Journals

Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年3月19日)
Annals
Established in 1927 by the American College of Physicians

臨床ガイドライン(Clinical Guidelines)


大腸癌の一次予防のためのアスピリン使用:米国予防医療サービス専門作業部会のための系統的総説

The Use of Aspirin for Primary Prevention of Colorectal Cancer: A Systematic Review Prepared for the U.S. Preventive Services Task Force

Catherine Dubé, MD, MSc; Alaa Rostom, MD, MSc; Gabriela Lewin, MD; Alexander Tsertsvadze, MD, MSc; Nicholas Barrowman, PhD; Catherine Code, MD; Margaret Sampson, MILS; and David Moher, PhD


6 March 2007 | Volume 146 Issue 5 | Pages 365-375


背景:大腸癌予防のためのアスピリンの使用に関しては結論が出ていない.


目的:アスピリンの化学予防による利益と有害性を検証する.


情報源:MEDLINE,1966年から2006年12月まで.EMBASE,1980年から2005年4月まで.CENTRAL,コクラン共同計画の臨床試験登録,コクランの系統的総説データベース.


研究の選択:二人の検閲者が別々に,アスピリンの化学予防に関する無作為臨床比較試験や,症例対照研究,コホート研究を抽出するため多層的なスクリーニングを行った.有害性に関しては,系統的総説が検索された.


データ抽出:データは重複して抜粋され,検閲され,質が評価された.


データ合成:アスピリンの定期服用により大腸腺腫の頻度が減少することが以下のの試験で示された.無作為臨床比較試験(相対危険度[RR],0.82 [95% CI, 0.7 to 0.95]),症例対照研究(RR, 0.87 [CI, 0.77 to 0.98]),コホート研究(RR, 0.72 [CI, 0.61 to 0.85]).コホート研究では,アスピリンの定期服用により大腸癌の頻度は相対危険度で22%の低下をみた.低用量のアスピリンを使用した2つの無作為臨床比較試験では,予防効果は認められなかった.大腸癌の死亡率に関するデータは限られたものであった.薬物的予防の利益は,高用量アスピリン使用,および10年以上の使用でより明らかであった.アスピリンの使用は,用量依存的に消化管合併症の頻度の上昇をきたした.


研究の限界:臨床的にも方法論的にも,定期服用の定義や,アスピリンの使用量,使用期間などが非常に多様であり,分析に際し,注意深い群別化が必要であった.


結論:アスピリンは,特に高用量で10年以上使用すると,大腸腺腫や大腸癌の頻度減少に有用と考えられる.しかし,そのような方法による有害性の可能性に関して注意深い検討が必要である.費用対効果に関しても,薬物による予防とスクリーニング方法との比較,およびそれらの併用に関しさらなる評価が必要である.


(翻訳: 林正樹)

English Abstract