MD, FACP先生, ワシントン大学のKaren A. McDonough, MD, Member先生, ヴァーモント大学のMark E. Pasanen, MD, FACPの各先生)
 土曜日の5時15分から始まったこのセッションが文字通り年次セッション最後のまとめになります.各セッションで発表された新しい知識を各先生が簡潔にまとめていかれます.(C.ディフィシル感染〜経口メトロニダゾール,子宮摘出時の予防的卵巣切除〜卵巣がん減少,USPSTFの腹部大動脈瘤(AAA)検診勧奨,肝硬変の新しい治療,手術時のβブロッカー使用(新しいガイドラインはwww.acc.org参照),糖尿病の新薬〜腸管ホルモン製剤と合成GLP-1皮下注,VTE後の治療期間,TIA/脳卒中の治療〜t-PAとMerci〜クロピドグレルとアスピリンは同時使用しない〜心源性血栓でなければワルファリンは用なし,頸動脈内皮切除術,慢性腎疾患〜フェノフィブラートでしばしばCr上昇〜サイアザイドはCr<2.0の時に働く,慢性関節リウマチ〜抗CCP療法〜MTX+抗TNFで早期強力治療,代替医療〜GAITトライアルでグルコサミン+コンドロイチンは思われていたほど効果発揮せず,乳がん〜アロマターゼ抑制剤がタモキシフェンより有効〜trastuzumab,HIV感染症,更年期〜E/PかE(エストロジェン)単独か,USPSTFの勧める検診等々…)
 次いで,人気のある「Doctor's Dilemma」(各地域代表の病院対抗のクイズ合戦)の最終バトルが行われ勝ち残った4チームが対決,優勝チームに楯が贈られました.このようなクイズ形式で楽しく知識を競い合うというのも新しい試みとして面白いと思いました.
注:MTP = Meet The Professor, WSO = Workshop, ERA = Exciting Research Advancesの略です.今年もUpdates(UP)やMultiple Small Feedings of the Mind(MSFM)などのテキストに既に資料が含まれているものは敢えてはずして,MTPを主に聴くことを心がけました.

最後に:

 内科専門医会誌の最終号に寄稿させていただいたことはこの上ない光栄なことと思います.私の年次セッション報告もこれで終わりになりますが,ACPの年次セッションは今後も2007年サンディエゴ,2008年ワシントン…と続きます.まだ参加されたことのない方は是非一度,また既に参加された方も是非またリピーターとして参加をご検討ください.


 新しい専門医部会のさらなる発展を祈りつつペンを置きます.