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Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年2月20日)
Annals
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診療ガイドライン(CLINICAL GUIDELINES)

静脈血栓塞栓症の管理:診療ガイドラインの体系的総括

Management of Venous Thromboembolism: A Systematic Review for a Practice Guideline
Jodi B. Segal, MD, MPH; Michael B. Streiff, MD; Lawrence V. Hofmann, MD; Katherine Thornton, MD; and Eric B. Bass, MD, MPH

6 February 2007 | Volume 146 Issue 3 | Pages 211-222

背景: 静脈血栓塞栓の新しい治療が可能な時代となった.

目的: 深部静脈血栓症や肺動脈血栓の介入治療効果の根拠を再検討する.

 

情報源: MEDLINE, MICROMEDEX, Cochrane Controlled Trials Register,および1950年から2006年6月までのCochrane Database of Systematic Reviewsを利用した.

 

研究方法: 無作為化比較試験,試験の体系的な再検討,および観察的な研究法.全ての論文は英語で書かれたものに限定.

 

データ抽出:  二人一組の検索者により臨床試験の質と要約データを評価した. 著者らは適切な抗凝固療法期間についての結果を累積保存した.

 

データ合成: この総括では101の原著論文を再検討した.低分子ヘパリンは,深部静脈血栓症予防効果において非分画ヘパリンよりもやや優れていたが ,肺塞栓症に対しては非分画ヘパリンと同等であった.静脈血栓塞栓症の外来治療は,慎重に選択された患者群で適切な処置を提供することにより,効果的かつ安全に行うことが可能と思われた.低分子ヘパリンの使用は非分画ヘパリンに比べ,入院患者と外来患者の別を問わず,医療費を抑制し,また効果的であることが示された.観察研究によれば,カテーテル血栓溶解法は,適切な患者群において安全な静脈開存が可能である.また,早期の弾性ストッキングの使用が,後血栓症候群を減少させるというある程度信頼性のある証拠が示された.下大静脈フィルターは,肺動脈血栓の予防に対して,やや有効なだけという限定的証拠も示された.伝統的な治療期間としての12か月以上の経口抗血栓療法は,原因不明の静脈血栓塞栓症患者には適当と思われるが,一過性の危険しか持たない患者には,3か月以上の長期治療から得られる利益はほとんどない.良質な臨床試験群によれば,がん患者に対しては,経口抗凝固治療よりも低分子ヘパリン使用の方が治療効果の高いことが示されている.妊娠中の静脈血栓塞栓症治療を支持するような証拠はほとんど見当たらなかった.

 

研究の限界: 英語以外の文献は除外してあり,また,著者はすべての治療管理上の問題に答えているわけではない.

 

結論: エビデンスの強さは各試験課題により異なるが,一般的には信頼性の高いエビデンスであるといえる.
 

(翻訳: 齋藤雄司)

English Abstract