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Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年4月23日)
Annals
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原著(ARTICLE)


チアゾリジン誘導体で至適治療域に至らない2型糖尿病患者に対するエクセナチド追加の効果.無作為化試験

The Effect of Adding Exenatide to a Thiazolidinedione in Suboptimally Controlled Type 2 Diabetes: A Randomized Trial

Bernard Zinman, MD; Byron J. Hoogwerf, MD; Santiago Durán García, MD; Denái R. Milton, MS; Joseph M. Giaconia, MS; Dennis D. Kim, MD; Michael E. Trautmann, MD; and Robert G. Brodows, MD


3 April 2007 | Volume 146 Issue 7 | Pages 477-485


背景: エクセナチド治療は,2型糖尿病治療におけるメトホルミンやスルフォニル尿素(SU)剤との併用療法に効果的である. チアゾリジン誘導体(TZD)もよく用いられているが,TZDとエクセナチドとの併用効果は報告されていない.


目的: 血糖コントロールにおけるエクセナチドとプラセボの効果比較.


方法: プラセボ導入,ランダム化,二重盲験,プラセボ比較試験を2004年5月から2005年8月まで施行.


試験場所: カナダ,スペイン,アメリカの49施設


患者: TZD治療(メトホルミン治療の有無は問わない)で至適治療域に至っていない2型糖尿病患者233名(エクセナチド群 n = 121; プラセボ群 n = 112).試験前糖化ヘモグロビン A1c 値は7.9% ± 0.1%(平均(±標準誤差).


介入: TZD(メトホルミン治療の有無は問わない)治療に,16週間のエクセナチド10μgないしはプラセボの1日2回腹部皮下注射が追加された.


測定: 一次アウトカムは糖化ヘモグロビンA1c値の変化.他のアウトカムは空腹時血糖値,体重,血糖自己測定値や有害事象とした.


結果: エクセナチド治療は糖化ヘモグロビンA1c値を低下させた(平均差-0.98% [95% 信頼区間, -1.21% 〜 -0.74%]).空腹時血糖(平均差-1.69 mmol/L [-30.5 mg/dL] [信頼区間, -2.22 〜 -1.17 mmol/L {-40.0 〜 -21.1 mg/dL}]),体重 (平均差-1.51 kg [信頼区間, -2.15 to -0.88 kg]).エクセナチド群の16%,プラセボ群の2%で有害事象のため治療は中断された.エクセナチド群では,40%(n=48)に吐気(ごく軽度 [n = 21] ないし 中等 [n = 19]),嘔吐 13%,および低血糖11%を認めた.プラセボ群では,吐気15%,嘔吐1%,および低血糖7%がみられた.


研究の限界: TZDsとSU剤との併用は検討されていない.トライアル期間が比較的短い.研究を完遂できた患者は,エクセナチド群は71%,プラセボ群は 86%のみであった.


結論: TZD治療にて至適治療域に至らない2型糖尿病患者に対して,エクセナチド治療はプラセボに比し血糖コントロールを改善し,体重を減少させたが,プラセボ群よりも胃腸症状は高頻度であった.


(翻訳: 金原秀雄)

English Abstract