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Annals of Internal Medicine

(更新日 2007年10月29日)

Annals of Internal Medicineの紹介(タイトル・紹介文・Abstract−抜粋和訳)

ACP日本支部では,Annals of Internal Medicineの目次と要旨(抜粋)を日本語に訳したものをACP日本支部のホームページ日本語版に掲載しています.医学,医療の最新のトピックスが掲載されたAnnals of Internal MedicineはACP本部のホームページに掲載され,会員にも配送されますが,記事を抜粋してPublication Committee委員が日本語訳を行い,ACP日本支部のホームページ掲載するようにしています.医学,医療の新たな情報を把握するのに非常に便利で,原本を読みたければACP本部のホームページにすぐにリンクできるようにしています.

皆様ご活用頂くと共に,先生方のご同僚や研修医・学生の皆さんにもご案内下さるようお願い致します.(1/22/2007付)

Publication Committee 委員長 石橋大海,副委員長 宇野久光,川村光信
 

Annals
Established in 1927 by the American College of Physicians

目次 (TABLE OF CONTENTS)

16 October 2007 Volume 147 Issue 8
(監修:板東 浩,総合監修:石橋大海)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

 

原著(Articles)

静脈血栓塞栓症の発症に対する少量アスピリンの効果:ランダム化試験

Effect of Low-Dose Aspirin on the Occurrence of Venous Thromboembolism: A Randomized Trial

Robert J. Glynn, Paul M Ridker, Samuel Z. Goldhaber, and Julie E. Buring

短期のアスピリン療法は高リスク患者における静脈血栓塞栓症(VTE)のリスクを低下させるが,長期にわたる少量アスピリン療法が健常成人におけるリスクを低下させるかについては定かではない.Women’s Health Study(WHS)(「女性の健康に関する研究」)の2次解析で,Glynnらは,10年間にわたり少量アスピリンまたはプラセボにランダムに割り振られた女性医療従事者39,876例におけるVTEの発症率を調査した.少量アスピリンは全体のVTE発症率に影響を与えず,先天的に血栓形成傾向があるゆえにVTE発症率が高くなる女性においてもその発症率に影響を与えなかった.

(翻訳:山内高弘)

要旨(Abstract)  患者さんへのまとめ(Summary for Patients)


膝崩れ症:有病率,危険因子,関連した機能障害

Knee Buckling: Prevalence, Risk Factors, and Associated Limitations in Function

David T. Felson, Jingbo Niu, Christine McClennan, Burton Sack, Piran Aliabadi, David J. Hunter, Ali Guermazi, and Martin Englund

膝崩れ症では,体重の支えとなる膝による姿勢保持が突然困難になる.住民基盤の横断研究で,Felsonらは,地域における膝崩れ症の有病率,関連する危険因子および機能障害との関連性を調べた.中高年の地域住民2351名の中で,278名(12%)が過去3ヵ月以内に少なく1回の膝崩れの症状があり,その内13%が転倒していた.膝関節痛,大腿四頭筋の筋力低下および身体活動の悪化が膝崩れ症と関連していた.

(翻訳:吉田 博)

要旨(Abstract)  患者さんへのまとめ(Summary for Patients)


骨粗鬆症で紹介された外来患者における潜在性高コルチゾール症

Subclinical Hypercortisolism among Outpatients Referred for Osteoporosis

Iacopo Chiodini, Maria Lucia Mascia, Silvana Muscarella, Claudia Battista, Salvatore Minisola, Maura Arosio, Stefano Angelo Santini, Giuseppe Guglielmi, Vincenzo Carnevale, and Alfredo Scillitani

クッシング症候群は骨粗鬆症の二次的原因として広く知られている.Chiodiniらは,骨粗鬆症の検査目的で紹介され,臨床的に明らかな高コルチゾール症がないか,骨粗鬆症で他の二次的原因がない219名の患者について,高コルチゾール症を検索した.7名の患者(3.3%)が高コルチゾール症と診断されたが,このうち6名は機能性副腎腫瘤と,1名は副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)産生下垂体腺腫と診断された.Tスコアが2.5以下で,椎体骨折のある患者における潜在性高コルチゾール症の有病率は10.8%であった.潜在性高コルチゾール症は,骨粗鬆症の患者で,一般に考えられているよりも頻度が高いかも知れない.

