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Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年5月14日)
Annals
Established in 1927 by the American College of Physicians

原著(ARTICLE)


リウマチ性多発筋痛症の初期治療に対する,プレドニゾン+インフリキシマブとプレドニゾン+プラセボ 無作為化試験

Infliximab plus Prednisone or Placebo plus Prednisone for the Initial Treatment of Polymyalgia Rheumatica
A Randomized Trial

Carlo Salvarani, MD; PierLuigi Macchioni, MD; Carlo Manzini, MD; Giuseppe Paolazzi, MD; Aldo Trotta, MD; Paolo Manganelli, MD; Marco Cimmino, MD; Roberto Gerli, MD; Maria Grazia Catanoso, MD; Luigi Boiardi, MD; Fabrizio Cantini, MD; Catherine Klersy, MD; and Gene G. Hunder, MD


1 May 2007 | Volume 146 Issue 9 | Pages 631-639


背景: リウマチ性多発筋痛症の治療では,ステロイドに代わる確実な治療薬はまだ認められていない.インフリキシマブはステロイド抵抗性の症例にしばしば使われてきたが,その効果は比較研究では示されていない.


目的: 新たに診断されたリウマチ性多発筋痛症症例について,プレドニゾン+プラセボの効果とプレドニゾン+インフリキシマブの効果を比較する.


方法: 無作為化プラセボ比較試験


試験場所: イタリアの7カ所のリウマチ専門医療機関


患者: 新たに診断されたリウマチ性多発筋痛症51例.巨細胞性血管炎を合併した症例や,以前にステロイド,生物学的製剤,免疫抑制剤の治療を受けた症例は除外した.


介入: 経口プレドニゾンで治療開始し,標準的プロトコールに従い,15mg/日から0mg/日まで16週間かけて漸減するという治療に加え,プラセボ,又はインフリキシマブ3mg/kgを0,2,6,14,22週に投与した.


測定: 有効性の一次エンドポイントは,52週までに再燃や再発のなかった症例の比率.二次アウトカムはプレドニゾンが必要なくなった症例の比率,再燃および再発の回数,プレドニゾンの治療期間,プレドニゾンの総投与量で検討した.


結果: 4例(インフリキシマブ群3例,プラセボ群1例)が試験を完了できなかった.52週で再燃,再発のない症例の比率は両群間で差はなかった(インフリキシマブ群20例中6例 [30%],プラセボ群27例中10例 [37%],調整危険差異-3パーセンテージポイント [95%信頼区間, -31〜24パーセンテージポイント]; p=0.80).脱落例も含めた感度分析では,ベストケースシナリオを適用すると両群間で5パーセンテージポイントの差だった(信頼区間, -21〜31%パーセンテージポイント).22週と52週における二次アウトカムについては両群間で差はなかった.


研究の限界: この研究は少数例で短期間のフォローアップであった.インフリキシマブは低用量であり,プレドニゾンの減量は速かった.


結論: 少数例の検討のため結論は出しかねるが,この試験によって,新たに診断されたリウマチ性多発筋痛症症例にプレドニゾンにインフリキシマブを加えることは有益ではなく,有害であるかもしれないというエビデンスが示された.有益性があるとしてもそれはあまり大きくないだろう.


(翻訳: 安藤聡一郎)

English Abstract