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Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年4月27日)
Annals
Established in 1927 by the American College of Physicians

原著(ARTICLE)


ヘリコバクター・ピロリ除菌に対する順次対標準的3剤併用療法:無作為化試験

Sequential Therapy versus Standard Triple-Drug Therapy for Helicobacter pylori Eradication

A Randomized Trial

Dino Vaira, MD; Angelo Zullo, MD; Nimish Vakil, MD; Luigi Gatta, MD; Chiara Ricci, MD; Federico Perna, PhD; Cesare Hassan, MD; Veronica Bernabucci, MD; Andrea Tampieri, MD; and Sergio Morini, MD


17 April 2007 | Volume 146 Issue 8 | Pages 556-563


背景: 抗菌薬耐性は世界的にヘリコバクター・ピロリの除菌率を低下させている.


目的: 消化不良もしくは消化性潰瘍を有する成人において,順次投与療法は標準的3剤併用療法よりもヘリコバクター・ピロリの除菌効果が優れているか否かを調べること.


方法: 無作為化,二重盲検,プラセボ-対照試験.


設定: 2003年9月から2006年4月までの期間,イタリアの2つの病院において.


患者: 消化不良もしくは消化性潰瘍を有する300人の患者.


測定: 13C尿素呼気試験,上部消化管内視鏡検査,組織学的評価,迅速ウレーゼ検査,細菌培養,抗菌薬耐性評価.


介入: 10日間順次投与療法(パントプラゾール40mg,アモキシシリン1g,プラセボを最初の5日間1日2回投与した後,パントプラゾール40mg,クラリスロマイシン500mg,チニダゾール500mgを残りの5日間投与する)もしくは標準的10日間療法(パントプラゾール40mg,クラリスロマイシン500mg,アモキシシリン1gを1日2回投与する).


結果: 順次投与療法による除菌率は標準療法による除菌率と比較して,割り付け重視の分析(intention-to-treat analysisにおいて(89% 対 77%; P = 0.0134; 差異, 12% [95%信頼区間, 3%から20%]),modified intention-to-treat analysis)において(91%対78%; P = 0.0022;差異, 13% [信頼区間, 5%から21%]),プロトコール重視の解析(per-protocol analysis)において(93%対79%; P = 0.0013;差異, 14% [信頼区間, 6%から21%])と有意に高値であった.順次投与療法はクリンダマイシン耐性株感染患者において有意に効果的であった.重篤もしくは軽微な副作用の発生は治療群で差はなかった(両群において17%).標準的治療群の1例(0.7%)は副作用により治療を中止した.


研究の限界: 連続療法群の4.6%,標準療法群の2.7%において治療後の経過観察が不十分であった.結果は,他の国々への一般化は可能でないかもしれない.順次投与療法は,標準療法に含まれない抗菌薬を1剤多く用いるためにより効果的であるのかもしれない.


結論: 順次投与療法は,標準療法と比較してヘリコバクター・ピロリ除菌において統計学的に有意であり,また,クラリスロマイシン耐性菌感染患者において統計学的な有意差を持ってより効果的である.副作用はいずれの治療法においても同等であり,治療を中断する程の重篤な副作用は稀である.


(翻訳: 加藤秀章)

English Abstract