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(更新日 2008年1月28日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
15 January 2008 Volume 148 Issue 2
(監修:上野義之,総合監修:石橋大海)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
末梢動脈疾患を有する患者における短期の死亡率予測因子としての炎症および血栓症のバイオマーカー:コホート研究
Biomarkers of Inflammation and Thrombosis as Predictors of Near-Term Mortality in Patients with Peripheral Arterial Disease: A Cohort Study
Himabindu Vidula, Lu Tian, Kiang Liu, Michael H. Criqui, Luigi Ferrucci, William H. Pearce, Philip Greenland, David Green, Jin Tan, Daniel B. Garside, Jack Guralnik, Paul M Ridker, Nader Rifai, and Mary M. McDermott
血栓性および炎症性バイオマーカーの変化は,短期の心血管疾患イベントを予測できることが期待される.著者らは末梢動脈疾患患者377名のD-ダイマー,アミロイドA蛋白,CRPを3.4年にわたり毎年測定した.これらが高値であることは,測定後1-2年間で生じる全死亡および心血管死亡と関連していたが,測定後2年以降の死亡とは関連しなかった.これらの値が経過中に上昇すると,その後1-2年間は死亡のリスクの上昇がみられるがその以降は消失するという,同様のパターンがみられた.この観察結果は,より大きな規模の研究で確認される必要がある.
(翻訳:平和伸仁)
鎌状赤血球症を有する成人における日々の疼痛評価
Daily Assessment of Pain in Adults with Sickle Cell Disease
Wally R. Smith, Lynne T. Penberthy, Viktor E. Bovbjerg, Donna K. McClish, John D. Roberts, Bassam Dahman, Imoigele P. Aisiku, James L. Levenson, and Susan D. Roseff
鎌状赤血球症の重症度の指標として,診療所,救急部門,病院への受診頻度が用いられてきたが,疼痛発作とそれによる医療施設受診との関連は不明のままである.この研究では,232名の鎌状赤血球症患者に6ヵ月間毎日日記を付けてもらい,31,017患者・日の観察期間を得た.
患者の報告では,全患者・日のうち,疼痛は56%,クリーゼ(急性疼痛発作)は15%,医療機関受診は4%に認めた.患者は多くの場合,医療施設の助けを借りずに増強した疼痛に対処していたのである.
(翻訳:増田浩三)
高血圧の短期間での発症を予測するためのリスクスコア:フラミンガム心臓研究
A Risk Score for Predicting Near-Term Incidence of Hypertension: The Framingham Heart Study
Nisha I. Parikh, Michael J. Pencina, Thomas J. Wang, Emelia J. Benjamin, Katherine J. Lanier, Daniel Levy, Ralph B. D'Agostino, Sr, William B. Kannel, and Ramachandran S. Vasan
高血圧を起こす可能性の高い正常血圧成人を同定することは,非薬物的予防法を行う対象を絞ることの助けになる可能性がある.フラミンガムコホート研究のデータを用いて,研究者らは,4年以内に高血圧になる可能性の低い(10%)糖尿病のない正常血圧成人を同定する簡単なリスクスコアを考え出した.リスクスコアが他の集団に対しても同じような結果を示すならば,このスコアは臨床家が予防的介入によって利益を享受できるであろうハイリスクの患者を同定することに役立つかもしれない.
(翻訳:小出優史)
患者診療の質の改善(Improving Patient Care)
系統的レビュー:患者ケア実績のデータ公表がケアの質を改善することの証拠
Systematic Review: The Evidence That Publishing Patient Care Performance Data Improves Quality of Care
Constance H. Fung, Yee-Wei Lim, Soeren Mattke, Cheryl Damberg, and Paul G. Shekelle
ヘルスケアシステムの実績の公表は,患者に高い実績のあるシステムへ目を向けさせ,ケアの質改善プログラムに対するビジネスモデルを創出させる可能性がある.実績データの公表要求はケアの質改善プログラムと結びつくという最新の証拠が解析されている.ケアの質改善の努力やケアの質そのものについての公表の影響を評価した45編の査読された英文総説が発表されている.病院レベルでは,実績データを公表することがケアの質改善を促進するということは証明されたが,他の条件での結果,あるいは有効性,安全性,患者中心性への効果は不明確である.
(翻訳:道免和文)
最新情報(Updates)
緩和医療における最新情報
Update in Palliative Medicine
Nathan E. Goldstein and Daniel Fischberg
この緩和ケアにおける最新情報は,緩和ケア開業医にとって興味深い最近の原著7つを特集している.テーマには疼痛管理,疼痛以外の症状の管理,養護ホームにおけるケア,予後,そしてケアの質が含まれている.
