Journals

(更新日 2008年3月31日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
18 March 2008 Volume 148 Issue 6
(監修:安藤聡一郎,総合監修:川村光信)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
三つの関連病院におけるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌の拡大保菌調査
Universal Surveillance for Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus in 3 Affiliated Hospitals
Ari Robicsek, Jennifer L. Beaumont, Suzanne M. Paule, Donna M. Hacek, Richard B. Thomson, Jr., Karen L. Kaul, Peggy King, and Lance R. Peterson
これまで行われてきたメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症の頻度を減少させるための努力は失敗に終わってきた.Robicsekと同僚らは,ある基点となる1年間の後,集中治療室へのすべての入院患者について,MRSAの保菌を1年間調査し,次の1年間はすべての入院患者に対して調査を行った.そしてすべてのMRSA陽性患者に対して,接触感染予防策を実施した.臨床的なMRSA感染症の発生頻度は,基点となる1年目,2年目,3年目それぞれにおいて10,000患者・日あたり8.9,7.4,3.9人であった.すべての入院に際してのスクリーニング実施は,MRSA感染症の減少につながる.
(翻訳:小池竜司)
ポリペクトミー後の大腸内視鏡サーベイランスに関するガイドライン:4年経過後の進行腺腫発症の予測精度
Postpolypectomy Colonoscopy Surveillance Guidelines: Predictive Accuracy for Advanced Adenoma at 4 Years
Adeyinka O. Laiyemo, Gwen Murphy, Paul S. Albert, Leah B. Sansbury, Zhuoqiao Wang, Amanda J. Cross, Pamela M. Marcus, Bette Caan, James R. Marshall, Peter Lance, Electra D. Paskett, Joel Weissfeld, Martha L. Slattery, Randall Burt, Frank Iber, Moshe Shike, J. Walter Kikendall, Elaine Lanza, and Arthur Schatzkin
大腸ポリープ内視鏡切除後の内視鏡サーベイランスに関するガイドラインは, 初回に進行腺腫の認められた場合には, より頻回のサーベイランスを勧めている. Laiyemoと同僚らは, 初回の内視鏡時に腺腫を認めた1,905人の患者を検討した. 各々の患者は, 1年後と4年後にフォローアップの内視鏡検査を受けた. 全体としては, 4年後に, 6.6%が進行腺腫―癌への高いリスクを有すると考えられる―を発症した. 進行腺腫の発症頻度は, 初回検査で高リスク腺腫を有した患者および, 低リスク腺腫を有した患者でそれぞれ 9%, 5%であった. 腺腫の性状は, 進行腺腫の再発を予測するための信頼すべき指標にはならない.
(翻訳:伊熊睦博)
米国における認知症には至っていない認知機能障害の有病率
Prevalence of Cognitive Impairment without Dementia in the United States
Brenda L. Plassman, Kenneth M. Langa, Gwenith G. Fisher, Steven G. Heeringa, David R. Weir, Mary Beth Ofstedal, James R. Burke, Michael D. Hurd, Guy G. Potter, Willard L. Rodgers, David C. Steffens, John J. McArdle, Robert J. Willis, and Robert B. Wallace
高齢者における軽症認知機能障害の頻度はどの程度なのであろうか?Plassmanとその同僚らは「米国の健康と退職に関するパネル調査」(the national Health and Retirement Study)の対象者から抽出した71歳以上の成人856名のうち,22%が認知症の診断に至らない認知機能障害を有することを見いだした.認知症には至っていない認知機能障害患者のうち年間約8%が死亡し,約12%が認知症に進行した.軽症認知機能障害と認知症を鑑別する診断基準は不完全ではあるが,認知症には至っていない認知機能障害は高齢者人口の多くを侵していると思われる.
(翻訳:紺谷 真)
総説(Reviews)
系統的レビュー:臨床的に限局した前立腺癌における各種治療法の有効性と有害性の比較検討
Systematic Review: Comparative Effectiveness and Harms of Treatments for Clinically Localized Prostate Cancer
Timothy J. Wilt, Roderick MacDonald, Indulis Rutks, Tatyana A. Shamliyan, Brent C. Taylor, and Robert L. Kane
限局した前立腺癌の治療計画の利益と損失を理解するのは困難である.なぜならエビデンスおよび治療そのものの欠点の為である.この18の無作為試験と473の観察研究の系統的レビューでは,どの治療法が他の治療法に比べ優れているかについて質の高いエビデンスを見いだすことは出来なかった.どの治療法も様々な程度の尿路,消化器,性機能障害をひきおこした.
(翻訳:秋山真一郎)
米国国立公衆衛生院会議(NIH Conferences)
米国国立公衆衛生院 科学的現状の会議声明:成人における便失禁・尿失禁の予防
National Institutes of Health State-of-the-Science Conference Statement: Prevention of Fecal and Urinary Incontinence in Adults
C. Seth Landefeld, Barbara J. Bowers, Andrew D. Feld, Katherine E. Hartmann, Eileen Hoffman, Melvin J. Ingber, Joseph T. King, Jr., W. Scott McDougal, Heidi Nelson, Endel John Orav, Michael Pignone, Lisa H. Richardson, Robert M. Rohrbaugh, Hilary C. Siebens, and Bruce J. Trock
便失禁,尿失禁がもたらす影響はその身体的徴候よりもはるかに深刻な結果をもたらす.便・尿失禁により生ずる苦痛や経済的負担を減らすような仕事を促進するために,米国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所と,米国国立公衆衛生院の研究医学適応局では,入手可能な科学的エビデンスを評価するため科学的現状の会議を召集した.この記事はそのエビデンスに関する主要な質問に答えている.
(翻訳:石田真実子)


