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Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年4月27日)
Annals
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原著(ARTICLE)


非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬に基づいたHIV治療の順守とウイルス学的転帰

Adherence to Nonnucleoside Reverse Transcriptase Inhibitor-Based HIV Therapy and Virologic Outcomes

Jean B. Nachega, MD, MPH; Michael Hislop, MSc; David W. Dowdy, ScM; Richard E. Chaisson, MD; Leon Regensberg, MBChB; and Gary Maartens, MBChB


17 April 2007 | Volume 146 Issue 8 | Pages 564-573


背景: HIV感染患者において,満足できるウイルス学的抑制を達成するためには,値段の安いプロテアーゼ阻害薬を含む治療 法の場合95%以上の服薬順守が必要である.同様のことが非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NNRTIs)を中心とする治療法においても正しいか否かは不明である.


目的: 未治療のHIV感染患者において,NNRTIを中心とする治療への順守とウイルス量との関連性を評価する.


方法: コホート観察研究.


設定: 南アフリカにおける民間部門のHIV/AIDS管理プログラム.


患者: 1998年1月から2003年3月にNNRTIを中心とする治療を開始した2821名の成人HIV感染患者(2764名;98%の患者は2000年12月以降に研究に組み入れられた).


測定: 服薬順守は毎月の薬局の薬剤請求記録によって評価した.一次エンドポイントは,観察期間を通して,記録されたウイルス量測定結果でウイルス量抑制(<400コピー/ml)が100%維持されたこと.二次エンドポイントは最初にウイルス量の抑制に至るまでの時間,および治療破綻によるウイルス量の増加(>400コピー/ml)に至るまでの時間を用いた.


結果: 観察できた期間の中央値は2.2年(四分区間1.7から2.7年)であった.ウイルス量抑制が維持できた患者の割合は,抗レトロウイルス薬の服薬が50%未満の患者における13%(325名中41名)から服薬100%の患者における73%(997名中725名)の範囲にあった.薬局請求による服薬順守が50%を超えている患者においては,10%の服薬順守の増加毎に,ウイルス学的抑制維持患者の割合が平均で0.10ポイントの絶対的増加がみられた(P<0.001).最初のウイルス学的抑制から治療破綻に至るまでの期間短縮の危険因子は,多変量Cox解析によると,CD4+Tリンパ球数が0.50x109/L以下(0.20x109/L以上に対して,ハザード比1.60{95%信頼区間1.22-2.10}),治療開始時のウイルス量が105コピー/mL以上(ハザード比1.39{信頼区間1.14-1.70}),ネピラビンを中心とする治療 法(ハザード比1.43{信頼区間1.16-1.75}),および薬局請求による服薬順守不良であった.(服薬順守率が50%まで,10%低下当たりのハザード比は1.58[信頼区間1.48-1.69])


研究の限界: 研究の終了時に服薬順守を層別化した観察研究であり,転帰評価の時期も標準化されていない.


(翻訳: 小池竜司)

English Abstract