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Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年6月29日)

Annals of Internal Medicineの紹介(タイトル・紹介文・Abstract−抜粋和訳)

ACP日本支部では,Annals of Internal Medicineの目次と要旨(抜粋)を日本語に訳したものをACP日本支部のホームページ日本語版に掲載しています.医学,医療の最新のトピックスが掲載されたAnnals of Internal MedicineはACP本部のホームページに掲載され,会員にも配送されますが,記事を抜粋してPublication Committee委員が日本語訳を行い,ACP日本支部のホームページ掲載するようにしています.医学,医療の新たな情報を把握するのに非常に便利で,原本を読みたければACP本部のホームページにすぐにリンクできるようにしています.

皆様ご活用頂くと共に,先生方のご同僚や研修医・学生の皆さんにもご案内下さるようお願い致します.(1/22/2007付)

Publication Committee 委員長 石橋大海,副委員長 渡邊毅
 

Annals
Established in 1927 by the American College of Physicians

目次 (TABLE OF CONTENTS)

19 June 2007 Volume 146 Issue 12 (監修:伊熊睦博)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

 

原著(Articles)

インフリキシマブ治療歴のあるクローン病患者に対するアダリムマブ導入療法:無作為化試験

Adalimumab Induction Therapy for Crohn Disease Previously Treated with Infliximab: A Randomized Trial

William J. Sandborn, Paul Rutgeerts, Robert Enns, Stephen B. Hanauer, Jean-Frédéric Colombel, Remo Panaccione, Geert D'Haens, Ju Li, Marie R. Rosenfeld, Jeffrey D. Kent, and Paul F. Pollack

クローン病患者は,最初はインフリキシマブによく反応するが,その後不耐症になったり反応しなくなる.Sandbornらは,インフリキシマブに不耐症もしくは反応しなくなったクローン病患者325人を,無作為にアダリムマブ(別の腫瘍壊死因子阻害薬)投与もしくはプラセボ投与に割り付けた.4週後,アダリムマブはプラセボと比較して,より多くの寛解をもたらした(21%対7%).本研究は,長期成績あるいはアダリムマブの免疫原性については検討していない.

(翻訳:加藤秀章)

要旨(Abstract)  患者さんへのまとめ(Summary for Patients)


骨量の減少した閉経後女性の骨代謝に対する植物性エストロゲン:ゲニステインの効果:無作為化試験

Effects of the Phytoestrogen Genistein on Bone Metabolism in Osteopenic Postmenopausal Women: A Randomized Trial

Herbert Marini, Letteria Minutoli, Francesca Polito, Alessandra Bitto, Domenica Altavilla, Marco Atteritano, Agostino Gaudio, Susanna Mazzaferro, Alessia Frisina, Nicola Frisina, Carla Lubrano, Michele Bonaiuto, Rosario D'Anna, Maria Letizia Cannata, Francesco Corrado, Elena Bianca Adamo, Steven Wilson, and Francesco Squadrito

複数の研究は,大豆製品に含まれる植物性エストロゲンのイソフラボンが女性の骨量の減少を抑えるとしているが,決定的な証拠はない.Mariniらは,389人の骨減少状態の閉経後の女性に対する,植物性エストロゲンであるゲニステインとプラセボの効果を比較した.24ヵ月間ゲニステインを服用した女性では,プラセボを服用した女性より骨塩濃度が顕著に増加していた.また,ゲニステインは骨代謝マーカーを改善した.ゲニステインは子宮内膜の肥厚を来たさなかったが,消化器症状の副作用を引き起こした.

(翻訳:土谷昌信)

要旨(Abstract)  患者さんへのまとめ(Summary for Patients)


リスクを減少させるという治療の便益を様々な言葉で説明する:無作為化比較試験

Different Ways to Describe the Benefits of Risk-Reducing Treatments: A Randomized Trial

Peder A. Halvorsen, Randi Selmer, and Ivar Sønbø Kristiansen

治療の転帰について同じ内容ではあるが,その説明を異なった表現で与えられた時に,患者の反応も異なってくる.Halvorsenらは,1754例の健康人を,心筋梗塞または股関節骨折を予防する薬物治療をした場合の仮定の転帰について,(結果は)同等であるが異なった表現の3つの「説明の仕方」のうち一つを受けるように無作為に割り当てた.回答者は,「心筋梗塞または股関節骨折の発症を一件減らすために,5年間の服薬を必要とする人が何人いるか」という説明された場合に,治療に同意する頻度が高かった.回答者は,その治療が発症を遅らせるという説明を受けた場合には同意しないことが多かった.

(翻訳:村上 純)

要旨(Abstract)  患者さんへのまとめ(Summary for Patients)


総説(Reviews)

メタ解析:非弁膜症性心房細動患者の脳梗塞発症を防ぐ抗血栓療法

Meta-analysis: Antithrombotic Therapy to Prevent Stroke in Patients Who Have Nonvalvular Atrial Fibrillation

Robert G. Hart, Lesly A. Pearce, and Maria I. Aguilar

Hartらは心房細動を伴う患者の脳梗塞予防のために投与された抗血栓薬のメタ解析の改訂版を報告した.改訂されたメタ解析では,適正投与量のワルファリンカリウムが,偽薬に比較して脳梗塞の発症リスクを(6つの試験で)64%減少させ,抗血小板薬は脳梗塞の発症リスクを(8つの試験で)22%減少させることを示した. 適正投与量のワルファリンカリウムは抗血小板療法より効果的であるが,重大な頭蓋外の出血と頭蓋内出血の危険性を(12の試験で)2倍にした.しかしながら,これらの重篤な有害事象の発症率は,1年間で0.2%であるにすぎなかった.

