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患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
終末期を迎えた重症患者の治療:米国内科学会の勧告
Treatment of Seriously Ill Patients Who Are Near the End of Life: Recommendations from the American College of Physicians
15 January 2008 | Volume 148 Issue 2 | Page I-42
「患者さんへのまとめ」は ,患者さんが近代医学の複雑でしばしば迷わすような用語をよりよく理解することを助けるためにAnnals誌によって提供されるサービスです.

「患者さんへのまとめ」は情報を提供する目的だけのために提示されています.これらの「まとめ」はあなた自身のかかりつけ医からの助言の代わりとなるものではありません.もしあなたが,この題材について疑問を持ったり,あなた自身の健康あるいは状況についての医学的助言を必要とする場合は,あなたのかかりつけ医と連絡をとってください.「まとめ」は非営利的な教育目的のためだけに転載されても構いません.他の用途への使用については,米国内科学会(ACP)によって承認されなければなりません.

下記の「まとめ」は「終末期の痛み,呼吸困難,およびうつの緩和ケアを改善するためのエビデンスに基づく診療:ACP診療ガイドライン」および「終末期における緩和ケア改善のためのエビデンス:系統的レビュー」というタイトルの論文からのものです.
誰がこれらのガイドラインを策定しましたか?
米国内科学会(ACP)がこれらの勧告を策定しました.ACPのメンバーは,成人診療の専門家である内科医です.

何が問題であり,これまでにどのようなことが分かっていますか?
患者が人生の終わりに近づいたとき,医療のゴールはしばしば病気を治そうとすることよりも患者を楽にしてあげることが中心となります.このような医療は,緩和ケアとして知られています.緩和ケアでは重篤な患者の内科的,心理的,社会的,臨床的要求に直面することになります.緩和ケアは重要であるにもかかわらず,終末期の生活を改善する方法についての質の高い研究はありません.

ACPはこの勧告をどのようにして策定しましたか?
医師が死を目の前にした重症患者のケアを改善する方法を見つけるために,著者らは終末期緩和ケアに関する論文を検討しました.

著者らは何を見い出しましたか?
緩和および終末期ケアに関する質の高い情報は限られていました.さらに,今までの多くの研究は癌に注目したものでした.心疾患,肺疾患あるいは認知症と言った癌以外の病気が原因で人生の終末を迎えている患者には,癌患者の研究は必ずしも当てはまりません.緩和ケアに移る時期を予測することは困難です,治療に緩和ケアをどのように組み込むかをそのため個々の事例において医師と患者が決める必要があります.これまでの研究では癌性疼痛に対する抗炎症薬,麻薬,ビスフォスフォネー製剤の使い方を支持しています.これらの治療のいくつかは特別な患者に対してのみ有効です.例えば,放射線治療は癌による骨の痛みには非常に有効です.また麻薬と酸素は進行した肺疾患患者の多くの患者が経験する息切れによる不快感を軽減することを研究では示しています.抗うつ薬や心理療法は癌患者のうつ症状を改善します.強力な研究は得られませんでしたが,いくつかの最新の研究では重症患者が終末期の生活を改善するためには,さらにどのような医療を計画することが可能かを示しています.

ACPから,患者さんと医師が何をしたらいいか提案がありますか?

医師は,痛み,呼吸困難やうつで死に直面している患者を定期的に診察すべきです.

医師は,終末期を迎え痛みのある患者に痛みの治療を行うべきで,癌患者に関してはその処方に抗炎症薬,麻薬,ビスフォスフォネー製剤が含まれます.

医師は,呼吸困難があり進行した肺疾患の患者で終末期にある患者に対して麻薬や酸素などを処方すべきです.

医師は,終末期の患者にはうつの治療をすべきで,癌患者に関してはその処方に抗うつ薬や心理療法が含まれます.

深刻な疾患を抱えるすべての患者は,家族,友人および内科医と目標および今後直面する医学的な状況をどのように考えるかをよく話し合うべきです.

この勧告に関連する注意点は何ですか?
重症患者があとどれくらい生きることができるか予測するのは困難です.これらの治療のうちどれをどの時点で考慮するのか,またこれらのアプローチを他の治療とどのように調和を取っていくのかは定かでありません.新たな研究結果で,この勧告は変わることがあります.

(翻訳:宮崎泰成)

English Abstract

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