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診療ガイドライン(Clinical Guidelines)
妊娠糖尿病のスクリーニング: 米国予防医療サービス専門作業部会に対する系統的レビュー
Screening for Gestational Diabetes Mellitus: A Systematic Review for the U.S. Preventive Services Task Force
Teresa A. Hillier, MD, MS; Kimberly K. Vesco, MD, MPH; Kathryn L. Pedula, MS; Tracy L. Beil, MS; Evelyn P. Whitlock, MD, MPH; and David J. Pettitt, MD
20 May 2008 | Volume 148 Issue 10 | Pages 766-775
背景: 2003年に米国予防医療サービス専門作業部会は,すべての妊娠女性に対して妊娠糖尿病の可能性をルーチンにスクリーニングすることを勧める,あるいは勧めないことに関するエビデンスはいずれも不十分であると結論づけた.

目的: 妊娠糖尿病のスクリーニングの利点および欠点に関するエビデンスをレビューすること.

情報源:  データベース(MEDLINE, Database of Abstracts of Reviews of Effects, Health Technology Assessment Database, National Institute for Health and Clinical Effectiveness, コクランライブラリー)を用いて,2000年1月から2007年11月15日の間に刊行された論文(さらに1966年から1999年の間の妊娠24週未満でのスクリーニングに関する研究),2003年のエビデンスレポートへの引用論文,専門家へのコンサルテーションや引用文献を検索した際に見出された研究などを検索した.

研究の選択: 英語論文であって,妊娠糖尿病に対しての標準的な1段階あるいは2段階の検査を行い,以下のアウトカムのうち少なくともひとつを評価対象にしている論文:新生児死亡率;腕神経叢障害;鎖骨骨折;低血糖による新生児ICUへの入室;高ビリルビン血症,呼吸窮迫症候群,母体死亡,子癇前症,妊娠高血圧.

データ抽出: 二人のレビュアーが1607論文抄録を評価し,288論文に関して批判的吟味を行い,13の研究を質的に統合した.

データ統合: 妊娠糖尿病のスクリーニングに関して,リスクと利点を直接評価したランダム化比較試験はなかった.ひとつの質の高い,ランダム化比較試験では,スクリーニングにより見出された軽症妊娠糖尿病患者に対して治療を行い,新生児の重篤な合併症が減少すること,また,妊娠糖尿病を治療することにより妊娠高血圧の発症リスクが減少することが示されていた.妊娠糖尿病の早期スクリーニング(妊娠24週以前)を評価しているごく限られたエビデンスが存在した.治療に伴う母体の著しい低血糖はまれであり,妊娠糖尿病に対する治療を受けている女性のQOLは無治療群に比べ劣るものではないことを,限られたエビデンスが示唆していた.

研究の限界: 妊娠糖尿病のスクリーニング法および診断に関して,一貫した基準がないため文献が限られていたこと.

結論: 妊娠糖尿病に対して,妊娠 24週以降の治療により母体および新生児のいくつかのアウトカムが改善することを示唆する限られたエビデンスがあった.妊娠24週以前の妊娠糖尿病スクリーニングに関するエビデンスはさらに乏しい.

(翻訳:石田文宏)

English Abstract

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