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Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年5月14日)
Annals
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原著(ARTICLE)


HBc抗体とC型肝炎関連肝細胞癌の危険性:前向きの研究

Antibody to Hepatitis B Core Antigen and Risk for Hepatitis C‐Related Hepatocellular Carcinoma
A Prospective Study

Kazuki Ikeda, MD; Hiroyuki Marusawa, MD, PhD; Yukio Osaki, MD; Takefumi Nakamura, MD, PhD; Naoto Kitajima, MD, PhD; Yukitaka Yamashita, MD, PhD; Masatoshi Kudo, MD, PhD; Tosiya Sato, PhD; and Tsutomu Chiba, MD, PhD


1 May 2007 | Volume 146 Issue 9 | Pages 649-656


背景: 過去のB型肝炎ウイルス(HBV)感染や潜在性HBV感染はC型肝炎ウイルス(HCV)関連慢性肝疾患患者において肝細胞癌の発癌に重要な役割を有するかもしれない.


目的: HCV関連慢性肝疾患とHBc抗体の関係を前向きに検討した.


方法: 前向き観察研究


試験場所: 京都大学病院及び日本の14の地域中核病院


対象: 慢性のHCV感染者872人(慢性肝炎597人,肝硬変275人)


結果: 対象は872人中846人が経過観察された.経過観察中に846人中237人(28.0%)が肝細胞癌を発症した.肝硬変患者ではHBc抗体陽性者の141人中85人(60.3%),HBV関連血清マ-カ-陰性の129人中58人(45.0%)が肝細胞癌と診断された.インタ-フェロン単独治療した慢性肝炎224人中92人(41.1%)は持続的または一過性にウイルスが消失した.インタ-フェロンに反応したHBc抗体陰性者で発癌した者はなかったがHBc抗体陽性者では37人中4人(10.8%)が肝細胞癌と診断された.Cox比例ハザ-ドモデルを用いた多変量解析では,血清学的検査のHBc抗体の結果が肝硬変患者の独立した危険因子であった(発症率比1.58 [95% CI, 1.12 to 2.22]).


研究の限界: 本研究では研究開始時の1回だけ喫煙と飲酒を評価しただけで喫煙と飲酒の正確な期間をみていない.


結論: 血清学的検査でHBc抗体陽性はHCV関連肝硬変患者では肝細胞癌の危険性が高いマ-カ-である.インタ-フェロン治療はHBc抗体陰性の慢性C型肝炎患者に比較してHBc抗体陽性の慢性C型肝炎患者においては肝細胞癌の予防に効果が少ないかもしれない.


(翻訳: 矢倉道泰)

English Abstract