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Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年3月5日)

Annals of Internal Medicineの紹介(タイトル・紹介文・Abstract−抜粋和訳)

ACP日本支部では,Annals of Internal Medicineの目次と要旨(抜粋)を日本語に訳したものをACP日本支部のホームページ日本語版に掲載しています.医学,医療の最新のトピックスが掲載されたAnnals of Internal MedicineはACP本部のホームページに掲載され,会員にも配送されますが,記事を抜粋してPublication Committee委員が日本語訳を行い,ACP日本支部のホームページ掲載するようにしています.医学,医療の新たな情報を把握するのに非常に便利で,原本を読みたければACP本部のホームページにすぐにリンクできるようにしています.

皆様ご活用頂くと共に,先生方のご同僚や研修医・学生の皆さんにもご案内下さるようお願い致します.(1/22/2007付)

Publication Committee 委員長 石橋大海,副委員長 渡邊毅
 

Annals
Established in 1927 by the American College of Physicians

目次 (TABLE OF CONTENTS)

20 February 2007 Volume 146 Issue 4(監修: 石塚尋朗)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

 

原著(Articles)

心臓外科手術における,手術中のインスリン強化療法vs. 通常血糖管理: 無作為化試験
Intensive Intraoperative Insulin Therapy versus Conventional Glucose Management during Cardiac Surgery: A Randomized Trial
Gunjan Y. Gandhi, Gregory A. Nuttall, Martin D. Abel, Charles J. Mullany, Hartzell V. Schaff, Peter C. O'Brien, Matthew G. Johnson, Arthur R. Williams, Susanne M. Cutshall, Lisa M. Mundy, Robert A. Rizza, and M. Molly McMahon
厳格な手術中の血糖管理が心臓外科手術を受ける患者の死亡数と死亡率を減少させるかどうか判断するために,著者らは無作為に,400人の心臓外科手術を受ける患者を ,手術中に厳格な血糖管理を行う群と,通常の術中血糖管理行う群に分けた.すべての患者は心臓外科集中治療室では厳格な血糖管理を受けた.両群に手術前後で有害事象の発生率に違いはなかった . しかし,強化療法群では,脳卒中(8 vs.対照治療群1)と死亡症例(4 vs. 対照治療群0)が多かった.手術中の厳格な血糖管理は無益であるばかりか ,有害かもしれない.
(翻訳: 土谷昌信)
要旨(Abstract)

大腸新生物に対する定量的免疫化学的便潜血検査
A Quantitative Immunochemical Fecal Occult Blood Test for Colorectal Neoplasia
Zohar Levi, Paul Rozen, Rachel Hazazi, Alex Vilkin, Amal Waked, Eran Maoz, Shlomo Birkenfeld, Moshe Leshno, and Yaron Niv
著者らは,種々の適応の下に大腸内視鏡検査が施行された1000人の患者において,癌と進行した腺腫の検出における便中ヘモグロビンの定量的免疫化学的測定の感度と特異度を評価した .ヘモグロビン含量は癌と進行した腺腫においてもっとも高値であった.75ng/mlを超える便中ヘモグロビン含量は,癌あるいは進行した腺腫において感度および特異度がそれぞれ67%, 91%であった .陽性および陰性尤度比はそれぞれ7.8, 0.36であった.癌に対する感度および特異度はそれぞれ94.1%と87.4%であった .この検査の性能はグアヤック検査より優れていた.
(翻訳: 加藤秀章)
要旨(Abstract
 

リスクを理解することを助ける手引書の有用性:異なる集団における2つの無作為化研究
The Effectiveness of a Primer to Help People Understand Risk: Two Randomized Trials in Distinct Populations
Steven Woloshin, Lisa M. Schwartz, and H. Gilbert Welch
多くの研究が,患者がリスク情報の理解に困難を感じていることを明らかにしている.本研究では,よりよい解釈能力を教えるための方法について検討した.高い社会経済的地位(SES)の成人が無作為に,リスク解釈についての手引書を受ける群と一般的な健康冊子を受ける群とに振り分けられた.低い社会経済的地位の患者でも同様の検討がなされた.いずれの社会経済的地位グループにおいても手引書を受け取った成人では医療データの理解テストで良好な結果を示した.さらに医療統計にも強い関心を示したが,医療統計の解釈には信頼を示さなかった.多くの対象が手引書を有益あるいは極めて有益であると評価した.
(翻訳: 渡邊清高)
要旨(Abstract)


短報:IgE抗体によるペニシリンアレルギー患者におけるメロペネムの耐容性
Brief Communication: Tolerability of Meropenem in Patients with IgE-Mediated Hypersensitivity to Penicillins
Antonino Romano, Marinella Viola, Rosa-Maria Guéant-Rodriguez, Francesco Gaeta, Rocco Valluzzi, and Jean-Louis Guéant
著者らは104人のペニシリンに対して即時アレルギーの既往のある患者にペニシリンとメロペネムの皮内試験を行った.全員,ペニシリンに対しては陽性だったが,メロペネムに対しては1人のみ陽性だった .103人のメロペネムテスト陰性患者すべてでメロペネム静脈注射後にアレルギー反応を示さなかった.ペニシリンとメロペネムはめったに交差しない .したがって,ペニシリンアレルギー患者にメロペネムをさけることは不必要である.
(翻訳: 霜山龍志)
要旨(Abstract) 患者さんへのまとめ(Summary for Patients)
 

患者診療の質の改善(Improving Patient Care)

