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Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年5月28日)

Annals of Internal Medicineの紹介(タイトル・紹介文・Abstract−抜粋和訳)

ACP日本支部では,Annals of Internal Medicineの目次と要旨(抜粋)を日本語に訳したものをACP日本支部のホームページ日本語版に掲載しています.医学,医療の最新のトピックスが掲載されたAnnals of Internal MedicineはACP本部のホームページに掲載され,会員にも配送されますが,記事を抜粋してPublication Committee委員が日本語訳を行い,ACP日本支部のホームページ掲載するようにしています.医学,医療の新たな情報を把握するのに非常に便利で,原本を読みたければACP本部のホームページにすぐにリンクできるようにしています.

皆様ご活用頂くと共に,先生方のご同僚や研修医・学生の皆さんにもご案内下さるようお願い致します.(1/22/2007付)

Publication Committee 委員長 石橋大海,副委員長 渡邊毅
 

Annals
Established in 1927 by the American College of Physicians

目次 (TABLE OF CONTENTS)

15 May 2007 Volume 146 Issue 10 (監修: 佐々木徹)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

 

原著(Articles)

プライマリ・ケア臨床に基づいた,うつ病への介入が高齢者死亡に及ぼす効果:無作為化試験

The Effect of a Primary Care Practice-Based Depression Intervention on Mortality in Older Adults: A Randomized Trial

Joseph J. Gallo, Hillary R. Bogner, Knashawn H. Morales, Edward P. Post, Julia Y. Lin, and Martha L. Bruce

多くの試験により,うつ病は死亡リスクの増大と関連することが明らかにされてきたが,うつ病の改善を企図した介入がはたしてこのリスクを修飾するか否かを評価した研究はほとんどない.Galloと共同研究者は,20の無作為に抽出したプライマリ・ケア施設に,うつ病診療計画または通常の計画を割り付けた.著者らは,この介入により重度うつ病患者における死亡リスクが45%低下したことを見出した.この効果は,癌死亡に限定していたようであり,その確証にはさらなる研究を要する.

(翻訳: 岩瀬三紀)

要旨(Abstract)  患者さんへのまとめ(Summary for Patients)


腹部大動脈瘤スクリーニング検査の長期にわたる死亡率改善効果

A Sustained Mortality Benefit from Screening for Abdominal Aortic Aneurysm

Lois G. Kim, R. Alan P. Scott, Hilary A. Ashton, Simon G. Thompson for the Multicentre Aneurysm Screening Study Group

Kim氏とそのグループは,英国で7年間追跡調査が行われた大規模無作為臨床試験の結果から,腹部大動脈瘤のスクリーニング検査の費用対効果と利益について報告した.彼らの報告によれば,65歳から74歳の男性で腹部大動脈瘤精査の超音波検査と観察を勧められた人は,勧められなかった人より低死亡率を示した.腹部大動脈瘤に関連した死亡の推定費用対効果は,1年生存あたり19,500ドル(日本円234万円)(95%信頼区間,12,400〜39,800ドル;日本円149〜478万円)であった.このように,腹部大動脈瘤のスクリーニング検査は長期死亡率の改善をもたらすとともに,費用対効果も長期的に改善した.

(翻訳: 新沼廣幸)

要旨(Abstract)


肝移植の受け易さにおける相違について:疾患重症度,移植までの待ち時間,移植センターでの移植数

Differences in Access to Liver Transplantation: Disease Severity, Waiting Time, and Transplantation Center Volume

Jawad Ahmad, Cindy L. Bryce, Thomas Cacciarelli, and Mark S. Roberts

現行の臓器分配システムでは,より重症の肝疾患を有する患者はより優先的に肝移植を受ける.Ahmadと彼の同僚たちは,肝臓レシピエントの重症度スコアと肝移植までの待機時間が移植センターによって異なるか否かを検討した.移植数の多い移植センター(100以上の移植が2005年度になされた施設)では,移植時の重症度スコアは低く,移植数の少ないセンターで移植を待っている患者より短い待機時間で移植を受けていることがわかった.現行のシステムが医学的必要性に基づいて運用されているにもかかわらず,センターによって肝臓移植の優先権の相違が依然存在する.