(翻訳:石黒 洋)
総説(Reviews)
系統的レビュー:関節リウマチ薬物療法における疾患修飾薬の相対的な有効性と有害事象
Systematic Review: Comparative Effectiveness and Harms of Disease-Modifying Medications for Rheumatoid Arthritis
Katrina E. Donahue, Gerald Gartlehner, Daniel E. Jonas, Linda J. Lux, Patricia Thieda, Beth L. Jonas, Richard A. Hansen, Laura C. Morgan, and Kathleen N. Lohr
この系統的レビューは,関節リウマチ患者で,いかなる疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)がもっとも症状を軽減,機能を改善し,X線写真上の進行を抑制するか,決めようとするものである.異なる薬剤を直接比較した試験は,わずかしか確認されなかった.さらに合成DMARDsは相互に類似していた.抗腫瘍壊死因子製剤は,X線写真上で関節損傷程度を減らすことに関し,合成DMARDよりも効果があった.併用療法は,単剤療法で恩恵を得ていた患者において治療反応率と機能アウトカムを改善した.短期間での有害事象はDMARDs間で同様であった.
(翻訳:赤真秀人)
診療ガイドライン(Clinical Guidelines)
終末期の痛み,呼吸困難,およびうつの緩和ケアを改善するためのエビデンスに基づく診療:ACP診療ガイドライン
Evidence-Based Interventions to Improve the Palliative Care of Pain, Dyspnea, and Depression at the End of Life: A Clinical Practice Guideline from the American College of Physicians
Amir Qaseem, Vincenza Snow, Paul Shekelle, Donald E. Casey, Jr., J. Thomas Cross, Jr., Douglas K. Owens for the Clinical Efficacy Assessment Subcommittee of the American College of Physicians*
このACPガイドラインは終末期の緩和ケアの改善に有用なエビデンスを提示する.終末期医療に携わる全ての臨床医に向けてのものであり,終末期の重症者や慢性に症状を有する全ての患者群を対象としている.
(翻訳:前田正彦)
終末期における緩和ケア改善のためのエビデンス:系統的レビュー
Evidence for Improving Palliative Care at the End of Life: A Systematic Review
Karl A. Lorenz, Joanne Lynn, Sydney M. Dy, Lisa R. Shugarman, Anne Wilkinson, Richard A. Mularski, Sally C. Morton, Ronda G. Hughes, Lara K. Hilton, Margaret Maglione, Shannon L. Rhodes, Cony Rolon, Virginia C. Sun, and Paul G. Shekelle
この系統的なエビデンスのレビューは,米国内科学会の終末期における緩和ケアガイドラインを支持するものである.癌性疼痛の治療,慢性肺疾患による呼吸困難の治療,癌に伴う抑うつに対する様々な治療,また多方面からの介入による心不全の継続改善,ケアプランの策定,介護士の負担軽減は,中等度から強いエビデンスがある.癌に伴う呼吸困難のマネージメントと,癌患者の介護士の負担軽減のエビデンスは弱かった.
(翻訳:加藤哲朗)
論評(Editorials)
情報公開による影響について我々はどう考えるべきか?矛盾した実行が様々な結果を生む
What Can We Say about the Impact of Public Reporting? Inconsistent Execution Yields Variable Results
Judith H. Hibbard
この記事の中で,Frugらは質の向上,消費者の選択における影響の評価,質の改善のための努力,そして有効性の改善について情報公開制度の影響を調査した.調査結果によると病院機能(hospital performance)の情報公開制度は,病院が質の改善のために努力することを促し,消費者のヘルスプランの選択に中等度の影響を与えるようである.その他の潜在的な影響に対するエビデンスは,まちまちであった.この結果は情報公開を促すべきであるという論理を支持するものではないが,矛盾した実行が様々な結果をうむという社会通念と一致する.
(翻訳:吉井康裕)


関節リウマチの治療の効果の比較
Comparative Effectiveness of Treatments for Rheumatoid Arthritis
Jeffrey Siegel
臨床医は関節リウマチの患者のために,疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)の中から1つを選択したり,どのDMARDsを組み合わせるかを決めるために,最先端の包括的なエビデンスの要約が必要である.この記事の中で,Donahueらは系統的に文献を検討し,それぞれのDMARDsを単独または組み合わせて使用する時に付随する利益と有害事象を比較した.その結果はエビデンスに裏付けられ,臨床的にも役に立ち関節リウマチ患者の治療のための米国リウマチ学会のガイドラインと大まかには一致する.
(翻訳:吉井康裕)
患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
鎌状赤血球症患者における疼痛とヘルスケア受診
Pain and Health Care Visits in Patients with Sickle Cell Disease
(翻訳:廣井直樹)
終末期を迎えた重症患者の治療:米国内科学会の勧告
Treatment of Seriously Ill Patients Who Are Near the End of Life: Recommendations from the American College of Physicians
(翻訳:宮崎泰成)
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