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診療ガイドライン(Clinical Guidelines)
スパイロメトリーを用いた慢性閉塞性肺疾患のスクリーニング:米国予防医療サービス専門作業部会のためのエビデンスのまとめ
Screening for Chronic Obstructive Pulmonary Disease Using Spirometry: Summary of the Evidence for the U.S. Preventive Services Task Force
Kenneth Lin, MD; Bradley Watkins, MD; Tamara Johnson, MD, MS; Joy Anne Rodriguez, MD, MPH; and Mary B. Barton, MD, MPP
1 April 2008 | Volume 148 Issue 7 | Pages 535-543
背景: 慢性閉塞性肺疾患(COPD)は米国における死亡原因の第4位を占めている.COPDの診断を受けた推定2400万人のアメリカ人の中で,気流閉塞を有するものは半分以下である.また疾患の病期が進行してはじめて診断がなされることもしばしばある.

目的: 米国予防医療サービス専門作業部会(USPSTF) のために,スパイロメトリーを用いたCOPDのスクリーニングに関するエビデンスをまとめること.

情報源: 2007年1月までにPubMedとコクランライブラリーで確認された英語論文,最近の系統的レビュー,専門家の提言,および検索された論文の参考文献リスト.

研究の選択: スクリーニングの利点と害に関する8個の鍵となる質問のひとつひとつに対して,明確な選定基準および除外基準が用いられた.適格となる研究のタイプは質問によってさまざまであった.

データ抽出: 研究はレビューされ,要約され,あらかじめ定義されたUSPSTFの基準を用いてその質を評価された.

データ統合: COPDの薬物治療は重症患者の急性増悪を減少させるが,重症のCOPDは一般の米国人口においてはそれほど多くはない.スパイロメトリーは,それだけで禁煙率を上昇させることは示されなかった.スクリーニングにより起こりうる害としては,結果が偽陽性になりうることと,そのために不必要な治療がなされて副作用が発生しうることなどが含まれる.米国人口における気流閉塞の有病率に関するデータが,年齢と喫煙状況によって定義された,スクリーニング群で推定されるアウトカムを計算するために使用された.

研究の限界: COPDのスクリーニングに伴う健康アウトカムについての直接的なエビデンスを示す研究はない.

結論: スパイロメトリーを用いたCOPDのスクリーニングは,軽度から中等度の気流閉塞を有する患者が多いということは確認できるようであるが,これらの患者では,もしCOPDと診断されても健康上の利益が得られることはなさそうである.1回の急性増悪を遅らせるために,何百人もの患者にスパイロメトリーを行うことが必要になるだろう.

(翻訳:増田浩三)

English Abstract

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