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Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年3月19日)
Annals
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臨床ガイドライン(Clinical Guidelines)


大腸癌を一次予防するための非ステロイド性抗炎症薬やシクロオキシゲナーゼ2阻害剤:系統的総説:米国予防医療サービス専門作業部会

Nonsteroidal Anti-inflammatory Drugs and Cyclooxygenase-2 Inhibitors for Primary Prevention of Colorectal Cancer: A Systematic Review Prepared for the U.S. Preventive Services Task Force

Alaa Rostom, MD, MSc; Catherine Dube, MD, MSc; Gabriela Lewin, MD; Alexander Tsertsvadze, MD, MSc; Nicholas Barrowman, PhD; Catherine Code, MD; Margaret Sampson, MLIS; and David Moher, PhD, for the U.S. Preventive Services Task Force


6 March 2007 | Volume 146 Issue 5 | Pages 376-389


目的:大腸癌や大腸腺腫の予防に対して非アスピリン,非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やシクロオキシゲナーゼ2(COX2)阻害剤が有効か有害かを検査する.


情報源:1966年から2006年までのMEDLINE , 1980年から2006年までのEMBASE,Cochrane Central Register of Controlled Trials, Cochrane Collaboration'sregistry of clinical trials, Cochrane Database of SystematicReviews


研究選択:大腸癌や大腸腺腫の予防に対するNSAIDsの有効性についての無作為割り付け試験や症例対象研究,コホート研究をそれぞれ独立した二人の調査者が多くの階層から審査した.


データ抽出:データの要旨の確認と質の評価は二重に確認している.


データ合成:一つのコホート研究だけ大腸癌に対する死因に非アスピリン性NSAIDsの有効性が全くないとしていた.大腸癌の発病率はコホート研究では相対危険度0.61(95%信頼区間0.48から0.77)であり,症例対象研究では相対危険度0.70(95%信頼区間0.63から0.78)で,非アスピリン性NSAIDsを用いることで減少していた.大腸腺腫の発病率もまた非アスピリン性NSAIDsを用いることで減少していた.コホート研究では相対危険度0.64(95%信頼区間0.48から0.85)で,症例対象研究では相対危険度0.54(95%信頼区間0.4から0.74)で,そして,COX-2阻害剤では無作為割り付け研究で相対危険度0.72 (95%信頼区間0.68から0.77)であった.非アスピリン性NSAIDsに関連した潰瘍の合併率は,一年当たり1.5%である.非アスピリン性NSAIDsと比較して,COX-2阻害剤はこの危険性を低下させたが多年用いると偽薬よりもより高い合併率であった. COX-2阻害剤や非ナプロキセンNSAIDsでは重篤な心血管イベントの危険性が増大した(COX-2阻害剤と偽薬を比較して相対危険率1.86(95%信頼区間1.33, 2.59)).


研究の限界:薬剤の用量や投与期間,頻度などの不均性により統計解析時の群別化には細心の注意を要する


結論:シクロオキシゲナーゼ2阻害薬とNSAIDsは大腸腺腫の発病率を減少させた.非ステロイド性抗炎症薬もまた,大腸癌の発病率を減少させた.しかしながら,これらの薬剤は重篤な心血管イベントや胃腸障害に関連する. 有益性と有害性を考えると,中等度のリスク患者におけるこの薬物療法による予防法は支持されない.


(翻訳: 鈴木克典)

English Abstract