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Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年5月14日)
Annals
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原著(ARTICLE)


グルココルチコイドにより寛解に導入された巨細胞動脈炎の維持療法としてのインフリキシマブ:無作為化試験

Infliximab for Maintenance of Glucocorticosteroid-Induced Remission of Giant Cell Arteritis
A Randomized Trial

Gary S. Hoffman, MD; Maria C. Cid, MD; Karen E. Rendt-Zagar, MD; Peter A. Merkel, MD, MPH; Cornelia M. Weyand, MD; John H. Stone, MD, MPH; Carlo Salvarani, MD; Weichun Xu, PhD; Sudha Visvanathan, PhD; Mahboob U. Rahman, MD, PhD, for the Infliximab-GCA Study Group*


1 May 2007 | Volume 146 Issue 9 | Pages 621-630


背景: 巨細胞動脈炎の動脈には腫瘍壊死因子α(TNF-α)が存在する.


目的: 抗TNF-α製剤であるインフリキシマブの,巨細胞動脈炎における有効性を評価する.


方法: 無作為化比較試験


試験場所: 米国,英国,ベルギー,イタリア,スペインの22か所の医療機関


患者: 新しく診断され,グルココルチコイドにより寛解となった44人の巨細胞動脈炎患者


介入: 対象患者は無作為に,2:1の比率になるようにインフリキシマブ (5mg/kg) かプラセボを投与する群に割り付けされた.16人がグルココルチコイドとプラセボ投与群,28人がグルココルチコイドとインフリキシマブ投与群となった.


測定: エンドポイントは22週まで測定され,中間解析の結果,当初予定されていた54週の試験を早期終了することとなった.有効性の一次エンドポイントは,22週までの間に再発がなかった患者数および,有害事象の発生数とした.二次エンドポイントは初回再発までの時間,バイオマーカー,グルココルチコイドの総投与量,グルココルチコイド投与量を10mg/日まで漸減させても再発を免れていた患者数,で検討した.


結果: インフリキシマブ投与群では,プラセボと比較して,22週時点で再発していない患者の割合を増加させることができず(43% 対 50%; 差異,-7パーセンテージポイント [95%信頼区間,-38〜23パーセンテージポイント]; p=0.65),再発せずにグルココルチコイド投与量を10mg/日まで漸減させ得た患者数を増加させることもできなかった(61% 対 75%; 差異,-14パーセンテージポイント [95%信頼区間,-42〜14パーセンテージポイント]; p=0.31).感染症の発生はインフリキシマブ投与群で71%であるのに対し,プラセボ投与群では56%であった(差異,15パーセンテージポイント [95%信頼区間,-14〜45パーセンテージポイント]).


研究の限界: この研究は研究対象患者数がとても少なく,インフリキシマブの効果が少ないながらもあることを除外できない.また,研究対象は新規に診断された患者のみである.インフリキシマブ投与量は一種類のみ評価されており,研究は早期に打ち切られている.


結論: この試験はとても小規模であるため最終的な結論を引き出すことはできないが,新規に診断されグルココルチコイドによって寛解を得た巨細胞動脈炎患者の維持療法としてインフリキシマブを用いることは利益がなく,かえって有害かもしれないというエビデンスを提供している.もしインフリキシマブに効果があるとしても,それは大きいとは思えない.


(翻訳: 小山雄太)

English Abstract