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Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年4月27日)

Annals of Internal Medicineの紹介(タイトル・紹介文・Abstract−抜粋和訳)

ACP日本支部では,Annals of Internal Medicineの目次と要旨(抜粋)を日本語に訳したものをACP日本支部のホームページ日本語版に掲載しています.医学,医療の最新のトピックスが掲載されたAnnals of Internal MedicineはACP本部のホームページに掲載され,会員にも配送されますが,記事を抜粋してPublication Committee委員が日本語訳を行い,ACP日本支部のホームページ掲載するようにしています.医学,医療の新たな情報を把握するのに非常に便利で,原本を読みたければACP本部のホームページにすぐにリンクできるようにしています.

皆様ご活用頂くと共に,先生方のご同僚や研修医・学生の皆さんにもご案内下さるようお願い致します.(1/22/2007付)

Publication Committee 委員長 石橋大海,副委員長 渡邊毅
 

Annals
Established in 1927 by the American College of Physicians

目次 (TABLE OF CONTENTS)

17 April 2007 Volume 146 Issue 8 (監修: 川村光信)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

 

原著(Articles)

慢性閉塞性肺疾患におけるチオトロピウム単独療法とサルメテロールまたはフルチカゾン・サルメテロール合剤との併用療法の検討:無作為化臨床試験

Tiotropium in Combination with Placebo, Salmeterol, or Fluticasone-Salmeterol for Treatment of Chronic Obstructive Pulmonary Disease: A Randomized Trial

Shawn D. Aaron, Katherine L. Vandemheen, Dean Fergusson, François Maltais, Jean Bourbeau, Roger Goldstein, Meyer Balter, Denis O'Donnell, Andrew McIvor, Sat Sharma, Graham Bishop, John Anthony, Robert Cowie, Stephen Field, Andrew Hirsch, Paul Hernandez, Robert Rivington, Jeremy Road, Victor Hoffstein, Richard Hodder, Darcy Marciniuk, David McCormack, George Fox, Gerard Cox, Henry B. Prins, Gordon Ford, Dominique Bleskie, Steve Doucette, Irvin Mayers, Kenneth Chapman, Noe Zamel, Mark FitzGerald for the Canadian Thoracic Society/Canadian Respiratory Clinical Research Consortium

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療において,吸入ステロイド薬,長時間作用型β刺激薬および抗コリン性気管支拡張薬の併用療法を支持する十分な根拠は存在しない.そこで著者らは中等症と重症のCOPD患者449人を対象に,「チオトロピウムとプラセボ」群,「チオトロピウムとサルメテロール」群,「チオトロピウムとフルチカゾン・サルメテロール合剤」群の3群に無作為に割り付け,一年間にわたり比較試験を行った.1次エンドポイントである急性増悪率は3群でそれぞれ63%,65%,60%であった.急性増悪による入院は,チオトロピウム単独に比較して3剤併用の方がわずかに少なかったが,2剤併用では差がなかった.

(翻訳: 桂 隆志)

要旨(Abstract)  患者さんへのまとめ(Summary for Patients)


ヘリコバクター・ピロリ除菌に対する順次対標準的3剤併用療法:無作為化試験

Sequential Therapy versus Standard Triple-Drug Therapy for Helicobacter pylori Eradication: A Randomized Trial

Dino Vaira, Angelo Zullo, Nimish Vakil, Luigi Gatta, Chiara Ricci, Federico Perna, Cesare Hassan, Veronica Bernabucci, Andrea Tampieri, and Sergio Morini

抗菌薬に対するヘリコバクター・ピロリ菌の耐性増加により,同菌の除菌率は世界的に低下している.今回の二重盲検化試験において,消化不良もしくは消化性潰瘍を有する300人の成人が10日間の順次投与療法(パントプラゾール,アモキシシリン,プラセボを5日間投与後,パントプラゾール,クラリスロマイシン,チニダゾール5日間投与)もしくは,標準的10日間治療(パントプラゾール,クラリスロマイシン,アモキシシリン)に割り付けられた.除菌率は,順次投与療法で標準療法より高く,特にクラリスロマイシン耐性株の感染患者において顕著であった.副作用の出現は両群間において差はなかった.

