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Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年2月20日)
Annals
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原著(ARTICLE)

睡眠ポリグラフ検査を用いない閉塞型睡眠時無呼吸症候群の診断と初期治療:無作為化妥当性研究

Diagnosis and Initial Management of Obstructive Sleep Apnea without Polysomnography
A Randomized Validation Study
Alan T. Mulgrew, MB; Nurit Fox, MSc, CCRP; Najib T. Ayas, MD, MPH; and C. Frank Ryan, MB

6 February 2007 | Volume 146 Issue 3 | Pages 157-166

背景: 睡眠ポリグラフ検査(PSG)は,利用できるところは限られており,コストも高いが,現在のところ閉塞型無呼吸症候群の診断と有効な持続的気道内陽圧(CPAP)のタイトレーション(適正圧を決める作業)に推奨されている.

目的: 閉塞型睡眠時無呼吸の初期治療における外来でのCPAPタイトレーションと併せて診断アルゴリズムの有用性を検討する.

 

方法: 診断アルゴリズムにより高リスクと同定された患者におけるPSGを行った標準群と外来CPAPタイトレーションの群との,無作為化比較,非盲検試験.

 

試験場所: カナダ,ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーの3次紹介睡眠障害センター機構

 

患者:  Epworth Sleepiness Scale (ESS) スコアと睡眠時無呼吸臨床スコアならびに終夜酸素飽和度測定による前もっての一連の検査で,中等症から重症の閉塞型無呼吸症候群(無呼吸低呼吸指数[AHI] >15 エピソード/時)が強く疑われた68名の患者.

 

介入: 患者は無作為にPSG施行群とオートCPAPに終夜酸素飽和度測定を用いて外来タイトレーションを行う群に割り付けられた.3カ月間観察が行われた.

 

測定: CPAP使用下の無呼吸低呼吸指数,ESSスコア,QOL,およびCPAP利用の順守度.

 

結果: PSG施行群と外来群はBMI(38 kg/m2),年齢(55歳),ESSスコア(14点),ならびに呼吸障害指数(1時間あたりの呼吸障害のエピソードの回数: 31 回/時)について中央値で同等であった.呼吸障害の各エピソードはパルスオキシメトリーにより測定された酸素飽和度の解析に基づいたコンピュータアルゴリズムにより確定された.3カ月後において,主要アウトカム評価項目であるPSG群と外来群の間でのCPAP使用中のAHI(中央値,3.2 vs. 2.5; 差, 0.8/時 [95%信頼区間, –0.9 to 2.3])(P = 0.31)に差がなく,また副次アウトカム評価項目であるESSスコア,睡眠時無呼吸QOL指数,CPAPにも差がなかった.CPAP治療の順守度は外来群でPSG群に比べ良好であった(中央値,5.4 vs. 6.0; 差, –1.12 時/夜 [CI, –2.0 to 0.2])(P = 0.021).

 

結論: 閉塞型睡眠時無呼吸症候群が強く疑われる患者の初期治療において,PSGの施行は外来で診断とCPAPタイトレーションを行う方法よりも優れているとはいえない.この外来での手法は治療の順守性を高める可能性があり,PSGの利用が適切にできない場合に,治療を最も必要とする患者の治療を効率的に行うために利用することができる.

(翻訳: 郷間巌)

English Abstract