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Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年4月23日)
Annals
Established in 1927 by the American College of Physicians

原著(ARTICLE)


米国人における好中球減少症の罹患率:年齢,性別,喫煙の状況,人種による差

Prevalence of Neutropenia in the U.S. Population: Age, Sex, Smoking Status, and Ethnic Differences

Matthew M. Hsieh, MD; James E. Everhart, MD, MPH; Danita D. Byrd-Holt; John F. Tisdale, MD; and Griffin P. Rodgers, MD


3 April 2007 | Volume 146 Issue 7 | Pages 486-492


背景: 良性の好中球数減少症は,ある年齢層やある人種において,もっと見出される可能性がある.また,性別や喫煙の状況により影響を受けるかもしれない.


目的: 米国人における人種,年齢,性別,喫煙の状況による好中球数の相違を明らかにする.


方法: 疫学,横断的研究


試験場所: 米国内の様々な地域


対象: 1歳以上の国民健康栄養調査に1999年から2004年までに参加した25,222名の被験者


測定: 全血球算定を測定し,平均値を比較し,また好中球減少症の被験者の割合を比較した.


結果: 白人被験者に比較して黒人被験者では,相対的に白血球数 (平均の差, 0.89 x 109 cells/L; P < 0.001)と好中球数(0.83 x 109 cells/L; P < 0.001)が低く,リンパ球数は同程度であった(0.022 x 109 cells/L; P = 0.36).一方,メキシコ系アメリカ人被験者らは相対的に白血球数 (0.16 x 109 cells/L; P = 0.014)はわずかに高値で,好中球数(0.11 x 109 cells/L; P = 0.026)およびリンパ球数(0.095 x 109 cells/L; P < 0.001)は高値であった. 好中球減少症(白血球数 <1.5 x 109 cells/L)の罹患率は,黒人被験者では4.5%,白人被験者では0.79%,メキシコ系アメリカ人被験者では0.38%であった.好中球減少症罹患率は5歳未満の男児で高かった.全試料中で好中球数が 1.0 x 109 cells/L 未満であった試料は1%以下だった(黒人被験者では0.57%,白人被験者では0.11%,メキシコ系アメリカ人被験者では0.08%).喫煙習慣は白血球数高値および好中球数高値と関連していたが,喫煙の影響は白人被験者より黒人やメキシコ系アメリカ人被験者でより小さかった.


研究の限界: 本研究の推定値は単回の測定に基づいているため,時間経過に伴う変動を明らかにできなかった.


結論: 米国においては,好中球数は白人と比較して黒人が低値である.好中球減少症は黒人で罹患率がより高い.好中球数は白人よりメキシコ系アメリカ人がわずかに高値を示す.この両人種において好中球減少症はそれほど認められない.この所見の臨床的意味は明らかではないが,好中球減少症の診断的評価の必要性を決定する際に,臨床家は患者の年齢,性別,人種および喫煙の状況を考慮に入れるべきである.


(翻訳: 大島康雄)

English Abstract