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(更新日 2008年1月15日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
1 January 2008 Volume 148 Issue 1
(監修:石塚尋朗,総合監修:宇野久光)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
デジタルマンモグラフィによる乳がんスクリーニングの費用対効果
Cost-Effectiveness of Digital Mammography Breast Cancer Screening
Anna N.A. Tosteson, Natasha K. Stout, Dennis G. Fryback, Suddhasatta Acharyya, Benjamin A. Herman, Lucy G. Hannah, Etta D. Pisano for the DMIST Investigators
デジタルマンモグラフィは若年女性や乳腺密度の高い女性ではフィルムマンモグラフィに比べより正確である.費用対効果の分析においてTostesonと同僚らは全ての女性にデジタルマンモグラフィを行うと ,フィルムマンモグラフィに比べ生活の質調整済み生存年(QALY)獲得毎に,300,000米ドル以上費用がかかるであろうと見積もっている.年令を基準にあるいは年令と乳腺密度を基準にしてデジタルマンモグラフィを行うことはフィルムマンモグラフィに比較しQALY獲得毎に26,500から84,500米ドル費用がかかるであろう .65才以上の女性では乳腺密度を対象にしたデジタルマンモグラフィの費用対効果はまして不明確である. フィルムマンモグラフィに比べデジタルマンモグラフィを全員に施行する事は費用対効果に優れない .特定のサブグループを対象とした場合は優れた費用対効果となりえる.
訳注:デジタルマンモグラフィはhttp://www.umn.edu/breastcenter/digital_mammography.htmにあるように従来のフィルムマンモグラフィに比べコンピューターの画像処理で詳細が分かるようになった.
(翻訳:秋山真一郎)
エピネフリン投与量ミスに及ぼす薬剤濃度表記の影響:無作為化試験
The Effect of Drug Concentration Expression on Epinephrine Dosing Errors: A Randomized Trial
Daniel W. Wheeler, Joseph J. Carter, Louise J. Murray, Beverley A. Degnan, Colin P. Dunling, Raymond Salvador, David K. Menon, and Arun K. Gupta
本研究において,28名の医師が小児急性アナフィラキシーの模擬場面で,質量濃度表記 (mg/mL) あるいは希釈度表記 (1:1000) のいずれかの表記がされたエピネフリンのアンプルを使用した .希釈度表記されたアンプルを用いた医師の14%,また質量濃度表記されたアンプルを用いた医師の79%が正しい投与量の誤差10%以内でエピネフリンを投与した .医師が希釈度表記されたアンプルを使用したところ質量濃度表記を用いた群に比べて平均213µgが過剰投与され,投与遅滞時間は平均91秒であった .アンプルを質量濃度表記することにより患者への安全性が高められることが判明した.
(翻訳:今村隆明)
最新情報(Updates)
腎臓病学での最新情報
Update in Nephrology
Stanley Goldfarb
腎臓病学での今回の最新情報は2005年と2006年に発表された9つの論文から特集したもので,急性腎不全,慢性腎不全,造影剤と腎症,腎動脈狭窄,そして移植腎の提供がトピックスになっている.
(翻訳:植田秀樹)
総説(Reviews)
系統的レビュー:本態性高血圧治療に対するアンジオテンシン変換酵素阻害薬とアンジオテンシンII受容体拮抗薬の有効性の比較
Systematic Review: Comparative Effectiveness of Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitors and Angiotensin II Receptor Blockers for Treating Essential Hypertension
David B. Matchar, Douglas C. McCrory, Lori A. Orlando, Manesh R. Patel, Uptal D. Patel, Meenal B. Patwardhan, Benjamin Powers, Gregory P. Samsa, and Rebecca N. Gray
著者らは,本態性高血圧の成人を対象にアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬とアンジオテンシンU受容体拮抗薬(ARBs)を直接比較した臨床研究を系統的にレビューした .彼らは,この二種類の治療薬が,死亡率や心血管イベント,さらに糖尿病発症,左室機能や腎疾患への進展に関して一貫した差はなく,血圧に対して同様な長期的効果を有していたという明確なエビデンスを見出した .ACE阻害薬にはARBsよりも高頻度に慢性咳嗽がみられた.
