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Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年4月27日)
Annals
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総説(REVIEW)


メタ解析;膝あるいは股関節の変形性関節症に対するコンドロイチン

Meta-analysis: Chondroitin for Osteoarthritis of the Knee or Hip

Stephan Reichenbach, MD; Rebekka Sterchi, MD; Martin Scherer, MD; Sven Trelle, MD; Elizabeth Bürgi, PhD; Ulrich Bürgi, MD; Paul A. Dieppe, MD; and Peter Jüni, MD


17 April 2007 | Volume 146 Issue 8 | Pages 580-590


背景: 過去のメタ解析では,変形性関節症の患者に対し,コンドロイチンの中等度から高度の効果が記載されてきた.しかしながら,最近の大規模臨床試験ではこの効果は見いだされていない.


目的: 変形性関節症を有する患者の痛みに対するコンドロイチンの効果について決定すること.


情報源: 1970年から2006年までのCochrane Central Register of Controlled Trials, 1966年から2006年までのMEDLINE , 1980年から2006年までのEMBASE, 1970年から2006年間までCINAH等を調査した.会議の議事録,引用文献リストをチェックし,必要があれば著者に直接連絡を取った.最終の調査は2006年の11月30日になされた.


研究の選択: 膝あるいは股関節の変形性関節症を有する患者の治療にコンドロイチンと偽薬または無治療との比較を行った試験で,無作為または無作為に準じたもので対照試験であれば,検討に加えた.言語は特には制限しなかった.


データ抽出: 著者らは二重にデータを抽出した.効果の大きさは治験終了時点での治療群と非治療群の間で痛みに関連した結果をもちいて,この違いから計算し,さらにプールしたデータの標準偏差で割り算して求めた.臨床試験は無作為効果メタ分析を用いて融合させられた.


データ合成: 20の臨床試験(3846人)がメタ解析に組み入れられたが,試験の間に(I2 = 92%),高度の不均一性が認められた.小規模試験,割当が不透明な不正のある試験, 割り付け重視の分析(Intention-To-Treat) の原則に従って分析されていない試験においては,適正な試験に比較してコンドロイチンの有用性が大きいと示されていた.著者らが解析を大規模な標本のサイズがあり,割り付け重視の分析 による解析がなされている3つの試験に制限したところ,この中には全体の40%の患者が含まれていた.この結果は効果の大きさが-0.03 (95% 信頼区間, -0.13 から 0.07; I2 = 0%)であり,痛みの強さを10cmのVAS(Visual analogue scale)で測定すると,0.6の違いに相当した.12の試験のメタ解析では,何らかの有害事象に対するプールされた相対危険度は0.99(信頼区間0.76から1.31)であった.


研究の限界: 9つの試験に対して,著者らは効果の大きさを計算するために近似値を用いなければならなかった.試験の質は概して低く,それぞれの試験の間の不均一性は初めから結果の解釈を困難にし,メタ回帰解析や層別解析において,不均一性のある情報源を検討するのは,信憑性を失うものであるかも知れない.


結論: 大規模な,方法論的に整然とした試験が示唆するのはコンドロイチンの症状改善に対する利点が極わずかであるかまたは存在しないことを示した.それゆえ,日常臨床の現場でコンドロイチンを用いることは推奨されるべきではない.


監修者注:痛みの測定法として,患者に痛みの程度を(想像できる)最大の痛みを10,痛みなしを0として指でさしてもらって記録する方法.



(翻訳: 鈴木克典)

English Abstract