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患者診療の質の改善(Improving Patient Care)
系統的レビュー:患者ケア実績のデータ公表がケアの質を改善することの証拠
Systematic Review: The Evidence That Publishing Patient Care Performance Data Improves Quality of Care
Constance H. Fung, MD, MSHS; Yee-Wei Lim, MD, PhD; Soeren Mattke, MD, DSc; Cheryl Damberg, PhD; and Paul G. Shekelle, MD, PhD
15 January 2008 | Volume 148 Issue 2 | Pages 111-123
背景: 過去のレビューにおいてケアの質に関する公表された実績データは一貫性のあるものではない.以前の系統的レビューがなされて以来,この7年間に新たな研究が多数報告されている.

目的: 現在公表されているケアの質改善に関するエビデンスをつくる.

情報源: Web of Science,MEDLINE,EconLit,Wilson Business Periodicals (1999-2006),ならびに過去の系統的レビューの中で独自性の高いレビュー(1986年から1999年).英文論文のみが対象.

研究の選択: 施設の選択,ケアの質改善についての活動,臨床的効果(有効性,患者安全性,患者中心性),他の予期せぬ結果について実績の公表の効果を評価している査読論文を対象とした.

データ抽出: 研究参加者,公表システムやそのレベル,研究計画,公表施設の選抜,質改善における活動内容,結果,他の予期せぬ結果,を対象とした.

データ統合: ケアの質の公表による影響を評価した1986年以降に発表された45編の論文(このうち27編は1999年以降に発表されている)を対象とした.このうちのほとんどの論文では選抜された数少ない公表システムに焦点が置かれた.8編の健康プランレベルの研究で得られたデータ解析からは,公表とプランの選択との間でのわずかな相関が推測された.病院レベルでの11編の研究解析では,ケアの質改善活動による影響が認められている.9編の病院レベルのレビューと7編の個々の医療者レベルでの研究からは,公表は病院や個々の医療施設の選択との関連については一定のものがないことが示された.初期治療専門病院レベルでの11編の研究の解析からは,公表と改善効果との間には相関性がないことが示された.患者安全性と患者中心性に関しては,公表の影響度に関する証拠は不充分であった.

研究の限界: 不均一性の高い研究に跨った比較である.査読された英文論文のみを採用した.

結論: 証拠は乏しいものであった.特に個々の医療施設レベルや個人開業医に関しては,乏しい証拠に終わった.多くの主要な公表システムに対する厳密な評価を欠いていた.実績データを公表することが,病院レベルでの質改善活動を促進するということが示唆された.有効性,安全性,患者中心性に対する公表の効果は不明確である.

(翻訳:道免和文)

English Abstract

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