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Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年5月14日)

Annals of Internal Medicineの紹介(タイトル・紹介文・Abstract−抜粋和訳)

ACP日本支部では,Annals of Internal Medicineの目次と要旨(抜粋)を日本語に訳したものをACP日本支部のホームページ日本語版に掲載しています.医学,医療の最新のトピックスが掲載されたAnnals of Internal MedicineはACP本部のホームページに掲載され,会員にも配送されますが,記事を抜粋してPublication Committee委員が日本語訳を行い,ACP日本支部のホームページ掲載するようにしています.医学,医療の新たな情報を把握するのに非常に便利で,原本を読みたければACP本部のホームページにすぐにリンクできるようにしています.

皆様ご活用頂くと共に,先生方のご同僚や研修医・学生の皆さんにもご案内下さるようお願い致します.(1/22/2007付)

Publication Committee 委員長 石橋大海,副委員長 渡邊毅
 

Annals
Established in 1927 by the American College of Physicians

目次 (TABLE OF CONTENTS)

1 May 2007 Volume 146 Issue 9 (監修: 林 正樹)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

 

原著(Articles)

グルココルチコイドにより寛解に導入された巨細胞動脈炎の維持療法としてのインフリキシマブ:無作為化試験

Infliximab for Maintenance of Glucocorticosteroid-Induced Remission of Giant Cell Arteritis: A Randomized Trial

Gary S. Hoffman, Maria C. Cid, Karen E. Rendt-Zagar, Peter A. Merkel, Cornelia M. Weyand, John H. Stone, Carlo Salvarani, Weichun Xu, Sudha Visvanathan, Mahboob U. Rahman for the Infliximab-GCA Study Group*

巨細胞動脈炎(GCA)においては,大部分の患者がグルココルチコイド療法による合併症を経験するため,ステロイドを控えめにした治療は有益であろう. いくつかの症例報告では,インフリキシマブが有効かもしれないと示唆している.Hoffmanらはグルココルチコイドにより寛解となった44人のGCA患者を無作為に割り付け,0,2,6週および以降8週ごとにインフリキシマブかプラセボを投与した.インフリキシマブは再発率や二次エンドポイントに関して改善することができず,従ってGCAにおいては有用とは考えられない.

(翻訳:小山雄太)

要旨(Abstract)  患者さんへのまとめ(Summary for Patients)


リウマチ性多発筋痛症の初期治療に対する,プレドニゾン+インフリキシマブとプレドニゾン+プラセボ:無作為化試験

Infliximab plus Prednisone or Placebo plus Prednisone for the Initial Treatment of Polymyalgia Rheumatica: A Randomized Trial

Carlo Salvarani, PierLuigi Macchioni, Carlo Manzini, Giuseppe Paolazzi, Aldo Trotta, Paolo Manganelli, Marco Cimmino, Roberto Gerli, Maria Grazia Catanoso, Luigi Boiardi, Fabrizio Cantini, Catherine Klersy, and Gene G. Hunder

リウマチ性多発筋痛症患者の中には,慢性再発性の経過をとり,長期にわたってグルココルチコイド治療が必要となる症例がある.少数の症例報告では,インフリキシマブにより,治療の導入と寛解維持において必要なグルココルチコイドの量を減らせる可能性があると示唆された.Salvaraniらは,新たに診断されたリウマチ性多発筋痛症51例について,ランダムに振り分け,プラセボかインフリキシマブを0週,2週,6週,14週,22週に投与した.全例でプレドニゾンが投与され,漸減された.再燃,再発のない比率は,52週の時点で,両群間に差はなかった.

