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Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年3月5日)
Annals
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患者さんへのまとめ(SUMMARIES FOR PATIENTS)

ペニシリンアレルギーを有する患者におけるメロペネムの耐容性

Tolerability of Meropenem in Patients with Penicillin Allergy

20 February 2007 | Volume 146 Issue 4 | Page I-53

「患者さんへのまとめ」は ,患者さんが近代医学の複雑でしばしば迷わすような用語をよりよく理解することを助けるためにAnnals誌によって提供されるサービスです.

 

「患者さんへのまとめ」は情報を提供する目的だけのために提示されています.これらの「まとめ」はあなた自身のかかりつけ医からの助言の代わりとなるものではありません.もしあなたが,この題材について疑問を持ったり,あなた自身の健康あるいは状況についての医学的助言を必要とする場合は,あなたのかかりつけ医と連絡をとってください.「まとめ」は非営利的な教育目的のためだけに転載されても構いません.他の用途への使用については,米国内科学会(ACP)によって承認されなければなりません.

下記の「まとめ」は「IgE抗体によるペニシリンアレルギー患者におけるメロペネムの耐容性」というタイトルの論文(短報)からのものです.
 

何が問題であり,それについて現在までにどういうことが分かっているのでしょうか?
抗菌薬であるペニシリンに対するアレルギー反応はよくあることです.メロペネムはペニシリンが作用する多くの感染症に対して同じように作用する抗菌薬です.メロペネムはペニシリンアレルギーを有する患者さんにとって,治療薬として選択肢の一つになります.しかし,メロペネムとペニシリンは 類似の化学構造を有することから,医師はしばしばペニシリンアレルギーがある患者さんでは使用を避けてしまいます.ペニシリンアレルギーの患者さんで,メロペネムアレルギーが生じる頻度に関する情報は十分ではありません.ペニシリンやメロペネムのような,ある種の薬剤では,医師は皮下に少量の薬剤を投与してアレルギー反応をみる"皮膚テスト"と呼ばれる試験を行うことができます.アレルギー反応のためにペニシリンを服薬できない患者さんにとって抗菌薬の選択肢を知ることは重要です.
 
この研究の目的は何ですか?
ペニシリンアレルギーを有する患者さんにおけるメロペネムアレルギーの頻度を知ることが目的です.
 
誰が試験されたのでしょうか?
対象は過去にペニシリンに対するアレルギー歴があり,ペニシリンの皮膚テストが陽性である104名の患者さんです.これらの患者さん達は研究目的に限って試験に参加することを同意しました.実際にはメロペネムの投与が必要な状態にはありませんでした.
 
その研究はどのようにしてなされましたか?
研究者らは104名の患者さん全員に,メロペネムの皮膚テストを行いました.それから皮膚テストが陰性であった患者さんに,メロペネムのチャレンジテストを行いました.このチャレンジテストでは,研究者らは皮膚テスト陰性の患者さんに少量のメロペネムを投与しました.彼らは注意深く患者さんのアレルギー反応の有無を観察しました.アレルギー反応がみられなかった場合には,さらに2回,量を増やして投与を行い,その都度アレルギー反応の有無を観察しました.
 
研究者達は何を発見しましたか?
104名の患者さんに対して皮膚テストが行われ,1名のみがメロペネムのアレルギー反応である皮膚テスト陽性を示しました.残りの103名の患者さんはアレルギー反応を認めず,メロペネムの試験投与に対して耐容性があることが示されました.
 
研究の限界は何でしょうか?
患者さんは抗菌薬の投与を必要とするような感染症にはかかっていませんでしたので,チャレンジテストでのメロペネム投与量は実際の治療で用いられる量ではありませんでした.今回アレルギー反応を認めなかった患者さんの一部では,実際の治療で用いられる量を投与すると,アレルギー反応を起こす可能性があります.
 

この研究の意義はどのようなものでしょうか?
ペニシリンアレルギーの患者さんでもメロペネムの皮膚テストが陰性であれば,メロペネムは治療上の選択肢のひとつになるかもしれません.
 

(翻訳: 峠岡康幸)

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