(翻訳: 石塚尋朗)

要旨(Abstract)


患者診療の質の改善(Improving Patient Care)

心不全患者における薬剤服薬率を向上させるための薬剤師の介入研究:無作為化試験

Pharmacist Intervention to Improve Medication Adherence in Heart Failure: A Randomized Trial

Michael D. Murray, James Young, Shawn Hoke, Wanzhu Tu, Michael Weiner, Daniel Morrow, Kevin T. Stroupe, Jingwei Wu, Daniel Clark, Faye Smith, Irmina Gradus-Pizlo, Morris Weinberger, and D. Craig Brater

研究者たちは,314名の低所得者のうっ血性心不全患者を,9ヵ月間の薬剤師介入群と通常治療群に無作為に割り付けた.薬剤師介入群では,患者の知識を評価し,薬剤使用に関する教育を行った.通常治療群と比較して,薬剤師の介入を受けた患者では,薬剤の服薬率が高く,心不全が悪化して救急部門を受診したり,入院することが少なかった.しかし,介入が中止されると3ヵ月以内に通常治療群と同等の服薬率に低下した.

(翻訳: 平和伸仁)

要旨(Abstract)


総説(Reviews)

ナラティブ・レビュー: 線維筋痛症の病態生理

Narrative Review: The Pathophysiology of Fibromyalgia

Aryeh M. Abeles, Michael H. Pillinger, Bruce M. Solitar, and Micha Abeles

線維筋痛症は,びまん性の慢性疼痛とその他の身体症状,たとえば不眠や疲労感,こわばりを特徴とする,ありふれた疾患である.この慢性疼痛に関する研究では,線維筋痛症やこれに関連する慢性疼痛を示す疾患の病態生理に新しい見識をもたらし,線維筋痛症の患者は一般人とは異なった痛みを経験していることが示唆されている.この総説では線維筋痛症患者の慢性疼痛の機序について考察されている.

(翻訳: 山前正臣)

要旨(Abstract)


系統的レビュー:未破裂腹部大動脈瘤の修復

Systematic Review: Repair of Unruptured Abdominal Aortic Aneurysm

Frank A. Lederle, Robert L. Kane, Roderick MacDonald, and Timothy J. Wilt

著者らは,2つの治療法の効果を比較するために腹部大動脈瘤(AAAs)における開腹修復術と血管内修復術とを比較した無作為化試験の体系的調査を行った.それによれば,5.5cmより小さいAAAsを修復しても患者の生存期間は改善しなかった.開腹修復術と比較して血管内修復術は手術合併症による死亡率が低く,中期死亡率は同程度であった.しかし,血管内修復術では,開腹修復術の適応とならない患者の生存期間の改善は示されず,その長期死亡率に関しては不明である.

(翻訳: 宇野久光)

要旨(Abstract)


医学の歴史(History of Medicine)

製薬会社による市場調査と処方する内科医

Pharmaceutical Marketing Research and the Prescribing Physician

Jeremy A. Greene

処方する医師の素描,すなわち医師の処方傾向の観察ならびにこれらのデータを製薬会社による市場調査へ売却することは,現在,州の法律と米国医師会で論議の的になっている.しかし,健康医療情報を体系化する産業は過去50年以上にわたり発展してきた.そのシステムは単に医療界に押し付けられたものではなく,内科医と内科医の組合が発展に寄与してきた.この役割を調べることは,現在の論議に直接関連する.

(翻訳: 秋山真一郎)

要旨(Abstract)


論評(Editorials)

エビデンスに基づく腹部大動脈瘤のスクリーニングと管理

Evidence-Based Screening and Management of Abdominal Aortic Aneurysm

John D. Birkmeyer and Gilbert R. Upchurch, Jr.

この紙上では,Kimらとその同僚らにより,65歳から74歳の男性住民を対象に腹部大動脈瘤(AAA)をスクリーニングすることで、単にAAAに関連した死亡率ばかりでなく原因を問わない全死亡率を減少させたことを示す.また,Lederleとその共同研究者らによって,血管内修復が開腹修復や観察と比べて費用対効果が高くないということが示された.これらの研究は,AAAの検出と管理のためにはより根拠に基づいた研究方法の必要性を支持する.AAAのスクリーニングは指導基準から質の表示へ向けて進化させるべきであり,またAAAの血管内修復の普及は慎重になされるべきである.

(翻訳: 郷間 巌)


薬を処方する医師のプロファイリング:終わりにするとき

Prescriber Profiling: Time to Call It Quits

David Grande

この論文で,Greeneは商業的市場調査目的での,薬を処方する医師と処方傾向の素描についての歴史的起源について記述している.医師たちは商業的市場調査が臨床的な治療の決定に影響することを防止するために州議会や医師会に働きかけ,医師の処方情報の商社に対する販売を止めさせなくてはならない.

(翻訳: 廣井直樹)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)

高齢うつ病患者におけるうつ病治療と死亡

Depression Care Management and Death among Older Persons with Depression

(翻訳: 小河秀郎)

本文(Full Text)


バックナンバー

1 May 2007 Volume 146 Issue 9

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3 April 2007 Volume 146 Issue 7

20 March 2007 Volume 146 Issue 6

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20 February 2007 Volume 146 Issue 4

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