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Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年9月19日)
Annals
Established in 1927 by the American College of Physicians

患者診療の質の改善(Improving Patient Care)


うつ病の転帰に対する診療ガイドライン遵守の効果

The Effect of Adherence to Practice Guidelines on Depression Outcomes

Kimberly A. Hepner, PhD; Melissa Rowe, PhD; Kathryn Rost, PhD; Scot C. Hickey, MA; Cathy D. Sherbourne, PhD; Daniel E. Ford, MD; Lisa S. Meredith, PhD; and Lisa V. Rubenstein, MD, MSPH


4 September 2007 | Volume 147 Issue 5 | Pages 320-329


背景: 臨床医がうつ病臨床ガイドラインを遵守すること,及び臨床医が遵守することとうつ病の予後の関係を評価する研究はほとんどない.


目的: 特定のガイドラインの推奨がどの程度の率で遵守されているのかを推定し,ガイドラインの推奨を遵守することとうつ病の予後の改善との関連を評価する.


デザイン: 3つの無作為化臨床試験において,1996年から1998年までに集められたデータの観察分析


セッティング: 米国の13の州の中で45のプライマリ・ケア診療所


患者: うつ病を有する1131人のプライマリ・ケア患者


測定: 専門家の検討による方法(expert panel method)を用いて,患者調査に基づく指標を作成し,うつ病に対する臨床診察ガイドラインの遵守を測定した.指標を構成する20項目の遵守率を評価した.症例の混合をコントロールするために,多変量回帰を用いて12,18および24か月の時点で連続または二分法によるうつ病の尺度を,どのくらい指標のスコアが予測するかを評価した.


結果: プライマリ・ケア臨床医のうつ病の発見を含む6つの項目で医療の質は高かった(臨床医の遵守率79%以上).自殺のリスク(3項目),アルコール濫用(2項目),高齢患者などの管理,うつ病の症状や既往の評価,初期治療で改善しない患者の治療の調節を含む8つの項目で医療の質が低かった(遵守率20%から38%).診療ガイドラインの遵守率が高いほど,連続的尺度(12か月間でP<0.001,18か月間でP<0.01,24か月間でP<0.001)と二分法による尺度(18と24か月でP<0.05)で,うつ病の症状がより少ないことが有意に予測できた.


研究の限界: データは患者の自己申告に基づく.1998年以降の診療の変化により,調査結果の普遍化が制限されるかもしれない.


結論: 計測された3分の1の推奨に対してガイドラインの遵守率は高かった.しかし約半分の尺度で遵守率が非常に低く,特に医療の質の改善の必要性が指摘できる.ガイドラインに一致したうつ病の医療は,うつ病のあるプライマリ・ケア患者の予後の改善と関連するようである.


(翻訳:吉井康裕)

English Abstract