Internal Medicine(旧Annual Session)

2007年度(San Diego)

2007年 FACP授与式に出席して
福井県済生会病院 内科 金原秀雄
Hideo Kanehara, MD, PhD, FACP
 

 この度,晴れてFACPとなり,2007年Convocation Ceremony (FACP授与式)に出席させていただきましたので,報告させていただきます .また,両親と妻,お世話になった先生方にこの場を借りて,御礼を申し上げたいと思います.

FACPを目指して

 私は,2004年1月にACP(米国内科学会)の会員となりました.まだ,その際は,英文CVの作成やFACPの先生方の推薦状が必要でしたので,ACP会員になることが比較的大変な印象がありました .内科専門医となって,更にACP会員やFACPを目指した理由は,2つあります.1)FACPとして活躍している先生方へ尊敬や憧れ,2)両親や妻への感謝の思いです .1)については,FACPとして活躍しておられる方は,すべからく知識や行動力に優れている人ばかりで,自分もFACPの先生方に一歩でも近づきたいと思っていました .現在,私は『ACP Publication Committee』の一員として他のACP,FACP先生方とAnnals Internal Medicine等翻訳の仕事をさせて頂いているのですが ,実際,どの先生方も迅速で,しかも的確な翻訳をされており,正直いって舌を巻く程です.専門分野に対してのこだわり・造詣の深さもすばらしく感銘を受けました.また ,2)は,私の父は若い時,病気で体を壊し戦時中でもあり余り学問ができない状態でもありました.ですから,その分,私が医師,医学博士になった際などは非常に喜んでくれました .父親に『Fellowになったら授与式で,かっこいいレガリア着て出席できるよ.』と話したら愉しみにしてくれていました.また,何時も私を支えてくれている妻ととともにFACP授与式の感動を分かち合いたいと思っていました .そんな,憧れや希望を持ってFACP取得に向け,調整をしていきました.

FACPの知らせ

 2006年8月に父親が膵臓癌と肝転移にて余命3ヶ月と診断されました.いままで,医師として告知する立場が殆どであり,告知をされるのは初めての経験でした.少しでも残された時間を有意義なものにしたいと思いました .できる限り,妻と子供達をつれて,離れた新潟の実家に足を運びました.しかしながら,父は徐々に衰弱していくばかりでした.そんな中で,約束したFACP取得が間に合えばいいがと少々焦りも感じていました .11月,ACP日本支部の宮本さんから内定メールを頂き,後日,ACP本部より,内定の英文の手紙をいただきました.入院中の病院に駆けつけて,FACP授与式に出席できることを報告しました .その時は,まだ,体調も良かったので何とか2007年FACP授与式までもたないかと祈っていました.しかし,やはり膵癌の勢いに敵うこともできず,12月17日亡くなりました .息子として,また,医師として,父の死を前にしてどうあるべきかを常に考えていたのですが,何もすることのできないことに無力さを覚えました .ただ,それ以上にいままで,育ててくれた父への『感謝』と『誇り』感じ,更に力強く胸を張って歩んでいこうと誓いました.

FACP授与式

 2007年ACP学会は,カルフォルニアのサンディエゴでした.以前,大学院時代に,米国糖尿病学会(ADA)発表や共同実験していたスタンフォード大学Kreamer 教授のところに2-3回伺ったことがあるので ,サンフランシスコは馴染みがあるのですが,サンディエゴは初めてでした.やはり,文化的にもメキシコの雰囲気があり同じ西海岸でも違う感じをうけました.授与式に当日には ,念願のレガリア着て妻と『Fellows Portrait』の撮影をしました.おそらく,一生の記念となることと思います. 夕方より,Convocation Ceremony に出席しました.諸先生方の体験記のように,非常に厳かな雰囲気で,更に身が引き締まる思いがいたしました.ACP会長のLynne Kirk先生のFACPのプロフェッショナルへの訓示は ,職業人としての医師像や家庭人としての話もあり心に残りました. 夜は,International Receptionに参加しました.米国からだけでなく,私たちと同様に世界の各国から様々なACP, FACP等の方々が来られていました .米国内科学会自体が自国だけでなく国際的な影響力を持っているのを再認識させられました.その際には,Annals 編集者の先生や各国FACPの方もおられ,交流を深めることができました .  翌日,ACP日本支部のReceptionがあり,木野先生,朔先生方が半被を着て出迎えておられました.その際も他国の先生方が挨拶の訪れ,特に内分泌専門のチリ代表先生とは専門が一緒でもあり会話が弾んで ,楽しい時間を過ごすことができました.日本人の他のFellowになられた先生方ともいろいろお話できました.特に感じたことは,Fellowの先生方の目的意識の高さと行動力に深い感銘を受けました .日本全国各地でより良い医師像を求めて頑張っておられる先生方がおられることを嬉しく思い,また,共感をすることができました.サンディエゴまできて,本当に良かったと思うと共に ,FACPとして更に活動を深めていきたいと思いました.  帰国後,4月29日は,父の納骨式でした.『よりよい医師と成る為に努力を惜しまないこと』と,『FACPの誓いを守ること』を父の墓前にて約束しました.

最後に

 無事に妻と二人で,帰ってくることができました.今回,私のFACP取得にあたり,御推薦・御指導いただいた元雄先生,梶波先生,渡部先生,竹越先生,FACP授与式の参加の御了承を頂いた病院長三浦先生 ,田中先生に厚く御礼申し上げます.また,CV作成の際に指導いただいた朔先生と宮本さん他,多くの方々にご世話になりました.有難うございました.