(翻訳:吉田 博)
メタ解析:腎疾患の蛋白尿に対するレニン−アンジオテンシン系阻害薬の単独療法および併用療法の効果
Meta-analysis: Effect of Monotherapy and Combination Therapy with Inhibitors of the Renin-Angiotensin System on Proteinuria in Renal Disease
Regina Kunz, Chris Friedrich, Marcel Wolbers, and Johannes F.E. Mann
著者らは蛋白尿に対するARBsとプラセボまたは代わりの治療法と比較する無作為化試験のメタ解析を行った.彼らはまた,蛋白尿に対する併用療法(ARBsとACE阻害薬)とそれらの単剤での治療もレビューした .6,181名の参加者と72の比較研究を含む49の研究からのデータによると,ARBsとACE阻害薬はプラセボやカルシウム拮抗薬に比べて同等に蛋白尿減少に有効であった .ARBsとACE阻害薬の併用療法はそれぞれの単独療法よりも蛋白尿を減少させた.
(翻訳:石田真実子)
意見書(Position Papers)
普遍的アクセスをもつ高品質の医療介護システムの達成:米国は他国から何を学べるか
Achieving a High-Performance Health Care System with Universal Access: What the United States Can Learn from Other Countries
American College of Physicians
多くの先進国は,米国のそれより良くて安価な医療介護システムへの普遍的アクセスを提供する医療介護システムを備えている.米国内科学会から出されたこの政策文書は ,それらの国々から与えられた教訓から学ぼうとしている.米国でのヘルスケア,他国との比較,それらの国から学ぶ教訓 ,そして米国で高品質の医療介護システムの発展のために推奨される行動が述べられている.
(翻訳:櫻井政寿)
論評(Editorials)
レニン−アンジオテンシン系阻害薬:証明された利点と証明されていない安全性
Inhibitors of the Renin-Angiotensin System: Proven Benefits, Unproven Safety
Patrick S. Parfrey
Matcharとその同僚,また,Kunzとその同僚の系統的レビューの中で最も重要な貢献は,私たちが何を知らないのか,これらの薬剤の長期投与の副作用はどれなのか ,を教えていることである.私たちは,アンジオテンシン受容体拮抗薬とアンジオテンシン変換酵素阻害薬のそれぞれの単独投与,および2剤併用療法を含む3群間の,大規模 ,長期間の無作為コントロール試験を行う必要がある.それが済むまでは ,これら2種類の薬剤の併用療法を行っている末期腎臓病の患者を医師は注意深く観察すべきである.
(翻訳:井田弘明)
他国の医療介護システムに学ぶこと
Learning from the Health Care Systems of Other Countries
Harold C. Sox
本号では他国の効果的な医療介護システムについての紹介とそれから米国が何を学びうるかに関して米国内科学会の政策論文が掲載されている .2008年中に本誌ではいくつかの模範となる国々の医療介護システムに関してさらに議論をすすめる一連の論文並びに論評解説を発表する予定である.これらのうまくいっている国の医療介護システムには共通する1つの本質的な特徴がある .それは,政府が国民すべてが医療保険に加入することを保証していることである.
(翻訳:高田 徹)
患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
エピネフリンの投与量ミスに及ぼす薬剤濃度表記の影響
The Effect of Drug Concentration Expression on Epinephrine Dosing Errors
(翻訳:北口聡一)
クリニックにて(In the Clinic)
不眠症
Insomnia
本号では不眠症の臨床について,予防,スクリーニング,診断,治療,診療の進歩,患者情報に焦点をあてて概説している.
(翻訳:小河秀郎)
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