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原著(ARTICLE)
1992年から2003年の間で,米国の一般住民と比較したHIV感染者での各種癌の発症頻度
Incidence of Types of Cancer among HIV-Infected Persons Compared with the General Population in the United States, 1992-2003
Pragna Patel, MD, MPH; Debra L. Hanson, MS; Patrick S. Sullivan, DVM, PhD; Richard M. Novak, MD; Anne C. Moorman, BSN, MPH; Tony C. Tong, MS; Scott D. Holmberg, MD, MPH; John T. Brooks, MD, for the Adult and Adolescent Spectrum of Disease Project and HIV Outpatient Study Investigators*
20 May 2008 | Volume 148 Issue 10 | Pages 728-736
背景:  HIV感染者は一般住民よりもある種の癌に対して高いリスクを負っているかもしれない.

目的: 1992年から2003年におけるHIV感染者での癌の発症頻度を一般住民における頻度と比較すること.

デザイン: 前向き観察コホート研究.

セッティング: 米国.

患者: HIV疾患プロジェクトの成人と若年成人(47,832人)とHIV外来研究(6,948人)の合計54,780人のHIV感染者,これらの患者は1992年から2003年までの157,810人年の追跡調査分に相当する,と13の地理的に規定された,住民基盤の,中央癌登録のサーベイランス・疫学・予後プログラム(the Surveillance, Epidemiology, and End Results program)から得られた334,802,121人の記録.

測定: 標準化率比(SRRs)を用いてHIV感染者における癌発症頻度と一般住民での標準化された癌発症頻度を比較した.

結果: エイズ関連悪性腫瘍以外の以下の各癌の発症頻度は一般住民にくらべHIV感染者において優位に高かった,すなわち,肛門癌(SRR42.9[95%信頼区間, 34.1-53.3]),膣癌(SRR 21.0[95%信頼区間11.2-35.9]),ホジキンリンパ腫(SRR 14.7[95%信頼区間11.6-18.2]),肝癌(SRR 7.7[95%信頼区間5.7-10.1]),肺癌(SRR 3.3[95%信頼区間, 2.8-3.9]),メラノーマ(SRR 2.6[95%信頼区間, 1.9-3.6]),口腔・咽頭癌(SRR 2.6[95%信頼区間,9-3.4]),白血病(SRR 2.5[95%信頼区間, 1.6-3.8]),大腸・直腸癌(SRR 2.3[95%信頼区間,1.8-2.9]),腎癌(SRR 1.8[95%信頼区間,1.1-2.7])である.前立腺癌の頻度は一般住民にくらべHIV感染者において優位に低かった(SRR 0.6[95%信頼区間, 0.4-0.8]).肛門癌の相対発症頻度のみが経時的に上昇した.

研究の限界: HIV感染者コホートにおける癌の診断率が低いことにより,潜在的なバイアスが生じ発症頻度の差を過小評価しているかもしれない.危険因子としての喫煙や癌スクリーニングの精度や頻度の変化による影響については評価することができなかった.

結論: 1992年から2003年においての間で,一般住民に比べてHIV感染者では,多くの種類のエイズ非関連悪性腫瘍の発症頻度が高かった.

(翻訳:山内高弘)

English Abstract

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