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Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年3月19日)
Annals
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原著(ARTICLE)


メタ解析:潜在性結核感染の新しい診断法:不確かな部分とさらなる検討の必要

Meta-analysis: New Tests for the Diagnosis of Latent Tuberculosis Infection: Areas of Uncertainty and Recommendations for Research

Dick Menzies, MD, MSc; Madhukar Pai, MD, PhD; and George Comstock, MD, DrPH


6 March 2007 | Volume 146 Issue 5 | Pages 340-354


背景:つい最近まで潜在性結核感染の検査法はツベルクリン皮内テストのみであったが,現在では体外におけるインターフェロン-γ産生を利用した2種類の検査法(IGRAs)が市販承認を受けている.


目的:健常者および免疫抑制患者における潜在性結核感染診断について,IGRAs(臨床検査用または研究用のクォンティフェロン「QFT」とエリスポット)の感度,特異度,および再現性を評価する.


情報源:著者らはMEDLINEを検索し,英語で出版されたすべての原著論文および総説論文で引用されている研究を検討した.


研究の選択:結核菌特異抗原(RD1抗原)を用いて一晩(16から24時間)の培養時間を用いるIGRAsを評価対象とした.標準対照は,試験結果を参照することなく明確に規定されていなければならない.


データ抽出と研究の質の評価:研究の質に関する評価は感度,特異度,および再現性を一定の基準をもって行った.


データ合成:新たに診断された活動性結核を潜在感染の代替として用いたとき,すべての検査は,エリスポットで高い傾向があったが十分な感度とはいえないものであった.どの検査も活動性結核と潜在結核の区別は不可能であった.臨床的な曝露の程度で対象者を分類した場合,ツベルクリン皮内テストとIGRAsの感度は同等であった.研究全体での特異度はそれぞれQFTで97.7%(95%信頼区間96-99%),エリスポットで92.5%(信頼区間86-99%)であった.BCG接種歴のある患者検体においては,二つの検査法ともツベルクリン皮内テストより特異性が高かった.免疫不全患者の検体を対象とした3件の研究において,エリスポットはツベルクリン皮内テストより感度が高かった.ツベルクリン皮内テストとIGRAsの結果の解離はたびたび認められ,大半は説明困難な場合であったが,その一部は陽性結果に関する判定基準のばらつきに関連するかもしれない.IGRAs結果陽性が陰性に転じることも珍しくないということが,検討を行った2件の研究において認められていた.


研究の限界:大部分の研究は横断的手法を用い,そもそも潜在性結核感染には明確な診断基準(ゴールドスタンダード)が存在しないという制限のもとに行われている.また多くの研究は真の陽性と偽陽性を様々な割合で含むような多様な集団を対象に,比較的少ない標本数で行われていた.IGRAの性能については小児,免疫抑制患者,高齢者に関しては不十分なエビデンスしか存在しない.


結論:新しい検査法であるIGRAsはかなり有望な検査法であり,すぐれた特異性を示している.結核の高リスク者や連続した測定における性能をより十分に評価するために,さらなる検討が必要である.また,IGRAsによって結核発症の検査後確率の評価ができるような縦断的研究が必要であろう.


(翻訳: 小池竜司)

English Abstract