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総説(Review)
系統的レビュー:関節リウマチ薬物療法における疾患修飾薬の相対的な有効性と有害事象
Systematic Review: Comparative Effectiveness and Harms of Disease-Modifying Medications for Rheumatoid Arthritis
Katrina E. Donahue, MD, MPH; Gerald Gartlehner, MD, MPH; Daniel E. Jonas, MD, MPH; Linda J. Lux, MPA; Patricia Thieda, MA; Beth L. Jonas, MD; Richard A. Hansen, PhD; Laura C. Morgan, MA; and Kathleen N. Lohr, PhD
15 January 2008 | Volume 148 Issue 2 | Pages 124-134
背景: 関節リウマチ薬物治療における相対的な有用性は定まっていない.

目的: 成人の関節リウマチにおける疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)間の利益と有害事象を比較する.

情報源: 資料は英語で記載された成人患者試験に限り,1980年から2007年9月に至るMEDLINE,EMBASE,コクランライブラリーと米国病院薬剤師会が提供する薬学領域の抄録誌(IPA)を用いた.

研究の選択: 少なくとも100名が参加し12週間追跡されていた適切な直接比較試験と前向きコホート試験,さらに11の薬剤療法の利益と有害事象を比較した,質が良または可と判定される妥当なメタ解析を,2名が独立して選択した.害については後向きコホート試験も含めた.

データ抽出: 試験デザイン,介入,アウトカム,質に関する情報は標準プロトコルに従って抽出された.

データ統合: 23の直接比較試験は,主に合成DMARDsについて吟味したものだったが,合成DMARDs(メトトレキサート,レフルノミド,スルファサラジン)間や抗腫瘍壊死因子製剤(アダリムマブ,エタネルセプト,インフリキシマブ)間で効果に関し臨床的に価値のある差異を示さなかった.抗腫瘍壊死因子製剤による単剤療法は,メトトレキサート治療よりもX線写真上でのアウトカムは良かったが,臨床的アウトカム(たとえば米国リウマチ学会反応判定基準における20%,50%,70%改善)についておおきな差を認めなかった.様々な生物学的DMARDsにメトトレキサートを加えた併用療法は,メトトレキサートまたは生物学的DMARDsの単剤療法よりも臨床反応率と機能アウトカムを改善した.単剤療法が有効でない患者では,合成DMARDs併用療法が反応率を改善した.短期間における有害事象の数と種類は生物学的DMARDsと合成DMARDsとで同様であった.稀だが重篤な生物学的DMARDsの有害事象の差異を結論付けるにはエビデンスが不十分であった.

研究の限界: 大多数の試験は,ほぼ合併症を有しない選ばれた集団で実施され,短期間の効果を検討したものであった.

結論: 入手可能な比較に基づいたエビデンスは限定されたもので,成人関節リウマチで何か一つの単剤療法が他より優れていることを支持していない.単剤療法に失敗した患者で併用療法がより効果的だが,何かしらの併用療法とか治療戦略が他のものより勝っているのか,早期関節リウマチにおける最良の治療法であるのか否かに関し,確固たる結論を下すにはエビデンスが不足している.

(翻訳:赤真秀人)

English Abstract

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