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Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年3月5日)
Annals
Established in 1927 by the American College of Physicians
 

患者診療の質の改善(IMPROVING PATIENT CARE)

心不全患者の外来診療の質を確立するための電子カルテの自動チェック法検証

Automated Review of Electronic Health Records to Assess Quality of Care for Outpatients with Heart Failure
David W. Baker, MD, MPH; Stephen D. Persell, MD, MPH; Jason A. Thompson, BA; Neilesh S. Soman, MD, MBA; Karen M. Burgner, MD; David Liss, BA; and Karen S. Kmetik, PhD

20 February 2007 | Volume 146 Issue 4 | Pages 270-277

背景: 電子カルテは診療の質の検証に使用できるかもしれない.

目的: 心不全にて外来通院中の患者に対する診療の質を検証するための電子カルテのデータの自動チェック法の正確度を検討すること.

 

方法: 心不全診療の質を観察研究にて検証した.そのため電子カルテを自動チェック法にて検証する方法と診療の質に問題がありそうなら ,さらに手作業で電子カルテをチェックする方法(ハイブリッド法)を比べた.
 

試験場所: 商品化されている電子カルテを数年使用しているアカデミックな一般内科クリニック.

 

患者:  電子カルテに記載されているICD-9の心不全の診断が付いている患者のうち過去18ヶ月で2回以上クリニックを受診している517人の患者.

 

測定: 左室駆出率(LVEF)が調べられている割合,左室収縮不全(LVEF<40%)の患者に対しβ遮断薬やACE阻害薬またはアンギオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)が投与されている割合,心房細動のある患者にワーファリンが投与されている割合の検証.
 

結果: 自動チェック法とハイブリッドチェック法ではLVEFが調べられている率(94.6% 対97.3%),左収縮不全(LVEF<40%)の患者に対しβ遮断薬が投与されている率(90.9%対92.8%),ACE阻害薬またはARBが投与されている率(93.9%対98.7%)で,同様なデータが得られた.しかし,心房細動に対するワーファリン投与率に関しては自動チェック法の方がハイブリッドチェック法より低い結果となった(70.4%対93.6%).主な原因は,ワーファリンを投与しなかった合理的な理由が記載されていても,自動チェック法ではみつけていないことである.

 

研究の限界:  この結果は他の診療や他の電子カルテには当てはまらないかもしれない.適応する患者は電子カルテデータを使用し同定された.それによりひょっとすると心不全がありながら除外されている患者がいるかもしれない.自動チェックでは質の評価ができそうにない場合や標準定義にしたがって自動チェックの感度・特異度を決められない場合にはカルテを手作業にてチェックした.

 

結論:  心不全患者の外来診療の質を自動チェック法で検証する方法では,手作業にて検証しないと分からない薬を投与できない多くの理由を見落としていた.よって,投薬されている内容をもとに医療の質を電子カルテ自動チェック法で検証すれば過小評価するかもしれない.
 

(翻訳: 平岡栄治)

English Abstract