心不全患者の外来診療の質を確立するための電子カルテの自動チェック法検証
Automated Review of Electronic Health Records to Assess Quality of Care for Outpatients with Heart Failure
David W. Baker, Stephen D. Persell, Jason A. Thompson, Neilesh S. Soman, Karen M. Burgner, David Liss, and Karen S. Kmetik
本研究で,著者らは心不全患者の外来診療の質を電子カルテの自動チェック法とさらにその後,電子カルテを手作業でチェックする方法(ハイブリッド法)とを比較した .左室駆出率を調べた割合,β遮断剤薬を投与している割合,ACE阻害薬やアンギオテンシンII受容体拮抗薬を投与している割合は自動チェック法でもハイブリッド法でも同様であった .しかし,自動チェック法ではしばしば心房細動に対するワーファリンを医師が投与しているかどうかのチェックは過小評価をした .その理由はワーファリンを投与しない合理的な理由の記載がされているかどうかは自動チェック法では分からないからであった.
(翻訳: 平岡栄治)

要旨(Abstract)
 

総説(Reviews)

メタ解析:内科入院患者における症候性の静脈血栓塞栓症の抗凝固療法による予防
Meta-analysis: Anticoagulant Prophylaxis to Prevent Symptomatic Venous Thromboembolism in Hospitalized Medical Patients
Francesco Dentali, James D. Douketis, Monica Gianni, Wendy Lim, and Mark A. Crowther
静脈血栓塞栓症(VTE) のリスクのある内科入院患者に対する抗凝固剤による予防が利用されることは少ない.この無作為化試験のメタ解析の目的は,内科入院患者におけるVTEを減らすための抗凝固療法の予防効果を評価することである .著者らは,抗凝固療法(非分画ヘパリン・低分子ヘパリン,フォンダパリヌクス)は症候性VTEの発症予防に有効であることを見い出した.

(翻訳: 村上純)
要旨(Abstract)
 

系統的総説:定期的健康診断の価値
Systematic Review: The Value of the Periodic Health Evaluation
L. Ebony Boulware, Spyridon Marinopoulos, Karran A. Phillips, Constance W. Hwang, Kenric Maynor, Dan Merenstein, Renee F. Wilson, George J. Barnes, Eric B. Bass, Neil R. Powe, and Gail L. Daumit
著者らは,定期的健康診断(PHE)を受けている患者と通常のケアを受けている患者において,予防医療の受診,臨床的アウトカム,そしてコストについて比較した研究の系統的レビューを行った .得られたエビデンスは,定期的健康診断はいくつかの推奨されている予防医療の受診を改善すること,また患者の不安を軽減するかもしれないということを示唆している .定期的健康診断を受けることについての長期的な有益性,有害性,そしてコストについてはそれほどよく分からなかった.しかしながら,本研究で示された定期的健康診断に有益性があるというエビデンスは ,定期的健康診断を正当化するものである.

(翻訳: 泉谷昌志)
要旨(Abstract)
 

展望(Perspectives)

プライマリケアと専門分野での収入のギャップ:なぜそれが問題に?
The Primary Care–Specialty Income Gap: Why It Matters
Thomas Bodenheimer, Robert A. Berenson, and Paul Rudolf
ほとんどの専門家は,USヘルスケアシステムの土台である健全なプライマリケアを保証するためには支払いの改善が重要であると信じている.この論文では,以前より患者ケアサービスへの償還のために設定されているプロセスについて議論している.このプロセスが,プライマリケア医と多くの専門医との間で収入格差が拡大している重要な理由である .収入格差は重要な問題である.というのは,プライマリケアでは低収入であるため,医学部の卒業生がプライマリケアを職業に選ぶのを思いとどまってしまうからである.
(翻訳: 小山雄太)
 

論評(Editorials)

心臓手術の術中の厳格な血糖管理によって患者のアウトカムは改善するか?
Does Tight Blood Glucose Control during Cardiac Surgery Improve Patient Outcome?
Greet Van den Berghe
心臓手術後に厳格な血糖管理を行った心疾患患者での,最近の術後介入試験の好成績は,糖尿病の有無にかかわらず,厳格な血糖管理によって患者アウトカムがさらに改善するのかどうかという疑問を提起した.Gandhiらは,400例の手術例で ,術中にインスリン強化療法を受ける群と,通常の血糖管理を受ける群とに無作為に分けて検討した.その検討は,集中治療室に入ってから厳格な血糖管理を始めた場合と比べて ,術中から厳格な血糖管理を行なっても,さらによい結果がもたらされるわけではないことをはっきりと示している.
(翻訳: 安藤聡一郎)

定量的免疫化学的便潜血検査: 未来に向かって
Quantitative Immunochemical Fecal Occult Blood Tests: Is It Time to Go Back to the Future?
Thomas F. Imperiale
免疫化学的便潜血反応検査は標準的なグアヤック試験より優れた代替検査である.潜在出血の検出に関して,免疫化学的便潜血反応検査はグアヤック試験よりも感度,特異度ともに優れているとLeviらは報告している.さらに,免疫化学的便潜血反応の結果は連続的な変数であるため,患者の臨床徴候に合わせて ,臨床医が陽性とする閾値を決めることができる.結腸直腸癌の検診受診率は乳癌や子宮頚癌の検診受診率と同様であるべきである.定量的免疫化学的便潜血反応検査はその目標達成の鍵となるかもしれない.
(翻訳: 吉井康裕)
 

患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)

ペニシリンアレルギーを有する患者におけるメロペネムの耐容性
Tolerability of Meropenem in Patients with Penicillin Allergy
(翻訳: 峠岡康幸)
本文(Full Text)
 

バックナンバー

6 February 2007 Volume 146 Issue 3
16 January 2007 Volume 146 Issue 2
2 January 2007 Volume 146 Issue 1

 
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