(翻訳: 安藤聡一郎)

要旨(Abstract)  患者さんへのまとめ(Summary for Patients)


心血管系イベントのリスクアセスメントにおけるアポリポ蛋白B-アポリポ蛋白A-I比の役割
EPIC-Norfolkにおけるケースコントロール研究

Role of the Apolipoprotein B‐Apolipoprotein A‐I Ratio in Cardiovascular Risk Assessment: A Case‐Control Analysis in EPIC‐Norfolk

Wim A. van der Steeg, S. Matthijs Boekholdt, Evan A. Stein, Karim El-Harchaoui, Erik S.G. Stroes, Manjinder S. Sandhu, Nicholas J. Wareham, J. Wouter Jukema, Robert Luben, Aeilko H. Zwinderman, John J.P. Kastelein, and Kay-Tee Khaw

アポリポ蛋白B-アポリポ蛋白A-I比(ApoB-Apo A-I比)は動脈硬化性心血管疾患の強いリスク因子である.今回45-79歳を対象にしたケースコントロール研究を施行した.それによると,後に動脈硬化性心血管疾患を発症した人としなかった人を区別するのに,以前から使われているリスク因子を使った方法に比べApo B-Apo A-I比はより役に立ったわけではなかった.

(翻訳: 平岡栄治)

要旨(Abstract)


HBc抗体とC型肝炎関連肝細胞癌の危険性:前向きの研究

Antibody to Hepatitis B Core Antigen and Risk for Hepatitis C‐Related Hepatocellular Carcinoma: A Prospective Study

Kazuki Ikeda, Hiroyuki Marusawa, Yukio Osaki, Takefumi Nakamura, Naoto Kitajima, Yukitaka Yamashita, Masatoshi Kudo, Tosiya Sato, and Tsutomu Chiba

後ろ向きの検討では,C型肝炎ウイルス(HCV)感染のある肝硬変患者ではB型肝炎ウイルス(HBV)感染は肝細胞癌の発癌に寄与することが示唆されている.本研究者は慢性のHCV感染のある肝硬変患者で潜在性HBV感染の証拠がある845人を前向きに検討した.HCV関連肝硬変患者でHBc抗体陽性者は肝細胞癌の発癌の危険性が増す.HBc抗体陽性は,HCV関連肝硬変患者で肝細胞癌の発癌の危険性が増すことを示している.

(翻訳: 矢倉道泰)

要旨(Abstract)  患者さんへのまとめ(Summary for Patients)


医学と臨床(Academia and Clinic)

医療における質の向上方策の採用に関わる倫理

The Ethics of Using Quality Improvement Methods in Health Care

Joanne Lynn, Mary Ann Baily, Melissa Bottrell, Bruce Jennings, Robert J. Levine, Frank Davidoff, David Casarett, Janet Corrigan, Ellen Fox, Matthew K. Wynia, George J. Agich, Margaret O'Kane, Theodore Speroff, Paul Schyve, Paul Batalden, Sean Tunis, Nancy Berlinger, Linda Cronenwett, J. Michael Fitzmaurice, Nancy Neveloff Dubler, and Brent James

ヘイスティング・センター(the Hastings Center)は医療の質の向上(QI)活動に参加する患者に対する倫理的な保護とヒト対象研究における検討対象であるヒトを保護するための規制との関係を明確にするため,臨床の指導者や研究者らを集めた.パネリストたちは,ほとんどのQI活動がヒトを対象とした研究ではなく,治験審査委員会(IRB)による審査を受けるべきでないことを強調した.むしろ,彼らはQI活動の実情に合った監視を求め,ある研究計画がQI,ヒト対象研究,あるいはその両者の重複なのかを分類するための基準を作成した.また,分類上,重複に該当する場合の個別化されたIRBでの審査手順を提唱した.

(翻訳: 鈴木 昌)


総説(Reviews)

系統的論文批評: 抗がん剤以外の薬物に起因した無顆粒球症

Systematic Review: Agranulocytosis Induced by Nonchemotherapy Drugs

Frank Andersohn, Christine Konzen, and Edeltraut Garbe

薬剤に起因する無顆粒球症は,まれではあるが重篤な有害事象を起こす可能性がある.この論文は,抗がん剤による化学療法は受けてはいないが,薬剤に起因する無顆粒球症を発症した可能性のある980症例の論文を系統的に批評しまとめた.薬剤として125種類のものが,無顆粒球症を確実に発症させたか,ないし,多分発症させたと判断された.これらの症例の中,半数以上の症例が,特定の11の薬剤の中のひとつに関係していた.好中球数 100 /μL未満となった患者の10%が致命的な合併症を発症したのに対して,100 /μL以上の患者では3%の者しか致命的な合併症を発症しなかった.