系統的レビュー: 女性の尿失禁に対する手術以外の治療に関する無作為化比較試験
Systematic Review: Randomized, Controlled Trials of Nonsurgical Treatments for Urinary Incontinence in Women
Tatyana A. Shamliyan, Robert L. Kane, Jean Wyman, and Timothy J. Wilt
Shamliyanと同僚らは,女性の尿失禁の管理についてのエビデンスを統合した.96の無作為化比較試験と3つの系統的レビューから,彼らが見出したのは,骨盤底筋訓練と膀胱訓練により尿失禁を消失し得るということである.抗コリン作用薬は,尿失禁を消失させ得る.抗コリン作用薬の中でも,オキシブチニン(商品名:ポラキスなど)とトルテロジン(商品名:デトルシトール)は同様の作用を有する.一方,デュロキセチン(日本未発売)は尿失禁の症状を改善するが,消失させるには至らなかった.電気刺激療法や医療器具の使用,充填剤の注入,局所エストロゲン治療に関するエビデンスには一貫性がなかった.
(翻訳:澤木秀明)
論評(Editorials)
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対する予防の世界を広げる
Expanding the Universe of Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus Prevention
Ebbing Lautenbach
この論文でRobicsekと同僚らは,新しく病院へ入院した患者に対する一般的なMRSAスクリーニングプログラムの効果を記述している.その介入は,病院関連MRSA感染症を,印象深いことに,病院全体で70%減少させることにつながった.その研究は,病院入院後のMRSA感染症をゼロにするという最高のゴールを目指す重要なステップであるが,それはまさにワンステップにすぎない.複雑なMRSA予防の世界において,私たちが進むべき方向を指し示してくれるようなより良いエビデンスが必要である.
(翻訳:井田弘明)


ポリペクトミー後のサーベイランスの間隔についてのガイドライン:エビデンスを活用して
Guidelines for Surveillance Intervals after Polypectomy: Coping with the Evidence
Thomas F. Imperiale and Harold C. Sox
この論文で,Laiyemoと同僚らは,ポリープ予防試験から得られたデータを利用して,再発性進行大腸腺腫発見のためのサーベイランス大腸内視鏡の施行時期を決定する上で,最初の大腸内視鏡の所見を利用する現行の臨床ガイドラインの臨床的有用性を評価している.著者らは,確かにより良いガイドラインのための有望なヒントを提示している.しかしながら,鍵となる質問:進行腺腫再発の確率がどの程度の低さであり,よって,大腸内視鏡の再検をするまでに数年待つのを正当化できるのか,には答えていない.
(翻訳:山内高広)


今日の臨床的課題(Current Clinical Issues)
マサチューセッツ州におけるヘルスケア改革は先進的な試みではあるが,問題点は残存している
Massachusetts Health Care Reform Is a Pioneer Effort, but Complications Remain
Jennifer Fisher Wilson
(翻訳:岩瀬三紀)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
系列三病院におけるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌の拡大保菌調査
Universal Surveillance for Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus in 3 Affiliated Hospitals
(翻訳:荒金尚子)
高齢者における認知症には至っていない認知機能障害
Cognitive Impairment without Dementia in Older Adults
(翻訳:小河秀郎)
Annals Home Page

▲このページのTOPへ