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(更新日 2008年4月14日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
1 April 2008 Volume 148 Issue 7
(監修:郷間 巌,総合監修:宇野久光)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
2003年から2005年に米国で子宮頸癌スクリーニングを受けた女性におけるヒトパピローマウイルス感染と子宮頸部細胞診
Human Papillomavirus Infection and Cervical Cytology in Women Screened for Cervical Cancer in the United States, 2003-2005
S. Deblina Datta, Laura A. Koutsky, Sylvie Ratelle, Elizabeth R. Unger, Judith Shlay, Tracie McClain, Beth Weaver, Peter Kerndt, Jonathan Zenilman, Michael Hagensee, Cristen J. Suhr, and Hillard Weinstock
子宮頸癌スクリーニングの中には,パパニコロー(パップ)検査結果が異常であった場合のみヒトパピローマウイルス(HPV)検査を行うものと,両方の検査をルーチンに行い,いずれかの検査が異常であった場合に再検査を行うものがある.Dattaと同僚らは,所定の子宮頸癌スクリーニングを受けた9,657人の米国女性に両方の検査を行った.驚くべきことに,パップ検査が正常であった30歳以上の女性の9%が,ハイリスクのHPVに感染していた.この結果は,この群においては,HPV検査と子宮頸部細胞診をルーチンに同時に行うことを支持している.
(翻訳:石黒 洋)
腎機能の違いと高血圧の発症:動脈硬化の多民族研究
Differences in Kidney Function and Incident Hypertension: The Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis
Bryan Kestenbaum, Kyle D. Rudser, Ian H. de Boer, Carmen A. Peralta, Linda F. Fried, Michael G. Shlipak, Walter Palmas, Catherine Stehman-Breen, and David S. Siscovick
Kestenbaumと協同研究者らは血清シスタチンCレベルおよび尿中アルブミン排泄量で測定した早期の腎機能の障害が,臨床的に腎臓病や心血管病を有しない成人の高血圧発症に先行するとの仮説を検証した.中央値3.1年のフォローアップの期間に,45歳〜84歳の成人2,767人のうち,545例(19.7%)が高血圧を発症した.スポット尿のアルブミン/クレアチニン比の基礎レベルではなく,シスタチンCの基礎レベルが他の危険因子と独立して高血圧の高い発症率に関連していた.これらの人口集団を基盤とした知見は早期の腎臓障害が本態性高血圧の病因に関係しているとの実験的研究を補うものである.
(翻訳:佐々木徹)
誤嚥に対する2つの介入による肺炎発生率の比較:無作為化試験
Comparison of 2 Interventions for Liquid Aspiration on Pneumonia Incidence: A Randomized Trial
JoAnne Robbins, Gary Gensler, Jacqueline Hind, Jeri A. Logemann, Anne S. Lindblad, Diane Brandt, Herbert Baum, David Lilienfeld, Steven Kosek, Donna Lundy, Karen Dikeman, Marta Kazandjian, Gary D. Gramigna, Susan McGarvey-Toler, and Patricia J. Miller Gardner
認知障害のある高齢患者の誤嚥性肺炎を回避するための戦略を検証するために,Robbinsと同僚らは,認知症あるいはパーキンソン病を有する50歳以上の515名の患者を,顎を下げた姿勢で液体を飲む群,ネクター(果汁)の濃さの液体を飲む群,蜂蜜の濃さの液体を飲む群に無作為に割り付けた.3か月間での肺炎累積発現率は,顎を下げて飲む群で9.8%,ネクターの濃さの液体を飲む群で8.4%,蜂蜜の濃さの液体を飲む群で15.0%であった.これらの率のグループ間での差の信頼限界は幅広く,この研究は結論に達しなかった.
(翻訳:櫻井政寿)
医学と臨床(Academia and Clinic)
治療ネットワークの幾何学を探査する
Exploring the Geometry of Treatment Networks
Georgia Salanti, Fotini K. Kavvoura, and John P.A. Ioannidis
いくつかの治療方法からどれが最も効果的かを評価する時,どの治療がすでに比較され,どの治療がプラセボと比べられたかを知ることが重要である.著者らはこの関係を幾何学的に表した.これらのネットワークは,どの治療方法が直接1対1で比較されていないかを,図を用いて示している.幾何学的に示された治療比較のネットワークは,将来の治療評価研究の方向性を明らかにするのに役立つ可能性がある.
(翻訳:山前正臣)


総説(Reviews)
系統的レビュー:癌化学療法中のB型肝炎再活性化に対するラミブジン予防的治療の効果
Systematic Review: The Effect of Preventive Lamivudine on Hepatitis B Reactivation during Chemotherapy
Rohit Loomba, Ayana Rowley, Robert Wesley, T. Jake Liang, Jay H. Hoofnagle, Frank Pucino, and Gyorgy Csako
癌化学療法は不顕性B型肝炎ウイルス(HBV)感染を活性化する可能性がある.著者らはラミブジンの予防的治療が,癌化学療法によるHBV関連罹患率・死亡率を抑制するかどうかについて検討した.レビューしたのは275例のラミブジン予防治療群と475例の対照群からなる14の臨床研究(無作為化試験2件,観察的研究12件)である.ラミブジン予防治療群ではHBV再活性化率の著明な抑制効果が認められた.ラミブジン予防治療群でHBV関連肝不全を発症した患者は無かったが,4例のHBV関連死亡があった.ラミブジンは忍容性が良好であり,副作用がない様であった.