(翻訳:泉谷昌志)

要旨(Abstract)  患者さんへのまとめ(Summary for Patients)


患者診療の質の改善(Improving Patient Care)

電子カルテによる質の向上:達成可能であるが自動的なものではない

Quality Improvement with an Electronic Health Record: Achievable, but Not Automatic

Richard J. Baron

電子カルテの採用により,かねてから指摘されている国内格差が埋まり,高品質のケアを提供できるだろうと多くの人が信じている.Baronは,4人の医師で行うグループ診療で電子カルテの使用により,どのようにマンモグラフィの検診率を上昇させられたのかを論じている.彼の経験は,成功への重要な要素を明らかにしている:それは医師が整理されたデータ――マンモグラフィを解析するために患者招集をサポートする情報や,プライマリ ・ケアにおける質を向上させようとする取り組みをサポートする配送システム――を使用するという意欲である.

(翻訳:櫻井政寿)

要旨(Abstract)


医学と臨床(Academia and Clinic)

疫学における観察研究報告の強化(STROBE):説明と改善点

Strengthening the Reporting of Observational Studies in Epidemiology (STROBE): Explanation and Elaboration

Jan P. Vandenbroucke, Erik von Elm, Douglas G. Altman, Peter C. Gøtzsche, Cynthia D. Mulrow, Stuart J. Pocock, Charles Poole, James J. Schlesselman, Matthias Egger for the STROBE initiative

説明および改善点に関する本論文は,STROBE声明を支持している.この記事はオンラインでのみ入手できる.

(翻訳:加藤哲朗)


疫学における観察研究報告の強化(STROBE):観察研究報告のガイドライン

The Strengthening the Reporting of Observational Studies in Epidemiology (STROBE) Statement: Guidelines for Reporting Observational Studies

Erik von Elm, Douglas G. Altman, Matthias Egger, Stuart J. Pocock, Peter C. Gøtzsche, Jan P. Vandenbroucke for the STROBE Initiative

STROBEイニシアティブは,観察研究の報告で含めるべき情報について推奨した. 2日間にわたるワークショップとそれに続く協議,改訂作業によって,22項目のチェックリスト(the STROBE Statement)にまとめた.Von Elmらは,STROBEの現状を紹介するとともに,発展してきた経緯を説明している.

(翻訳:加藤哲朗)


最新情報(Updates)

内分泌学の最新情報

Update in Endocrinology

Janet A. Schlechte

この内分泌学最新情報は,2006年に発表された15の論文の引用で構成されている.甲状腺,糖尿病,骨粗鬆症,低ナトリウム血症および性腺の5つのトピックが含まれる.

(翻訳:川口鎮司)

本文紹介(Introduction from the Full Text)


総説(Reviews)

メタ解析:ヘリコバクターピロリ除菌療法の際の3剤併用初回治療における投与期間

Meta-analysis: Duration of First-Line Proton-Pump Inhibitor-Based Triple Therapy for Helicobacter pylori Eradication

Lorenzo Fuccio, Maria Eugenia Minardi, Rocco Maurizio Zagari, Diego Grilli, Nicola Magrini, and Franco Bazzoli

ヘリコバクターピロリ感染に対しては,プロトンポンプ阻害薬を主体とした3剤併用による初回治療が望ましいという点で専門家で合意されているが,その治療期間については統一されていない.今回のメタ解析では,Fuccioらは21の無作為化比較試験を抽出し,治療期間やH.ピロリ菌の除菌について調べた.除菌に対する相対リスクは,7日間の除菌療法が10日間のamoxicillinを含む治療(10研究)に比し1.05(95% CI, 1.01 to 1.10),7日間の治療が14日間のamoxicillinを含む14日間の治療(11研究)で1.07(CI, 1.02 to 1.12),metoronidazoleを含む治療(3研究)に比して1.08(CI, 0.96 to 1.22)であった.著者らは7日間を超える3剤併用療法が臨床的に有用とは言い難いと結論した.

