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Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年3月19日)
Annals
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患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)


副甲状腺ホルモン(1-84)と閉経後骨粗鬆症の女性に対するリスク

Parathyroid Hormone (1-84) and Risk for Spinal Fractures in Women with Osteoporosis


6 March 2007 | Volume 146 Issue 5 | Pages I-20


「患者さんへのまとめ」は ,患者さんが近代医学の複雑でしばしば迷わすような用語をよりよく理解することを助けるためにAnnals誌によって提供されるサービスです.

「患者さんへのまとめ」は情報を提供する目的だけのために提示されています.これらの「まとめ」はあなた自身のかかりつけ医からの助言の代わりとなるものではありません.もしあなたが,この題材について疑問を持ったり,あなた自身の健康あるいは状況についての医学的助言を必要とする場合は,あなたのかかりつけ医と連絡をとってください.「まとめ」は非営利的な教育目的のためだけに転載されても構いません.他の用途への使用については,米国内科学会(ACP)によって承認されなければなりません.


下記の「まとめ」は「遺伝子組み換えヒト副甲状腺ホルモン(1-84)の閉経後骨粗鬆症の女性における脊椎骨折と骨密度に対する効果:無作為化試験」というタイトルの論文からのものです.


何が問題であり,それについて現在までにどういうことが分かっているのでしょうか?

骨粗鬆症の患者さんの骨は低密度であり,骨折する可能性が高いものです.骨折は,股関節,脊椎と手首に高頻度に生じます.骨粗鬆症のリスクファクターは,加齢,白人あるいはアジア人種,および喫煙です.骨量の減少を抑制し,骨形成を促進する薬剤が治療に用いられます.それらの薬剤にはアレンドロネートやイバンドレネートやリセドロネートがあります.骨形成を促進する薬剤には比較的新しく,PTHとして知られている天然のホルモンからつくられた2種類の製剤があります.


この研究の目的は何ですか?

実用可能な2種類のPTH製剤のうち1種類に関して,骨折を遅延させ,椎体骨折を予防する効能を調査するためです.


誰が試験されたのでしょうか?

股関節や腰椎に骨粗鬆症を有する閉経後の女性2679名に対して実施されました.


その研究はどのようにしてなされましたか?

研究者はPTH(1-84)として知られているPTH製剤とプラセボ薬を参加女性に無作為に割り付けました.両剤とも1日1回の服用でした.調査者はその18ヶ月後に2群における新規発症の脊椎骨折患者数を比較検討し,骨密度や骨代謝マーカーによる骨の成長度を測定しました.


研究者達は何を発見しましたか?

PTH(1-84)を服用した女性は,プラセボを服用した女性より骨折が少なく,骨密度が高値でした.PTH(1-84)を服用した女性は,嘔気を催しやすく,尿中や血中のカルシウム値がより高値でした.高いカルシウム値は,そのホルモンの生体における作用を考慮すると,驚きに値しません.


研究の限界は何でしょうか?

研究者達は,終了前に調査から脱落した多くの女性に生じた骨折数を推測しなければなりませんでした.PTH(1-84)による骨折の減少の程度はこの推測がいかに正確であるかに依存しています.


この研究の意義はどのようなものでしょうか?

PTH(1-84)は,椎体骨折の予防を願う閉経後の骨粗鬆症患者にとって治療選択のひとつになります.この薬剤は椎体骨折のリスクを減少させましたが,嘔気や高カルシウム尿症あるいは高カルシウム血症という副作用も観察されました.


(翻訳: 植田秀樹)

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