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患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
慢性閉塞性肺疾患のスクリーニング:米国予防医療サービス専門作業部会の勧告
Screening for Chronic Obstructive Pulmonary Disease: U.S. Preventive Services Task Force Recommendations
1 April 2008 | Volume 148 Issue 7 | Page I-46
「患者さんへのまとめ」は ,患者さんが近代医学の複雑でしばしば迷わすような用語をよりよく理解することを助けるためにAnnals誌によって提供されるサービスです.

「患者さんへのまとめ」は情報を提供する目的だけのために提示されています.これらの「まとめ」はあなた自身のかかりつけ医からの助言の代わりとなるものではありません.もしあなたが,この題材について疑問を持ったり,あなた自身の健康あるいは状況についての医学的助言を必要とする場合は,あなたのかかりつけ医と連絡をとってください.「まとめ」は非営利的な教育目的のためだけに転載されても構いません.他の用途への使用については,米国内科学会(ACP)によって承認されなければなりません.

下記の「まとめ」は「スパイロメトリーを用いて,慢性閉塞性肺疾患をスクリーニングすること:米国予防医療サービス専門作業部会の勧告文」と「スパイロメトリーを用いた慢性閉塞性肺疾患のスクリーニング:米国予防医療サービス専門作業部会のためのエビデンスのまとめ」というタイトルの論文からのものです.
誰がこのガイドラインを策定しましたか?
米国予防医療サービス専門作業部会は,予防ヘルスケアに関する研究報告をレビューしたり勧告を作成したりするヘルスエキスパートの集団です.

何が問題であり,これまでにどのようなことが分かっていますか?
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は,肺および肺に空気を送る呼吸の管(気道)の疾患であります.この疾患は一般に紙巻きタバコの喫煙者におこります.COPDの患者は咳や息切れがあります.肺への傷害や症状は時間をかけて徐々に悪化します.医師はCOPDに対して気道を拡張させたり膨張を減らしたりする薬剤で治療をします.酸素療法は一部のCOPD患者に役立ちます.呼吸器リハビリテーションは,患者教育や運動を兼ね備えたもう1つのCOPDの治療法です.

スパイロメトリーはFEV1(1秒量,1秒当り努力性呼気量)の測定によりCOPDの診断に用いる呼吸テストであり,その1秒当たりの呼吸量は同一年齢および体格の健常人の量と比較されます.1秒率60%の場合,同一年齢および体格の典型的な健常人の約60%の1秒当りの呼気量を示します.スパイロメトリーは時々本人も気づいていない潜在するCOPD患者を見つけることができます.この理由により日常的な予防ヘルスケアの一部として,医師がスパイロメトリーを推奨しているか関心を持つ方もおられます.

米国予防医療サービス専門作業部会はこの勧告をどのようにして策定しましたか?
著者らはスパイロメトリーがCOPDの症状のない方を検査するのに使用されていることの功罪に関する研究のレビューをしました.スパイロメトリーの利点にはCOPDの発症を予防することが含まれます.またスパイロメトリーの異常値は,喫煙者を禁煙させる気にさせるかもしれません.短所として,決して発症しないかもしれない人に,COPDとの診断をつけてしまったり,COPD治療の副作用にさらしてしまったりすることがあります.

著者らは何を見い出しましたか?
スパイロメトリーは呼吸器症状のある患者でCOPDと診断するのに役立つが,症状のない患者には役立たないという有用な研究結果が示されています.スパイロメトリーは治療の選択や喫煙者の禁煙に役立つというエビデンスはほとんどありません.

米国予防医療サービス専門作業部会から,患者さんと医師が何をしたらいいか提案がありますか?
症状のない成人はCOPDのスクリーニングにスパイロメトリー検査を機械的に受けるべきではありません.

この勧告に関する注意点は何ですか?
これらの勧告はCOPDが原因であるかもしれない咳や息切れを有する人々には適用しません.新たな研究結果で,この勧告は変わることがあります.

(翻訳:植田秀樹)

English Abstract

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