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Annals of Internal Medicine

(更新日 2008年1月7日)
Annals
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原著(ARTICLE)


冠動脈疾患が疑われる正常心電図患者のトレッドミル運動負荷試験から予測される長期予後に対する外的妥当性の検証モデル

An Externally Validated Model for Predicting Long-Term Survival after Exercise Treadmill Testing in Patients with Suspected Coronary Artery Disease and a Normal Electrocardiogram

Michael S. Lauer, MD; Claire E. Pothier, MPH; David J. Magid, MD, MPH; S. Scott Smith, MD; and Michael W. Kattan, PhD


18 December 2007 | Volume 147 Issue 12 | Pages 821-828


背景: トレッドミル運動負荷試験は,トレッドミル試験前に冠動脈疾患を有する可能性が中等度から高度である患者の重症度分類に推奨されている.トレッドミル運動負荷試験後の重症度分類は,運動耐用能と虚血の定量評価だけからなるデューク大学トレッドミルスコアに基づいている.


目的: 冠動脈疾患が疑われた正常心電図である成人に対するトレッドミル運動負荷試験後の多変数死亡率に関する予測法を開発して,その外的妥当性を検証すること.


研究デザイン: 1990年9月から2004年5月まで行われた前向きコホート研究.


セッティング: 主要なメディカル・センター(開発セット)と個別の会員制健康医療団体(検証セット)の運動負荷トレッドミル検査室.


患者: 33,268人の患者が開発セットに,5821人の患者が検証セットに登録された.すべての患者は正常心電図であり,冠動脈疾患が疑われその評価について紹介された.


測定: 開発セット患者は中央値として6.2年間追跡された.ノモグラム表モデルは運動負荷検査室での簡便な変数を基にして得られた.これらの簡便な変数としては,年齢;性;喫煙,高血圧,糖尿病,あるいは典型的な狭心症の履歴;および,運動耐用能,ST部分の変化,症状,心拍数の回復,さらに回復期に頻発する心室性期外収縮からなる運動負荷所見がある.


結果: 開発データセットは1619名の死亡例を含んでいた. デューク大学トレッドミルスコアと我々のノモグラム表モデルの両方が死亡に有意に(P<0.001)関連していたが,ノモグラムは識別(正しく検閲されたデータのための一致インデックス,0.83対0.73) と較正の観点からは優っていた.我々はノモグラムに基づいてデューク大学トレッドミルスコアでは中等度から高リスク群であった多くの患者を低リスク群として分類し直した.また,そのモデルは,検証セットにおける3年間の死亡率の予測も良好であった;0.97を否定的予測値の至適カットポイントした場合,派生率と検証率は,それぞれカットポイント以下では1.7%と2.5%,カットポイント以上では25%と29%であった.


研究の限界: 血液検査に基づく指標と左室駆出率は含まれていなかった.ノモグラムは,正常心電図を持つ患者だけに適用可能である. 臨床上の有用性は,さらに検討されるべきである.


結論: 簡便な運動負荷前の変数と運動負荷試験の変数に基づく簡便なノモグラムは,冠動脈疾患が疑われた正常心電図の成人における総死亡率を予測し得た.


(翻訳:小野広一)

English Abstract