(翻訳:高田 徹)
展望(Perspectives)
慢性疾患としてのタバコ依存症の治療例
The Case for Treating Tobacco Dependence as a Chronic Disease
Michael B. Steinberg, Amy C. Schmelzer, Donna L. Richardson, and Jonathan Foulds
著者らは,タバコ依存症とは,治療に成功するまでは必要な期間だけ有効な治療を施行すべきひとつの慢性疾患である,と強く主張している.タバコ依存症治療の最適な期間は知られていない,また,一部の喫煙者は,禁煙できるまでに治療コースを延長しなければならないことがある.それゆえに臨床医は長期間の禁煙治療を推奨しなければならないし,保険会社は治療延長分の費用も支払うべきである.
(翻訳:山前正臣)


診療ガイドライン(Clinical Guidelines)
スパイロメトリーを用いて,慢性閉塞性肺疾患をスクリーニングすること:米国予防医療サービス専門作業部会の勧告文
Screening for Chronic Obstructive Pulmonary Disease Using Spirometry: U.S. Preventive Services Task Force Recommendation Statement
U.S. Preventive Services Task Force
米国予防医療サービス専門作業部会(USPSTF)は,健常成人が,COPDか否かをスパイロメトリーを用いてスクリーニングする上で,利益(1回以上の急性増悪予防と呼吸に関する健康指標の改善)と実害(患者および健康管理システムの両者に時間と労苦を必要とすること,スクリーニングテストの偽陽性,不必要な治療による副作用)を丹念に検討した.米国予防医療サービス専門作業部会(USPSTF)は,健常成人のCOPDのスクリーニングにスパイロメトリーを用いるべきではないと提言している.
(翻訳:北口聡一)
スパイロメトリーを用いた慢性閉塞性肺疾患のスクリーニング:米国予防医療サービス専門作業部会のためのエビデンスのまとめ
Screening for Chronic Obstructive Pulmonary Disease Using Spirometry: Summary of the Evidence for the U.S. Preventive Services Task Force
Kenneth Lin, Bradley Watkins, Tamara Johnson, Joy Anne Rodriguez, and Mary B. Barton
今号の米国予防医療サービス専門作業部会(USPSTF)の勧告を支持するために,Linと同僚らはスパイロメトリーを用いたCOPDのスクリーニングに関するエビデンスをレビューした.スパイロメトリーがそれだけで禁煙率を改善することは示されず,また1回のCOPDの急性増悪を遅らせるために,何百人もの患者にスパイロメトリーを行うことが必要になる.スクリーニングにより起こりうる害としては,結果が偽陽性になりうることと,そのために不必要な治療がなされて副作用が発生しうることなどが含まれる.
(翻訳:増田浩三)
論評(Editorials)
子宮頸癌のスクリーニングにおいて, 細胞診にヒトパピローマウイルステストの追加: まず矢を射てから論ずる
Adding Human Papillomavirus Testing to Cytology for Primary Cervical Cancer Screening: Shooting First and Asking Questions Later
George F. Sawaya
子宮頸癌のスクリーニングに, 女性は, ヒトパピローマウイルス(HPV)テストと細胞診を同時に受ける必要があるのだろうか? Dattaと同僚らは, 30歳以上の女性の9%は, HPVに陽性だが細胞診は正常であることを, 本号にて報告している. HPVテスト陽性ということで, 細胞診で正常な所見を有する女性に対する対応を, 我々は変えなければならないのであろうか? この点に関して, 我々は, このような範疇に入る成人女性に関してはエビデンスに基づく監視の戦略を欠いている. 細胞診のみで得られる有益性に加えてHPVテストと併用することによって得られる可能性のある有益性と, スクリーニング戦略に伴う不確実要素を患者本人と相談した後においてのみ, 臨床医はHPVテストと細胞診の両方を選択するべきである.
(翻訳:市堰 肇)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
子宮頸がんスクリーニング時のパップスメアとヒトパピローマウイルス検査の結果
Results of Pap Smears and Human Papillomavirus Tests during Cervical Cancer Screening
(翻訳:石塚尋朗)
濃厚飲料や顎を引いた姿勢は誤嚥を防ぐことができるか
Can Thickened Liquids or Chin-Down Posture Prevent Aspiration?
(翻訳:吉田 博)
慢性閉塞性肺疾患のスクリーニング:米国予防医療サービス専門作業部会の勧告
Screening for Chronic Obstructive Pulmonary Disease: U.S. Preventive Services Task Force Recommendations
(翻訳:植田秀樹)
クリニックにて(In the Clinic)
認知症
Dementia
本号では認知症の臨床について, 予防, 診断, 治療, 診療の進歩, 患者情報に焦点をあてて概説している.
(翻訳:市堰 肇)
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