(翻訳: 五十嵐忠彦)

要旨(Abstract)


論評(Editorials)

リウマチ性多発筋痛症と巨細胞動脈炎の治療:新しい展開はあるか?

Treatment of Polymyalgia Rheumatica and Giant Cell Arteritis: Are We Any Further Forward?

Raashid Luqmani

HoffmanらとSalvaraniらの研究グループは,各々,巨細胞動脈炎とリウマチ性多発筋痛症の治療に関して副腎皮質ステロイド薬にインフリキシマブを追加して検討したが,2剤併用療法の効果を明らかにできなかった.しかし,これらの研究は比較的少数例の検討であり,本来はある治療効果を検出できなかった可能性はあるかもしれない.これら2疾病の治療におけるインフリキシマブの有益性は明らかでなく,腫瘍壊死因子を治療標的とするのは論理的ではない.副腎皮質ステロイド薬は今後も治療の基盤となる薬剤である.

(翻訳: 西川正憲)


危険因子,危険予知,アポ蛋白B−A1比

Risk Factors, Risk Prediction, and the Apolipoprotein B‐Apolipoprotein A‐I Ratio

Michael Berkwits and Eliseo Guallar

van der Steegらはアポ蛋白B−A1比が冠状動脈疾患の全体的予知に貢献しないことを見出した.実際新しい危険因子が従来の確立された危険因子に新たな予測を加えることは滅多にない.だから,臨床家は新しい危険因子の検査を広める前に厳密な証拠を要求するのであろう.

(翻訳: 霜山龍志)


質の向上と倫理的な監視

Quality Improvement and Ethical Oversight

Christine Grady

Lynnらは説得力のある時宜にかなった研究課題,すなわち,質向上のための(QI)活動に対する倫理的要求と研究対象となるヒトを保護するための規制との関係についての検討の結果を報告している.彼らはヒト対象研究と認められる,あるいはヒト対象研究と重複する部分のあるQI活動は特別に構成された治験審査委員会(IRB)によって監視されるべきであると結論している.しかし,彼らもヒト対象研究とQIとの区別を明確にすることはできず,これはどのような審査が各々の活動に必要なのかを決定しなければならない者にとって問題である.

(翻訳: 鈴木 昌)


重要な試験:HIV感染者の抗レトロウイルス治療をCD4リンパ球数で中断すること

Trials That Matter: CD4+ T‐Lymphocyte Count‐Guided Interruption of Antiretroviral Therapy in HIV‐Infected Patients

Jeffrey M. Jacobson, Barbara J. Turner, and Elias Abrutyn

SMART試験は,HIV感染者治療をCD4数で開始したり中断したりするサイクル療法が彼らの病態を悪化させ死亡率を高めることを見いだした.注目すべきは,CD4が高いために服薬休暇を与えられた患者の死亡に日和見感染でなくむしろ循環器疾患と日和見でない癌が寄与している.この研究は抗レトロウイルス治療を始めたHIV患者は治療を続けるべきことをいみする.それからHIV感染の良くメカニズムがわからない影響としての一般臓器の疾患や癌に注意することをわれわれに教える.

(翻訳: 霜山龍志)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)

巨細胞動脈炎の治療に関するインフリキシマブの追加療法

Adding Infliximab to the Treatment Regimen for Giant Cell Arteritis

(翻訳: 西川正憲)

本文(Full Text)


リウマチ性多発筋痛症の治療に関するインフリキシマブの追加療法

Adding Infliximab to the Treatment Regimen for Polymyalgia Rheumatica

(翻訳: 植田秀樹)

本文(Full Text)


B型肝炎ウイルスへの暴露はC型肝炎ウイルス感染患者における肝がんの危険性を高めるか?

Does Exposure to Hepatitis B Virus Increase the Risk for Liver Cancer in Patients with Hepatitis C Infection?

(翻訳: 泉谷昌志)

本文(Full Text)


診療所にて(In the Clinic)

うつ病

Depression

この号ではうつ病の予防,スクリーニング,診断,治療に焦点を合わせた臨床的概要を示し,臨床技術の改善を図る.

(翻訳: 大和田 潔)

本文紹介(Introduction from the Full Text)


バックナンバー

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20 March 2007 Volume 146 Issue 6

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