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Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年4月23日)
Annals
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患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)


40歳代女性に対するマンモグラフィによる乳がんスクリーニング

Screening Mammography in Women Age 40 to 49 Years


3 Apri 2007 | Volume 146 Issue 7 | Pages I-20


「患者さんへのまとめ」は ,患者さんが近代医学の複雑でしばしば迷わすような用語をよりよく理解することを助けるためにAnnals誌によって提供されるサービスです.

「患者さんへのまとめ」は情報を提供する目的だけのために提示されています.これらの「まとめ」はあなた自身のかかりつけ医からの助言の代わりとなるものではありません.もしあなたが,この題材について疑問を持ったり,あなた自身の健康あるいは状況についての医学的助言を必要とする場合は,あなたのかかりつけ医と連絡をとってください.「まとめ」は非営利的な教育目的のためだけに転載されても構いません.他の用途への使用については,米国内科学会(ACP)によって承認されなければなりません.


下記の「まとめ」は「40歳代女性のためのスクリーニングのマンモグラフィ:米国内科学会による診療ガイドライン,40歳代女性に対するマンモグラフィによる乳がんスクリーニング:米国内科学会による系統的レビュー 」というタイトルの論文からのものです.


誰がこのガイドラインを作成しましたか?

米国内科学会がこれらを推奨しました.米国内科学会の会員は内科医であり,成人病の専門家です.


何が問題であり,それについて現在までにどういうことが分かっているのでしょうか?

マンモグラフィは乳がんをスクリーニングするためのレントゲン検査です.“スクリーニング”とは女性が乳がんを疑うようなしこりやその他の症状を自覚する前に早期にがんを探すことを意味します.大半の医療施設では,50歳以上の女性がマンモグラフィを受診するように推奨しています.しかし,ほとんどの研究結果は50歳以上の女性についてのものであるので,40歳代女性でマンモグラフィを受ける恩恵がリスクを上回っているかどうかについては同意が得られていません.


これらの勧告はどのように作成されたのですか?

40歳代の女性がマンモグラフィを受診する恩恵と不利益に関する研究について,著者らはレビューを行いました.また,個々の問題のために40歳代の女性が乳がんを発症する可能性を評価する研究についてもレビューを行いました.


著者らは何を発見しましたか?

40歳代の女性がマンモグラフィによるスクリーニングを行うと,行わなかった女性と比べ乳がんによる死亡リスクが軽減します.しかし,それらの女性が受ける恩恵は50歳以上の女性が受ける恩恵と比べると高くはありません.


マンモグラフィによる不利益は,疑陽性の結果や放射線の曝露,再検でも結果が疑陽性となること,そしてマンモグラフィの苦痛を含みます.疑陽性結果とはマンモグラフィでは乳がんが疑われたけれども精密検査では乳がんが存在しないことを指します.マンモグラフィでは非浸潤性乳管がんと呼ばれる癌がしばしば発見され,最終的に患者さんは治療を受けることになります.しかし無治療の場合に,非浸潤性乳管がんがどのくらいの頻度でより重篤なタイプのがんに進展するのかについては良質な情報が不足しています.


40歳代の女性にとって,5年以内に乳がんが発症するリスクにはどのような危険因子が関わっているのでしょうか?実際には個々で大きく異なり,加齢や乳がんの家族歴の有無,はじめて妊娠したときの年齢,初潮の年齢,生検(臨床検査のために乳腺組織の一部採取すること)が必要な乳腺の異常が過去にあったかどうか,あるいは(別の病気の治療のために)胸部に放射線を照射されたことがある場合などには,乳がんのリスクが高くなります.残念ながら,これらのグループで乳がんのリスクを予測する,Gail モデルと呼ばれる数式モデルは,個々の乳がんに対するリスク予測には正確ではありません.


米国内科学会は,患者と医師がどのような行動をとることを助言していますか?

40歳代女性と彼女らの主治医がマンモグラフィによるスクリーニングの施行を決定するためには,各人の乳がんリスクについて定期的に評価を行うべきです.


医師から40歳代の女性に,マンモグラフィによるスクリーニングの恩恵と不利益について,知らせるべきです.


そして,マンモグラフィによるスクリーニングの施行については,マンモグラフィの恩恵と不利益,そして各患者における乳癌のリスクをもとに決定すべきです.


もし,40歳代の女性がマンモグラフィを受診しないと決めた場合,本人と主治医は1−2年に1回はマンモグラフィの受診について再評価を行うべきです.


40歳代女性における乳癌スクリーニング検査の恩恵と不利益に関しては,より多くの検討が必要です.


これらの勧告に関して,注意すべき事柄は何でしょうか?

今後の新しい研究結果によっては,これらの推奨点は変更することがあります.



(翻訳: 峠岡康幸)

English Abstract