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Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年1月22日)

Annals of Internal Medicineの紹介(タイトル・紹介文・Abstract−抜粋和訳)

ACP日本支部では,Annals of Internal Medicineの目次と要旨(抜粋)を日本語に訳したものをACP日本支部のホームページ日本語版に掲載しています.医学,医療の最新のトピックスが掲載されたAnnals of Internal MedicineはACP本部のホームページに掲載され,会員にも配送されますが,記事を抜粋してPublication Committee委員が日本語訳を行い,ACP日本支部のホームページ掲載するようにしています.医学,医療の新たな情報を把握するのに非常に便利で,原本を読みたければACP本部のホームページにすぐにリンクできるようにしています.

皆様ご活用頂くと共に,先生方のご同僚や研修医・学生の皆さんにもご案内下さるようお願い致します.(1/22/2007付)

Publication Committee 委員長 石橋大海,副委員長 渡邊毅
 

Annals
Established in 1927 by the American College of Physicians

目次 (TABLE OF CONTENTS)

2 January 2007 Volume 146 Issue 1(監修: 石橋大海)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

 

原著(Articles)

高齢成人の聴力における葉酸補充の効果:無作為・対照試験
Effects of Folic Acid Supplementation on Hearing in Older Adults:
A Randomized, Controlled Trial
Jane Durga, Petra Verhoef, Lucien J.C. Anteunis, Evert Schouten, and Frans J. Kok
多くの観察研究から低葉酸値は難聴に関連していることが示されている.今回の研究では,治験責任医師は3年間に亘り葉酸か偽薬を毎日取るように728名の高齢成人を無作為に割り振った.研究は,食物に葉酸が豊富に含有することが義務付けられていない国で行われた.対象とした患者はホモシステインが高値であったものの,明らかな耳疾患は有していなかった.葉酸は,聴力喪失を,かろうじて気付かれる程度の変化である0.7dB減少させた.
(翻訳:川村光信)
要旨(Abstract) 患者さんへのまとめ(Summary for Patients)

高血圧症の男性でのアルコール消費と冠動脈疾患
Alcohol Consumption and Risk for Coronary Heart Disease among Men with Hypertension
Joline W.J. Beulens, Eric B. Rimm, Alberto Ascherio, Donna Spiegelman, Henk F.J. Hendriks, and Kenneth J. Mukamal
この16年間にわたる前向き研究において,11,711名の高血圧症の男性医療従事者が4年毎に自分の平均アルコール消費量を報告した.一日あたり10から14グラムのアルコール(約一杯)かそれ以上を嗜む高血圧症の男性は,飲酒しない集団よりも心筋梗塞のリスクがより低かった.飲酒は心血管病による全ての原因による死亡率や死亡の予測因子とはならなかった.
(翻訳:小出優史)
要旨(Abstract) 患者さんへのまとめ(Summary for Patients)
 

新たに入国した成人移民,難民の麻疹,ムンプス,風疹に対する易感染性の検討
Susceptibility to Measles, Mumps, and Rubella in Newly Arrived Adult Immigrants and Refugees
Christina Greenaway, Pierre Dongier, Jean-François Boivin, Bruce Tapiero, Mark Miller, and Kevin Schwartzman
アメリカ合衆国およびカナダでは麻疹,ムンプス,風疹に対する有効なワクチン接種プログラムが実行されているにもかかわらず,外国出身者のような易感染性を有する小集団において集団発生が起こり続けている.著者らはカナダのケベック州モントリオールにおいて,1,480名を対象に麻疹,ムンプス,風疹の抗体価を調査した.31%が3疾患の少なくとも一つに対して易感染性を有していた.移民成人に対して易感染性である疾患を標的としたワクチン接種計画の実施は有用と思われる.

(翻訳:小池竜司)
要旨(Abstract)

 

医学と臨床(Academia and Clinic)

アフリカ系医師のプロ生活に及ぼす人種問題の影響について
Impact of Race on the Professional Lives of Physicians of African Descent
Marcella Nunez-Smith, Leslie A. Curry, JudyAnn Bigby, David Berg, Harlan M. Krumholz, and Elizabeth H. Bradley
医師の労働力についても人種的民族的多様性を広げることは国家的優先課題である.しかし,マイノリティーの医師が職場で受けてきた仕打ちについて,我々はあまり知らない.著者らは,アフリカ系医師に,職場でどのような経験をしたか,インタビューを行った.人種問題はアフリカ系医師の職場での生活に幅広く影響を及ぼしている.
(翻訳:安藤聡一郎)

 

総説(Reviews)

系統的レビュー:成人特発性血小板減少性紫斑病に対するリツキシマブの有効性と安全性
Systematic Review: Efficacy and Safety of Rituximab for Adults with Idiopathic Thrombocytopenic Purpura
Donald M. Arnold, Francesco Dentali, Mark A. Crowther, Ralph M. Meyer, Richard J. Cook, Christopher Sigouin, Graeme A. Fraser, Wendy Lim, and John G. Kelton
抗CD20モノクロナル抗体であるリツキシマブの特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の治療における使用は次第に増加している.しかし,ITPに対するリツキシマブの有用性や安全性は不明である.この総説で著者らは,エビデンスの質が低いことを考慮して,医師はリツキシマブを無差別に使用することを避けるべきであると判断した.