(翻訳:小野広一)

要旨(Abstract) 


メタ解析:変形性膝関節症に対する鍼治療

Meta-analysis: Acupuncture for Osteoarthritis of the Knee

Eric Manheimer, Klaus Linde, Lixing Lao, Lex M. Bouter, and Brian M. Berman

変形性膝関節症に対する鍼治療効果の無作為化比較試験は,一貫した結果が得られていない.Manheimerらのメタ解析では,シャム治療群,通常の治療群,あるいは未治療群に分けて,中期観察期間を有する8つの無作為試験を扱っている.シャム治療と実際の鍼治療の成績は同等であった.対照群としてシャム治療を用いない試験では,鍼治療群は対照群と比較してより良い結果を示していた.

(翻訳:鈴木克典)

要旨(Abstract) 


展望(Perspectives)

表面上の有益性を理由に無作為試験を早期に中止する際の倫理的問題

Ethical Issues in Stopping Randomized Trials Early Because of Apparent Benefit

Paul S. Mueller, Victor M. Montori, Dirk Bassler, Barbara A. Koenig, and Gordon H. Guyatt

歴史的にみると,研究の結果が大きな効果を示している場合,より効果の劣る治療を割り付けられた研究対象者の利益を守るため,完了前でも倫理的見地から研究を中止せざるをえないと研究者たちは感じてきた.Mueller らは逆の立場を主張する:すなわち,有益でありそうだからという理由で無作為試験を早期に中止するということは,時として非倫理的であり,限られた状況下でのみ正当化されうるという主張である.

(翻訳:泉谷昌志)


何があってもやめないのか? 臨床試験におけるデータ監視のいくつかのジレンマ

Stopping at Nothing? Some Dilemmas of Data Monitoring in Clinical Trials

Steven N. Goodman

Muellerらの意見と対照的に,Goodmanは,試験の目的は治療が優れているかどうかを決めることであり,もし利益が大きければ利益を正確に評価することは重要でないと論じている.彼は,大きな効能の差があったならば,(試験中止により)相殺される有害な事象が起きない限り,試験を継続すべきでないとも述べている.社会は研究者に対し,劣っている治療群に割り当てられた参加者が損失を被る可能性のある比較対照試験を行うことを,(被験者が)不必要な害を避けるという条件つきで許している.それゆえに社会はこの倫理バランスを変更しうる政策の討議に参加しなければならない.

(翻訳:吉井康裕)


論評(Editorials)

GAIN for Loss:インフリキシマブ抵抗性のクローン病に対するアダリムマブ療法

GAIN for Loss: Adalimumab for Infliximab-Refractory Crohn Disease

Peter Mannon

今号で,Sandbornらはインフリキシマブ(抗TNF-α抗体,商品名レミケード)療法にもかかわらず症状緩和が得られない,または副作用でインフリキシマブが使えなくなったクローン病患者に対するアダリムマブ(日本未発売の抗TNF-α抗体)療法が,疾患活動性を減弱させるかどうかを評価している.今回の試験で示唆されたことは,インフリキシマブに抵抗性を持ったこれらの患者にアダリムマブを使うことはできるだろうが,アダリムマブ療法への反応はインフリキシマブによる初期療法ほど良くなく,また寛解を得られる患者も少ないということである.ある抗TNF-α抗体による治療が,クローン病(の病態)を変え,その結果,別の抗TNF-α抗体の効果が減弱する可能性がある.
訳者注:GAINとは本臨床試験名 Gauging Adalimumab Efficacy in Infliximab Nonrespondersの頭文字を指し,“gain and loss(利益と損失)”に引っ掛けた表題.

(翻訳:吉田直之)


疾病予防に関する直言

Straight Talk about Disease Prevention

Harold C. Sox

今号の Halvorsenらの研究は,我々にフレーミング効果を思い起こさせる.彼らはアウトカムを説明する言葉が,ある介入(試験)に患者が同意するかどうかの意思決定に強く影響すると報告している.さて,臨床医はこの知識をいかに使うべきだろうか.本研究が,研究者,医学生,そして臨床医にとって,患者との対話の時間が,単に臨床技能の楽しい実践の場のみならず,人々の生活を変えうるものであるということを気付かせてくれると期待する.

(翻訳:吉田直之)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)

クローン病患者に対する抗TNF療法

Treatment of Crohn Disease with Anti-Tumor Necrosis Factor Agent

(翻訳:渡邊清高)

本文(Full Text)


植物性エストロゲンであるゲニステインの閉経後女性の骨の健康に対する効果

Effects of the Phytoestrogen Genistein on Bone Health in Postmenopausal Women

(翻訳:小山雄太)

本文(Full Text)


リスクを減少させるという治療の便益を様々な言葉で説明すること

Different Ways to Describe the Benefits of Risk-Reducing Treatments

(翻訳:霜山龍志)

本文(Full Text)


バックナンバー

 

5 June 2007 Volume 146 Issue 11

15 May 2007 Volume 146 Issue 10

1 May 2007 Volume 146 Issue 9

17 April 2007 Volume 146 Issue 8

3 April 2007 Volume 146 Issue 7

20 March 2007 Volume 146 Issue 6

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20 February 2007 Volume 146 Issue 4

6 February 2007 Volume 146 Issue 3

16 January 2007 Volume 146 Issue 2

2 January 2007 Volume 146 Issue 1


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