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原著(ARTICLE)
高血圧の短期間での発症を予測するためのリスクスコア:フラミンガム心臓研究
A Risk Score for Predicting Near-Term Incidence of Hypertension: The Framingham Heart Study
Nisha I. Parikh, MD, MPH; Michael J. Pencina, PhD; Thomas J. Wang, MD; Emelia J. Benjamin, MD, ScM; Katherine J. Lanier, BS; Daniel Levy, MD; Ralph B. D'Agostino, Sr, PhD; William B. Kannel, MD; and Ramachandran S. Vasan, MD
15 January 2008 | Volume 148 Issue 2 | Pages 102-110
背景: 今までの研究で,高リスクの正常血圧者を対象として治療を行うと,高血圧発症を遅らせ結果として血管合併症を抑制できるかもしれないことが示唆されている.リスク評価は高血圧患者の管理にあたりコストのかからない方策であることが示唆される.

目的: 外来診療室で容易に得られる項目を用いて,高血圧の発症を予測する簡単なリスクスコアを作ること.

研究デザイン: 時間軸コホート研究

セッティング: フラミンガム心臓研究,マサチューセッツ州フラミンガムにて

患者: 1717名の高血圧のない白人で20から69歳まで(平均年齢42歳,女性が54%),糖尿病がなく,両親共にオリジナルのフラミンガム研究に登録されている者に対して5814人・診察を行った.

測定: スコアは1年,2年,4年後の新規発症高血圧の危険性を予測するように作られ,予測アルゴリズムの性能評価は較正や判別のための計測を用いることで評価した.親の高血圧は,もともとのフラミンガム心臓研究でのコホートでの調査で確認した.

結果: フォローアップの間(全体の人・診察期間は3.8年),796名(女性が52%)が新規に高血圧を発症した.多変量解析では,年齢,性,収縮期血圧と拡張期血圧,BMI,両親の高血圧歴,喫煙が有意な高血圧の予測因子であった.これらの因子に基づくリスクスコアによって,4年後に高血圧となるリスクは,34%の被検者が低い(5%未満),19%が中程度(5%〜10%),47%が高い(10%超)と,分類された.予測モデルのc統計は0.788であり,較正も非常に良かった.

研究の限界: リスクスコアの知見は,非白人や他民族もしくは糖尿病有病者には当てはめることができないかもしれない.リスクスコアを出すアルゴリズムは独立したコホートで今まで評価されていないし,血圧と危険因子の単回計測値に基づくものである.

結論: 高血圧予測リスクスコアは,短期間の経過観察において,高血圧発症のリスクを予測するのに使用することができ,高血圧前症にある高血圧発症のリスクの高い対象者の管理を容易にすることができる外来で簡単に使える手段である.

(翻訳:小出優史)

English Abstract

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