(翻訳: 加藤秀章)

要旨(Abstract)  患者さんへのまとめ(Summary for Patients)


非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬に基づいたHIV治療の順守とウイルス学的転帰

Adherence to Nonnucleoside Reverse Transcriptase Inhibitor-Based HIV Therapy and Virologic Outcomes

Jean B. Nachega, Michael Hislop, David W. Dowdy, Richard E. Chaisson, Leon Regensberg, and Gary Maartens

十分なウイルス量の抑制を達成するために,プロテアーゼ(阻害薬)を中心とするHIV治療法は,95%以上の服薬順守を必要とする.Nachegaと共同研究者らは,非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NNRTIs)を中心とする 治療法においても,同様の高いレベルの順守を必要とするか否かについて検討した.彼らは南アフリカのHIV/AIDS管理プログラムに組み入れられた2821名の成人HIV感染患者について,薬局の薬剤請求記録とウイルス学的な治療に対する反応を調査した.2.2年の追跡の後,50-60%の服薬順守率を有する患者の25%がウイルス量抑制を達成し,その割合は,NNRTIを中心とする治療を受けた患者のうち,90-100%の服薬順守率を達成した人達では73%まで直線的に増加した.服薬順守をより良くすることは治療成功の機会を増加させるが,NNRTIsを含めない 治療法と比較して服薬順守に対する要求が緩和されるとは言えないようである.

(翻訳: 小池竜司)

要旨(Abstract)  患者さんへのまとめ(Summary for Patients)


短報:アンピシリンとセフトリアキソンによるEnterococcus faecalis心内膜炎治療

Brief Communication: Treatment of Enterococcus faecalis Endocarditis with Ampicillin plus Ceftriaxone

Joan Gavaldà, Oscar Len, José M. Miró, Patricia Muñoz, Miguel Montejo, Aristides Alarcón, Julián de la Torre-Cisneros, Carmen Peña, Xavier Martínez-Lacasa, Cristina Sarria, Germán Bou, José M. Aguado, Enrique Navas, Joan Romeu, Francesc Marco, Carmen Torres, Pilar Tornos, Ana Planes, Vicenç Falcó, Benito Almirante, and Albert Pahissa

Enterococcusによる心内膜炎治療には,現在,ペニシリンまたはアンピシリンとアミノグリコシド併用での4−6週間の治療法が推奨されている.しかし,この治療法は高レベルアミノグリコシド耐性(HLAR)を持ったEnterococcus faecalisには無効である.Gavaldàらは,腎毒性のためアミノグリコシド製剤を使うことのできないE. faecalis心内膜炎患者の治療のために,アンピシリンとセフトリアキソン併用療法の有効性と安全性を評価した.21人の患者はHLAR菌に罹患しており,22人は非HLAR菌であった.両群とも6週間の治療で効果的に治療がなされた.

(翻訳: 斉藤雄司)

要旨(Abstract)  患者さんへのまとめ(Summary for Patients)


総説(Reviews)

メタ解析;膝あるいは股関節の変形性関節症に対するコンドロイチン

Meta-analysis: Chondroitin for Osteoarthritis of the Knee or Hip

Stephan Reichenbach, Rebekka Sterchi, Martin Scherer, Sven Trelle, Elizabeth Bürgi, Ulrich Bürgi, Paul A. Dieppe, and Peter Jüni

多くの医師が変形性関節症の治療するために,非常に高い親水性を持つゲル状の多糖類高分子である経口コンドロイチン薬を用いている.臨床試験のメタ解析では,コンドロイチンに中等度から高度の効果があるとされてきたが,最近の大規模臨床試験ではこの効果についての明確な証拠は得られていない.Reichenbachらは痛みと関節裂隙の広さに対するコンドロイチンの効果を決定するために無作為割り付け臨床試験の体系的な再検討を行った.そして,彼らは,最近の非常に質の高い大規模臨床試験において,コンドロイチンでは症候に対する恩恵がほとんど全くないことを みいだした.そのため,彼らは日常臨床においてコンドロイチンの使用を推奨していない.

(翻訳: 鈴木克典)

要旨(Abstract)


体験談的総説:HIV-1の性行為感染防止のための抗レトロウイルス療法

Narrative Review: Antiretroviral Therapy to Prevent the Sexual Transmission of HIV-1

Myron S. Cohen, Cynthia Gay, Angela D.M. Kashuba, Sally Blower, and Lynn Paxton

抗レトロウイルス療法(ART)はHIV感染患者の生命予後を延長し,改善させる.Cohenと共同研究者らは,HIVの性行為感染を防止するためにART施行に関する出版物を調査し,ARTによってHIVの性行為感染を防止しうる以下の3つの方法について論じている.1)有効な治療によってHIV感染者が性的パートナーにHIVを感染させる機会を減らす こと,2)非職業的な曝露後の予防,および3)曝露前の予防である.