(翻訳:上野義之)

要旨(Abstract)


展望(Perspectives)

ロシグリタゾンの心筋梗塞や心血管死をおこす危険性に対する効果の不確かさ

Uncertain Effects of Rosiglitazone on the Risk for Myocardial Infarction and Cardiovascular Death

George A. Diamond, Leon Bax, and Sanjay Kaul

Diamondらは,42の臨床研究に基づく最新で広範なメタ解析に関して論じている.それによると,ロシグリタゾンは,心筋梗塞の危険率を約43%増加させ,心血管死の危険率を約64%上昇させる.彼らは,この解析の限界について記載し,異なった方法でデータを解析したり,また,いくつかの別の解析方法を取り入れたりしている.その結果,ロシグリタゾンを服用している糖尿病患者における心筋梗塞や心血管死の危険性は不確かであると結論づけた.つまり,ロシグリタゾンの危険性に関する事象は,まだ充分に確立されていない.

(翻訳:川口鎮司)


論評(Editorials)

改善可能な骨粗鬆症のスクリーニングについて:コルチゾールが犯人か?

Screening for Reversible Osteoporosis: Is Cortisol a Culprit?

Lynnette K. Nieman

この論文で,Chiodiniらは,高コルチゾール症の有病率は骨粗鬆症疑いでコルチゾール過剰の症状や徴候のない患者が3.3%と示した.この知見は,臨床的に診断されにくい高コルチゾール症でも骨密度減少が生じることを示している.この素晴らしい研究は,高コルチゾール症のスクリーニングに対する解答よりむしろ多くの疑問を投げかけるものである.さらなる研究が実施されるまで,特発性骨粗鬆症を有する中高年者に高コルチゾール症の検査をするか決める時に,臨床医は病歴や身体所見を通じて正しい臨床的判断を下していくべきである.

(翻訳:植田秀樹)


ロシグリタゾン:乏しく不十分なデータから物議をかもしている

Rosiglitazone: A Thunderstorm from Scarce and Fragile Data

Cynthia D. Mulrow, John Cornell, and A. Russell Localio

この論文では,Diamondらが米国食品医薬品局(FDA)によりロシグリタゾンが虚血性心疾患のリスクを増加させるというエビデンスの盲点を説明している.GlaxoSmithKlineとNissen,Wolski,DiamondらとFDAによる分析結果は,乏しい副作用に関する信頼に足りるデータの集積がいかに困難なものかを示している.結論として,2型糖尿病に対しFDAで承認されている薬物療法を実施されている患者において,重篤な大血管障害の信頼に足りる報告がないことは残念である.大規模調査研究以上のより良い調査が,この問題に対して正しい解答を示すであろう.

(翻訳:植田秀樹)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)

低用量アスピリンを内服中の女性における静脈血栓・塞栓症の発生

Occurrence of Venous Thromboembolism in Women Taking Low-Dose Aspirin

(翻訳:石田真実子)

本文(Full Text)


高齢者における膝崩れ症

Knee Buckling in Older Adults

(翻訳:小河秀郎)

本文(Full Text)


症状のない骨粗鬆症の人たちで血中コルチゾール値が上昇するのは,どれほど一般的なことなのでしょうか?

How Common Are High Cortisol Levels in Apparently Healthy People with Osteoporosis?

(翻訳:桂 隆志)

本文(Full Text)


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7 August 2007 Volume 147 Issue 3

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19 June 2007 Volume 146 Issue 12

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