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原著(ARTICLE)
計算能力と糖尿病コントロールの関連
Association of Numeracy and Diabetes Control
Kerri Cavanaugh, MD, MHS; Mary Margaret Huizinga, MD, MPH; Kenneth A. Wallston, PhD; Tebeb Gebretsadik, MPH; Ayumi Shintani, PhD, MPH; Dianne Davis, RD, CDE; Rebecca Pratt Gregory, RD, CDE; Lynn Fuchs, PhD; Robb Malone, PharmD, CDE; Andrea Cherrington, MD, MPH; Michael Pignone, MD, MPH; Darren A. DeWalt, MD, MPH; Tom A. Elasy, MD, MPH; and Russell L. Rothman, MD, MPP
20 May 2008 | Volume 148 Issue 10 | Pages 737-746
背景: 糖尿病管理に対する患者の数量的思考能力(計算能力)の影響は,それほど知られていない.

目的: 糖尿病に関わる計算能力と血糖コントロール,他のマーカーとの関連を検討する.

デザイン: 断面調査

施設: メディカルセンター3施設で,2つの一般外来と2つの糖尿病専門外来

対象: 2004年3月から2005年11月に登録した1型および2型糖尿病の成人398例

方法: 健康に関する知識,数学的基礎知識,糖尿病に関わる計算能力の3者は,成人医学知識迅速評価法(the Rapid Estimate of Adult Literacy in Medicine),広範囲学力試験(the Wide Range Achievement Test, 3rd edition),糖尿病計算能力試験(DNT;the Diabetes Numeracy Test)の各検査法で評価した.主要なアウトカムは最近のHbA1c値であった.他の測定法は,糖尿病の知識,糖尿病の自己管理に対する自己効力感,自己管理した行動である.

結果: DNT値の中央値は65%(四分位間の範囲,42%〜81%)であった.しばしば見られる誤りには,血糖値の誤った評価や炭水化物摂取の計算ミス,服薬量の誤りなどがあった.DNT値が低いのは,年齢が高く,白色人種以外で,教育年数が少なく,収入レベルが低く,文章能力や一般的計算能力が低く,自己効力感が低く,自己管理能力が限定的な場合であった.DNT値が42%未満と最低の四分位に属する患者では,HbA1cの中央値が7.6%(6.5%〜9.0%)であったのに比較して,最も高い四分位の患者では7.1%(6.3%〜8.1%)と低値であった(P = 0.119 傾向あり).年齢,性,人種,収入,他の因子で調整した回帰分析では,DNT値とHbA1c値の間に緩やかな相関が認められた.

研究の限界: この断面調査では因果関係は明らかにはできず,特に未測定の交絡変数に対するリスクについても明確にはできない.

結論: 糖尿病患者では,計算能力が不十分でない患者が多い.糖尿病に関わる計算能力が低い場合,自己効力感が悪く,自己管理された行動が少なく,おそらく血糖コントロールも不十分である.

(翻訳:板東 浩)

English Abstract

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