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Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年3月19日)
Annals
Established in 1927 by the American College of Physicians

原著(ARTICLE)


遺伝子組み換えヒト副甲状腺ホルモン(1-84)の閉経後骨粗鬆症の女性における脊椎骨折と骨密度に対する効果:無作為化試験

Effect of Recombinant Human Parathyroid Hormone (1-84) on Vertebral Fracture and Bone Mineral Density in Postmenopausal Women with Osteoporosis

A Randomized Trial

Susan L. Greenspan, MD; Henry G. Bone, MD; Mark P. Ettinger, MD; David A. Hanley, MD; Robert Lindsay, MD; Jose R. Zanchetta, MD; Consuelo M. Blosch, MD; Annette L. Mathisen, PhD; Stephen A. Morris, MD; Thomas B. Marriott, PhD, for the Treatment of Osteoporosis with Parathyroid Hormone Study Group*


6 March 2007 | Volume 146 Issue 5 | Pages 326-339


背景:遺伝子組み換え副甲状腺ホルモン(1-84)(PTH)は新しい骨形成を刺激することにより骨量や骨強度を増加させ,骨の質的改善を促進させる.

目的:閉経後骨粗鬆症の女性患者におけるPTH治療の安全性と椎体骨折の頻度に関する効果を調査する.

方法:18ヶ月間,無作為化,二重盲検,プラセボコントロールとのコホート比較試験

試験場所:9カ国における168施設

患者:股関節や腰椎における低骨密度を有する2532人の閉経後女性

介入:毎日皮下注射で100μgの遺伝子組み替えヒトPTHまたはプラセボを参加女性に投与する.全員1日700mgのカルシウムと400U/DのビタミンD3を服用する.

測定:一次アウトカムは新規発症または増悪した椎体骨折.二次アウトカムは骨密度の変化と安全性.

結果:少なくとも一度は試験薬を服用した患者の67.2%は調査を完了した.PTHは新規発症または増悪した椎体骨折のリスクを減少させた.しかし,その感度解析によれば,骨折の減少頻度の程度は調査を完了しなかった患者における骨折頻度の仮定により可変である(ドロップアウト患者において骨折なしと仮定した場合の相対危険率(RR)0.42 ,95%信頼区間0.24~0.72,p=0.001)(調査を完了した全ての患者における骨折頻度と仮定した場合RRは 0.66,95%信頼区間0.36~1.00,p=0.05)(プラセボ群に認められた骨折頻度の仮定した場合にはRRは 0.37,95%信頼区間0.37~1.04,p=0.07)となる.プラセボ群と比較して,PTH治療群では椎体で平均骨密度は6.9%(95%信頼区間6.4%~7.4%)増加し,股関節では2.1%(95%信頼区間1.7%~2.5%)の増加であったが,PTH治療群では前腕部においてむしろ減少した.PTH治療群はプラセボ群と比較して,高カルシウム尿症(24%増加,95%信頼区間20%~27%),高カルシウム血症(23%増加,95%信頼区間21%~26%)や嘔気(14%増加,95%信頼区間11%~16%)の頻度が各々増加した.

研究の限界:血清PTHとビタミンDの基準値は測定されなかった.多くの患者は調査の継続が不可能であった.

結論:PTH(1-84)療法は,閉経後骨粗鬆症の女性患者において,全体として新規発症または増悪した錐体骨折のリスクを減少させた.高カルシウム尿症,高カルシウム血症および嘔気は薬剤を服用した女性の多くにみられた.骨折頻度の減少の程度は,本調査を完遂できなかった患者における骨折頻度の仮定値に左右されるが,以上の結果は,PTHが骨折予防に関する代替的な治療オプションであることを示唆している.


(翻訳: 植田秀樹)

English Abstract