(翻訳:村上純)
要旨(Abstract)

体験談的レビュー:可逆性脳血管収縮症候群
Narrative Review: Reversible Cerebral Vasoconstriction Syndromes
Leonard H. Calabrese, David W. Dodick, Todd J. Schwedt, and Aneesh B. Singhal
可逆性脳血管収縮症候群(reversible cerebral vasoconstriction syndromes: RCVS)は脳血管の可逆性の多発性狭窄が特徴的な疾患である.この症候群は多くの場合,突然の激しい(雷鳴のような)頭痛で始まり,神経脱落症状を伴う ことも,伴わないこともある.著者はこのレビューにおいて自身の経験集に加え,文献の非体系的な包括的再考察に基づき,RCVSの現時点での理解と臨床,検査,画像上の手がかりをまとめた.
(翻訳:大和田潔)
要旨(Abstract)
 

未解決のこと(In the Balance)

黒人の心不全患者に対する薬剤(BiDil)に対する米国食品医薬品局の承認の影響
BiDil for Heart Failure in Black Patients: Implications of the U.S. Food and Drug Administration Approval
Kirsten Bibbins-Domingo and Alicia Fernandez
2005年,米国食品医薬品局(FDA)は,初の特定の人種・民族を対象とした薬剤を,黒人の心不全患者に対して承認し,健康に関する人種間の相違を判断のための要素として取り入れる必要性について言及した.これに対し,この論文の著者らは,FDAの判断は人種間で薬剤の反応性に相違があると主張した試験結果を誤って解釈しているものであり,人種間の健康および医療の相違が生じる多くの事実を無視していると主張している.
(翻訳:林正樹)
監修者注:BiDil(isosorbide dinitrate/hydralazine hydrochloride) :2005年6月23日に販売承認された黒人専用の心不全治療薬 .薬効の人種差が初めて認められた薬剤. 

黒人患者の心不全に対するBiDil:米国FDAの考え方
BiDil for Heart Failure in Black Patients: The U.S. Food and Drug Administration Perspective
Robert Temple and Norman L. Stockbridge
塩酸ヒドララジンと硝酸イソソルビドの合剤であるBiDilがFDAに承認されたことに対する批判がみられるが,それらは患者母集団が人種的に混合されているがほとんどが白人である2つの臨床試験の注意深い解析の結果,黒人患者に対してのみ承認するとした決定であることを認識していない.これらの両方の臨床試験では,塩酸ヒドララジンー硝酸イソソルビドがほとんどあるいは全く効果を示していないが,黒人患者の小集団においては重要な効果を有することが示唆されていた.
(翻訳:平和伸仁)
 

論評(Editorials)

葉酸の補充と年齢に関連した難聴
Folate Supplementation and Age-Related Hearing Loss
Robert A. Dobie
騒音,感染,頭部外傷および耳毒性薬物は聴力にある変化を引き起こすが,先進国における難聴の大部分は単に「年齢に関連している」ものである.そのような難聴は感覚神経に関連するもので ,蝸牛殻中の有毛細胞や他の細胞内要素の喪失に関係している.本号で,Durgaとその同僚は,年齢に関連した難聴に対する葉酸補充の効果を調査している.
(翻訳:川村光信)

栄養学的疫学調査で(生じ得る)測定誤差を訂正することは必要か?
Is It Necessary to Correct for Measurement Error in Nutritional Epidemiology?
Anne C.M. Thiébaut, Laurence S. Freedman, Raymond J. Carroll, and Victor Kipnis
過去数十年にわたって,食事と慢性疾患の関連性が栄養学的疫学調査の焦点になっている.本号で,Beulens(ビューレン)らが Health Professional Follow-up Studyにおける男性の高血圧症群の中でのアルコール摂取量と心血管イベントの関連性についての前向き分析調査の結果を報告している.
(翻訳:石塚尋朗)
監修者注:Health Professional Follow-up Study(HPFS):米国ハーバード大学による男性保健専門職を対象にした前向きコホート研究(1986年開始 ,5万人).栄養的な要因を重病(例えばガン,心臓病と他の血管病)の発病率と関連づけている男性の健康について一連の仮説を評価することを研究の目的としている.
 

黒人医師たちの人種的認識:驚くべきことか?
Black Physicians' Experience with Race: Should We Be Surprised?
Joseph R. Betancourt and Andrea E. Reid
首都ワシントンに故マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の新しい記念施設の起工式が行われようとしている今日でさえ,アフリカ系アメリカ人は,白人が感じるほどアメリカがキング牧師の夢である人種間の平等に向けて目覚しく進歩しているとは感じていないようである.一方,アフリカ系アメリカ人の医師も,一般のアフリカ系アメリカ人と同様に不平等を経験しているようである.

(翻訳:北口聡一)


診療室にて
In the Clinic
Christine Laine, David R. Goldmann, and Harold. C. Sox
今回発行されたAnnalsには,新企画のコーナー「診療室にて」の開始のお知らせがある.「診療室にて」の目的は,Annalsと臨床の場とで良き連携を形づくることである.その内容は内科診療に関わり日常診療でありふれた問題1つについて焦点を絞り込むものである.最初の号では,2型糖尿病について触れる.

(翻訳:板東浩)

 

患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)

高齢成人の聴力における葉酸補充の効果:無作為・対照試験
The Effects of Folic Acid on Hearing in Older Adults
(翻訳:川村光信)
本文(Full Text)

高血圧症の男性でのアルコール消費と冠動脈疾患
Alcohol Consumption and Risk for Coronary Heart Disease among Men with Hypertension
(翻訳:小出優史)
本文(Full Text)
 

診療室にて(In the Clinic)

2型糖尿病
Type 2 Diabetes
本号の「診療室にて」では,2型糖尿病の実践的で臨床的概要について触れる.内容として,スクリーニングや予防,診断,評価,治療,診療の質の向上がある .読者が,付随する生涯教育講座(CME)の設問に回答すると,1.5点までのポイントを取得できる.
(翻訳:板東浩)

解説(Description)
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