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Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年4月23日)
Annals
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総説(Reviews)


系統的な総説: マンモグラムによる偽陽性判定の長期にわたる影響

Systematic Review: The Long-Term Effects of False-Positive Mammograms

Noel T. Brewer, PhD; Talya Salz, BS; and Sarah E. Lillie, MPH


3 April 2007 | Volume 146 Issue 7 | Pages 502-510


背景: スクリーニング検査としてのマンモグラムで異常ありと判定された女性たちは,検査につぐ検査という環境で過ごす間に,心理学的な健康感に影響を受けるのだが,その長期にわたる影響は十分に理解されていない.


目的: スクリーニング検査としてのマンモグラムでの偽陽性判定が,40歳以上の女性の行動と健康感に対する長期的な影響を特徴づけること.


情報源: 2006年8月までのMEDLINE,Scienceのウェブ,EMBASE,CINAHL,PsycINFO,およびエリックデータベースから英語で書かれた研究.


研究の選択: 女性の行動,健康感または信念について,通常のスクリーニング検査のマンモグラフィで偽陽性と判定された影響を調べた研究を特定した.


データ抽出: 2人の研究者が独自に研究の特性,質,および有効サイズをコード化した.


データ合成: 23の適格な研究(n=313 967)が特定された.無作為に分類された効果のメタ分析により,スクリーニング検査のマンモグラフィ検診で偽陽性の結果を受けた米国女性は,正常な結果を受けた人々に比べ,日常のスクリーニング検査への再来がやや増えたようであった (危険率1.07,95%信頼区間1.02-1.12).その効果は,ヨーロッパの女性間では統計的に有意でなく(危険率0.97,信頼区間0.93-1.01),カナダ人の女性では偽陽性の結果を得たからといって,スクリーニング検査への再来は増えないようであった(危険率0.63,信頼区間0.50-0.80).偽陽性の結果を受けた女性は,正常な結果の女性に比しより頻繁に乳房自己診断を行い,乳癌に関して,病的とまでは言えないまでもより強い不安や苦悩を感じ,特別な思いを持っていた.


研究の限界: 相互関係のある研究デザイン,少ないサンプル数の研究,多くの測定のための臨床的合法化の不足,および研究が不均一である可能性.


結論: 乳房撮影で偽陽性の結果となった女性の一部は,正常な結果であった女性と比較して,マンモグラフィ検診への再来や乳房自己診断の頻度,および不安の程度に差がみられる.今後の研究としては,マンモグラフィ検診の偽陽性の結果が,他の結果,たとえば医療への信頼や受診行動などに,どう影響するかを調べるべきである.


(翻訳: 小野広一)

English Abstract