(翻訳: 小池竜司)

要旨(Abstract)


展望(Perspectives)

費用分担と対価を結びつける: 比較できない,それでも認識されない公衆衛生の機会

Linking Cost Sharing to Value: An Unrivaled Yet Unrealized Public Health Opportunity

R. Scott Braithwaite and Allison B. Rosen

費用分担のための正当な根拠となるものは,しばしばモラルハザードの議論である.つまり,個々人が費用負担をしていないと,ケアを過剰に利用する可能性があるということである.実際には,人々はサービスの臨床的な価値を考慮することなく,費用分担の概念を適用している.費用分担が患者に高度な価値サービスの利用を思いとどまらせる場合,その仕組みは有害なことがある.著者らは費用分担のために適当な(費用に対して対価の低い)および不適当な(費用に対して対価の高い)設定を区別し,いかにして費用対効果分析が,政策担当者による費用分担政策の適切な時期を決定する助けとなり得るか,を議論をしている.不適当な費用分担を防ぐ組織的な努力は,公衆衛生を向上させる可能性がある.

(翻訳: 渡辺清高)


論評(Editorials)

慢性閉塞性肺疾患に対する適切な治療:気管支拡張薬と副腎皮質ステロイドによる理想の吸入併用療法を求めて

Optimal Treatment of Chronic Obstructive Pulmonary Disease: The Search for the Magic Combination of Inhaled Bronchodilators and Corticosteroids

Gerard J. Criner

本号において,Aaronらは中等症から重症のCOPD患者においてチオトロピウムの効果を検討した無作為化試験の結果を提示した.チオトロピウムを基本薬としてプラセボ,長時間作用吸入型気管支拡張薬(サルメテロール)の2剤併用,さらに吸入型副腎皮質ステロイド薬(フルチカゾン)を加えた3剤併用の3群による比較対照試験である.一次エンドポイントである全ての急性増悪率は3群全てで差はなかった.チオトロピウム単剤治療群に比べて,3剤併用群はいくつかの二次エンドポイント(入院の必要な重症の急性増悪,肺機能,QOL)で良好な結果を示した.本研究のような知見は,われわれがCOPDの罹患とそれに起因する死亡を減らすための治療の最終的な段階にいるかもしれないことを示している.

(翻訳: 菅野義彦)


HAART研究への切望

Hungering for HAART

Julio S.G. Montaner and Robert S. Hogg

南アフリカおよびその他の低―中所得国へ超積極的抗レトロウイルス療法(highly active antiretroviral therapy; HAART)プログラムをひろげることは依然として最優先事項の一つである.本号において,Nachegaらは南アフリカの公的HIV/AIDSプログラムが行われている民間部門にいる患者において,非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬を基盤としたHAARTに対する服薬順守を推し量るために薬剤の補充状況と請求データを利用した.服薬順守が50%以上である全てのレベルでは,服薬順守の向上は血中のウイルス量の持続的な抑制をもたらしていたことがわかった.服薬順守の程度を知るために著者らが用いた方法は,低―中所得国における公的部門のプログラムの効果を評価するための重要な方策になりうる.

(翻訳: 菅野義彦)


変形性関節症の疼痛に対するコンドロイチン

Chondroitin for Pain in Osteoarthritis

David T. Felson

この論文で,Reichenbachらは,大腿頸部または膝の変形性関節症での疼痛に対し,コンドロイチンとプラセボまたは無治療と比較した20の臨床試験を検討した.その結果は,多様に分かれていた.現時点での最も優れたエビデンスでは,3つの大規模な優れた臨床試験から,コンドロイチン硫酸が変形性関節症での関節痛を改善させないとしている.にもかかわらず,一部の患者は,それが有益であると確信している.頻回あるいは重篤な副作用が報告されておらず,コンドロイチン硫酸の臨床試験は検討の余地があるかもしれない.

(翻訳: 渡辺清高)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)

慢性閉塞性肺疾患に対する吸入薬併用療法

Combination Inhaler Therapy for Chronic Obstructive Pulmonary Disease

(翻訳: 市堰 肇)

本文(Full Text)


ヘリコバクター・ピロリ除菌に対する順次対標準的3剤併用療法

Sequential Therapy versus Standard Triple-Drug Therapy for Helicobacter pylori Eradication

(翻訳: 石黒 洋)

本文(Full Text)


非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬を中心とするHIV治療の順守と患者の転帰

Adherence to Nonnucleoside Reverse Transcriptase Inhibitor-Based HIV Therapy and Patient Outcomes

(翻訳: 村上 純)

本文(Full Text)


アンピシリンとセフトリアキソンによるアミノグルコシド耐性心内膜炎の有効な治療

Successful Treatment of Aminoglycoside-Resistant Endocarditis with Ampicillin and Ceftriaxone

(翻訳: 土谷正信)

本文(Full Text)




バックナンバー

3 April 2007 Volume 146 Issue 7

20 March 2007 Volume 146 Issue 6

6 March 2007 Volume 146 Issue 5

20 February 2007 Volume 146 Issue 4

6 February 2007 Volume 146 Issue 3

16 January 2007 Volume 146 Issue 2

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