Journals

Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年3月5日)
Annals
Established in 1927 by the American College of Physicians
 

論評(REVIEW)

メタ解析:内科入院患者における症候性の静脈血栓塞栓症の抗凝固療法による予防

Meta-analysis: Anticoagulant Prophylaxis to Prevent Symptomatic Venous Thromboembolism in Hospitalized Medical Patients
Francesco Dentali, MD; James D. Douketis, MD; Monica Gianni, MD; Wendy Lim, MD; and Mark A. Crowther, MD, MSc

20 February 2007 | Volume 146 Issue 4 | Pages 278-288

背景: 抗凝固剤による予防の利用が少ないのは,静脈血栓塞栓症のリスクのある内科入院患者において,予防が臨床的に重要なアウトカムを防ぐという根拠が欠けているためかもしれない.

目的: 内科入院患者において抗凝固療法による予防が臨床的に重要なアウトカムを減少させる効果を評価する.

 

情報源: MEDLINE, EMBASEおよびコクランデータベースが,言語の制限なく2006年9月まで検索された.

 

研究の選択: 内科入院患者における抗凝固剤による予防と無治療を比較した無作為化試験.

 

データ抽出:  あらゆる症候性の肺塞栓(PE),致死的なPE,症候性の深部静脈血栓症,全ての原因による死亡,全ての大出血.蓄積された相対的リスクと ,関連した95%信頼区間が計算された.統計学的に有意であった治療効果に対して,著者らは絶対的リスク減少と,アウトカムを予防する利益のための治療必要例数 (NNTB)を算出した.

 

データ合成: 9 つの研究(n = 19 958)が検討された.抗凝固薬による予防の間,患者にはあらゆるPEの有意な減少(相対的リスク 0.43 [信頼区間, 0.26〜0.71];絶対的リスク減少, 0.29%; NNTB, 345) ,致死的PE (相対的リスク, 0.38 [信頼区間, 0.21〜0.69]; 絶対的リスク減少, 0.25%; NNTB, 400) があった; また ,症候性の深部静脈血栓の有意でない減少(相対的リスク, 0.47 [信頼区間, 0.22〜1.00]), および大出血の有意でない上昇 (相対的リスク, 1.32 [信頼区間, 0.73 〜 2.37])があった .抗凝固薬による予防は全ての原因による死亡に対して影響しなかった(相対的リスク, 0.97 [信頼区間, 0.79 〜1.19]).

 

研究の限界: 9つの試験のうち2つは二重盲験試験ではなかった.

 

結論: リスクのある内科入院患者に抗凝固薬予防が行われている間は,抗凝固薬による予防は,症候性の静脈血栓塞栓症の予防に有効である .これらの患者において,予防が中止された後の静脈血栓塞栓症のリスクを判断するためには,更なる研究が必要である.
 

(翻訳: 村上純)

English Abstract