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総説(Review)
系統的レビュー:癌化学療法中のB型肝炎再活性化に対するラミブジン予防的治療の効果
Systematic Review: The Effect of Preventive Lamivudine on Hepatitis B Reactivation during Chemotherapy
Rohit Loomba, MBBS, MHSc; Ayana Rowley, PharmD; Robert Wesley, PhD; T. Jake Liang, MD; Jay H. Hoofnagle, MD; Frank Pucino, PharmD; and Gyorgy Csako, MD
1 April 2008 | Volume 148 Issue 7 | Pages 519-528
背景: ラミブジンは癌化学療法を施行中のB型肝炎表面抗原(HBs抗原)陽性患者でB型肝炎再活性化の予防に使用されることが多くなっている.

目的: ラミブジンの予防投与が,HBs抗原検査陽性癌患者において癌化学療法により引き起こされるB型肝炎ウイルス(HBV)関連罹患率・死亡率を抑制するかどうかを決定する.

情報源: 2007年6月までのMEDLINE, Ovid MEDLINE, TOXNET, Scopus, Web of Science, Cochrane Central Register of Controlled Trialを全言語で検索した.

研究の選択: HBs抗原陽性で癌化学療法を施行中の患者におけるHBV再活性化の予防効果をラミブジン投与群と対照群で比較した臨床試験およびコホート研究.その他の必要条件としてサンプル数が1治療群あたり5例以上あり,HBV関連罹患率・死亡率が報告されていること.

データ抽出: 2名の研究者が別個に文献検索とデータ抽出を行い,他の2名の研究者が別個に研究の適格性とデータ検索を確認した.

データ統合: 14件の研究 (無作為化試験2件,前向きコホート研究8件,後ろ向きコホート研究4件)が所定の選択基準に合致した.ラミブジン予防治療群275例,対照群475例で主要エンドポイントであるHBV再活性化が評価され,ラミブジン予防治療群ではHBV再活性化,HBV関連肝炎ともに相対リスクは0.00〜0.21であった.ラミブジン予防治療群でHBV関連肝不全を発症したものはなく (予防治療群108例中0例,対照群162 例中21例),HBVに起因する死亡は4例のみ(予防治療群208例中4例,対照群394 例中27例)であった.ラミブジンの忍容性は良好で副作用は認められなかった.

研究の限界: メタ解析に含まれた臨床試験にはHBV再活性化に関するデータが一部欠落しているものがあった.サンプル数が少なく,無作為化比較試験のデザインが取られていた臨床試験は2つのみであった.

結論: 癌化学療法施行中のHBs抗原陽性患者におけるラミブジンによる予防的治療はHBV再活性化とHBV-関連罹患率・死亡率を低下させうる.

(翻訳:高田 徹)

English Abstract

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