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患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
子宮頸がんスクリーニング時のパップスメアとヒトパピローマウイルス検査の結果
Results of Pap Smears and Human Papillomavirus Tests during Cervical Cancer Screening
1 April 2008 | Volume 148 Issue 7 | Page I-32
「患者さんへのまとめ」は ,患者さんが近代医学の複雑でしばしば迷わすような用語をよりよく理解することを助けるためにAnnals誌によって提供されるサービスです.

「患者さんへのまとめ」は情報を提供する目的だけのために提示されています.これらの「まとめ」はあなた自身のかかりつけ医からの助言の代わりとなるものではありません.もしあなたが,この題材について疑問を持ったり,あなた自身の健康あるいは状況についての医学的助言を必要とする場合は,あなたのかかりつけ医と連絡をとってください.「まとめ」は非営利的な教育目的のためだけに転載されても構いません.他の用途への使用については,米国内科学会(ACP)によって承認されなければなりません.

下記の「まとめ」は「2003年から2005年に米国で子宮頸癌スクリーニングを受けた女性におけるヒトパピローマウイルス感染と子宮頸部細胞診」というタイトルの論文からのものです.
何が問題であり,これまでにどのようなことが分かっていますか?
子宮頸がんは子宮頸部(子宮の下部)のがんです.ヒトパピローマウイルス(HPV)感染は女性の子宮頸がんになる機会を増やします(子宮頸がんの危険性を増加させます).HPVに感染している人と無防備の性交渉をもつことで人々はHPVに感染します.

パパニコロー(パップ)塗抹標本は子宮頸がんのスクリーニングに使われます.『がんのスクリーニング』とは症状が出る前にがんを探すことを意味します.パップスメアを行うために,医師は顕微鏡下で検査する細胞を子宮頸部から採取するために膣の内診時に綿棒を使います.もし異常な細胞が見つけられると,その女性は『コルポスコピー』と呼ばれる特殊な検査を施行されます.コルポスコピーで医師は子宮頸部を拡大して観察し,がんをみつけるために異常な部位からより大きいサンプルを採取します.

1〜3年毎にパップ塗抹標本検査受けることで,早期の,治療可能な子宮頸がんをみつけ,子宮頸がんを予防します.また,HPVの検査も可能ですが,子宮頸がんスクリーニングでHPV検査とパップスメア検査を組み合わせるための最良の方法を私たちはまだ知りません.一部の医師たちは,パップ塗抹標本検査ではっきりがん細胞であるといえない異常な細胞を認めるときにのみ,HPV検査を施行します.他のプログラムでは30歳以上の女性全員に両方の検査を施行しています.子宮頸がんスクリーニングを受けた女性でのHPV陽性率に関する情報がもっと集まると,異なったスクリーニング方法の良い点と悪い点を知る手助けになるでしょう.

この研究の目的は何ですか?
子宮頸がんのスクリーニングを受けた女性でのHPV感染の頻度について知ること.

どのような人たちが試験の対象になっていますか?
2003年から2005年にわたって米国6都市,26か所のクリニックのうちの1か所で子宮頸がんスクリーニングを受けた14歳から65歳の女性,9,657名.

どのような研究がおこなわれましたか?
すべての対象女性がパップスメア検査とHPV検査を受けました.それから研究者らは種々のパップ塗抹標本検査結果を示した女性でのHPV陽性率を調査しました.彼らはまた,年齢といった,患者さんの他の因子も考慮にいれました.

この研究からどのような結論が出ましたか?
検査を受けた23%の女性がHPV陽性でした.若い女性のほうが年とった女性より陽性率が高いようでした.パップ塗抹標本検査ではっきりがん細胞であるとはいえない異常な細胞がみられた30歳以下の女性の半数以上はHPVに感染していました.30歳およびそれ以上の年齢の女性のおよそ9%は,パップ塗抹標本検査では正常だったにもかかわらずHPVに感染していました.

この研究にはどのような限界がありますか?
今回の研究の対象になった女性集団は,他のタイプのクリニックあるいは他の場所にあるクリニックでみられる女性集団とは異なるかもしれません.

この研究の意義はどのようなものでしょうか?
今回の情報は種々のスクリーニング方法の良い点,悪い点を考える手助けになるでしょう.たとえば,たとえパップ塗抹標本が正常であっても,HPV検査陽性の30歳あるいはそれ以上の年齢の女性にコルポスコピーを推奨するのであれば,そのスクリーニングプログラムでは,多くの女性にコルポスコピーが必要となることを当然予期するべきです.

(翻訳:石塚尋朗)

English Abstract

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