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Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年3月19日)
Annals
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患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)


プライマリケアの患者さんにおける不安障害

Anxiety Disorders in Primary Care Patients


6 March 2007 | Volume 146 Issue 5 | Pages I-16


「患者さんへのまとめ」は ,患者さんが近代医学の複雑でしばしば迷わすような用語をよりよく理解することを助けるためにAnnals誌によって提供されるサービスです.

「患者さんへのまとめ」は情報を提供する目的だけのために提示されています.これらの「まとめ」はあなた自身のかかりつけ医からの助言の代わりとなるものではありません.もしあなたが,この題材について疑問を持ったり,あなた自身の健康あるいは状況についての医学的助言を必要とする場合は,あなたのかかりつけ医と連絡をとってください.「まとめ」は非営利的な教育目的のためだけに転載されても構いません.他の用途への使用については,米国内科学会(ACP)によって承認されなければなりません.


下記の「まとめ」は「プライマリケアにおける不安障害:頻度,障害,合併症,およびその診断」というタイトルの論文からのものです.


何が問題であり,それについて現在までにどういうことが分かっているのでしょうか?

不安障害とうつ病は,プライマリケア医が日常出合う機会の多い疾患です.うつ病は非常に多くの不幸をもたらし,自殺に至ることさえあるため,プライマリケア医の扱う患者さんにおけるメンタルヘルスに焦点を当てた研究と診療は非常に注目されてきています.不安障害もまた,ありふれた疾患ではありますが,医師や研究者には注目されてはきませんでした.


この研究の目的は何ですか?

不安障害およびその影響についてより深く理解するためと,不安障害を見つけ出すための短い質問項目の評価をするためです.


誰が試験されたのでしょうか?

プライマリケア医に予約を行って受診した965名の患者さんです.


その研究はどのようにしてなされましたか?

患者さんは4ページの質問票に答えました.その内容は不安障害の症状,及び日常生活での行動能力,普段の行動が不可能な日数,医療機関への受診回数です.1週間の間で患者さん一人一人がメンタルヘルスの専門家にインタビューされ,不安障害があるか否か調査されました.インタビュアーは,4つの不安障害の症状について質問しました.全般的不安障害,パニック障害,社会不安障害,心的外傷後ストレス障害についてです.


研究者達は何を発見しましたか?

965名の患者さんの中で,19.5%の患者さんが,少なくとも1つの不安障害を持ち,そのうち多くの患者さんは複数の不安障害を合併していました.不安障害を持つ人は,持たない人のようには行動できませんでした.そして彼らは,活動できない日が多く受診回数も多くなりました.これらの問題は1つ以上の不安障害を持つ患者さん及びより重症の不安障害を持つ患者さんにおいて,すべての項目について悪い結果でした.驚くべきことに,不安障害を持つ患者さんの41%が治療を受けていませんでした.筆者らは,7つの質問項目と2つの質問項目の両者が,最も不安障害患者さんの発見に適していることを見つけ出しました.これらは,不安障害の種類には関係ありませんでした.


研究の限界は何でしょうか?

筆者らは,患者さんのほかの疾患については尋ねませんでした.もっとも,この研究結果は,不安障害は,患者さんの身体障害,日常の機能の低下,医者への再々の外来受診をもたらすことを示唆しましたが,患者さんは,彼らの日常生活を妨げている重篤な疾患のため二次的に不安を持っていたのかもしれません.


この研究の意義はどのようなものでしょうか?

不安障害は非常にありふれた疾患で,彼らの日常生活を妨害します.しかし,しばしば認識されていなかったり,治療されなかったりします.プライマリケアにおいてうつ病のスクリーニングは日常的となってきました.不安障害のスクリーニングもまた,日常的な診断行為にすべきです.筆者らの作成した質問票は不安障害を見つけ出すのに有効です.


(翻訳: 北口聡一)

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