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(更新日 2008年4月28日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
15 April 2008 Volume 148 Issue 8
(監修:板東 浩,総合監修:石橋大海)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
閉経前女性における性的満足感低下に対する定量式テストステロン経皮スプレー治療の安全性と有効性:無作為化試験
Safety and Efficacy of a Testosterone Metered-Dose Transdermal Spray for Treating Decreased Sexual Satisfaction in Premenopausal Women: A Randomized Trial
Susan Davis, Mary-Anne Papalia, Robert J. Norman, Sheila O'Neill, Margaret Redelman, Margaret Williamson, Bronwyn G.A. Stuckey, John Wlodarczyk, Karen Gard'ner, and Andrew Humberstone
Davisと同僚らは,定量式経皮スプレーで投与した3種類の投与量の外因性テストステロン製剤およびプラセボの性機能に対する効果を評価した.研究者らは,性的満足感が低下したとの訴えがあり,かつ朝の血清遊離テストステロンレベルが3.8 pmol/L(1.1 pg/mL)未満であった 女性261例を無作為に振り分けた.経皮的90μl連日投与を16週継続後,自己申告形式による性的満足感は平均0.8性的満足事象/月,改善した.90μlより高用量と低用量の群はプラセボ群と統計学的に有意な差を認めなかった.
(翻訳:今村隆明)
高血圧と無関係な併発症が高血圧管理に影響する
Effect of Unrelated Comorbid Conditions on Hypertension Management
Barbara J. Turner, Christopher S. Hollenbeak, Mark Weiner, Thomas Ten Have, and Simon S.K. Tang
高血圧とは無関係な複数の併発症を持つ患者が受ける医療の質については,ほとんど知られていない.著者らは6つのプライマリケア施設において,コントロール不良の高血圧患者15,459例の電子カルテを調査した.ほとんどの患者は,関節炎,胃食道逆流症,甲状腺疾患といった,高血圧とは無関係な併発症を2つ以上持っていた.受診に際して,臨床医は高血圧とは無関係な多数の併発症を持つ患者に対しては,コントロール不良の高血圧の治療を強化しない傾向にあった.
(翻訳:小出優史)
総説(Reviews)
ナラティブレビュー:発作性夜間血色素尿症:補体関連溶血性貧血の生理学
Narrative Review: Paroxysmal Nocturnal Hemoglobinuria: The Physiology of Complement-Related Hemolytic Anemia
Robert A. Brodsky
発作性夜間血色素尿症(PNH)は,補体誘導性溶血に対する感受性をもたらす体細胞変異により起こる稀な造血幹細胞異常である.高価であるが非常に有効な薬剤がPNHの活動性を著明に低下させる.このナラティブレビューは本疾患の歴史,分子生物学と臨床像,診断的検査,および治療オプションを記述する.
(翻訳:村上 純)

メタ解析:血液透析カテーテル関連感染症に対する予防的抗菌薬投与
Meta-analysis: Antibiotics for Prophylaxis against Hemodialysis Catheter-Related Infections
Matthew T. James, Joslyn Conley, Marcello Tonelli, Braden J. Manns, Jennifer MacRae, Brenda R. Hemmelgarn for the Alberta Kidney Disease Network
カテーテル関連感染症は,中心静脈カテーテルによって長期間血液透析を受けている患者にとって疾病の主な原因である.系統的レビューで,抗菌薬のカテーテル刺入部局所への使用やカテーテル腔内への浸漬に関する潜在的利点を評価した無作為化試験16編が見いだされた.抗菌薬による治療を行わなかった群と比較して,局所または管腔内へ抗菌薬を使用して予防すると,血流感染の頻度や感染によるカテーテル抜去の必要性は減少した.
(翻訳:小山雄太)
展望(Perspectives)
淋菌における新たな抗菌薬耐性:予防戦略の強化が急務
Emerging Antimicrobial Resistance in Neisseria gonorrhoeae: Urgent Need to Strengthen Prevention Strategies
Kimberly A. Workowski, Stuart M. Berman, and John M. Douglas, Jr.
淋菌感染症の予防と制御は公衆衛生の重要な課題である.過去60年にわたって多剤耐性淋菌株の頻度が増加したことにより,治療オプションが制限され始めた.Workowskiと同僚らは,抗菌薬の効果を維持し,世界的な淋菌感染症流行を制御するための包括的な戦略について述べている.
(翻訳:加藤哲朗)


医学と公衆衛生の話題(Medicine and Public Issues)
米国の患者に対する安価な後発医薬品の供給元となる国際医薬品マーケット
The International Pharmaceutical Market as a Source of Low-Cost Prescription Drugs for U.S. Patients
Aaron S. Kesselheim and Niteesh K. Choudhry
医薬品のコストが増加するにつれ,より多くの米国の患者や政策立案者は低価格の医薬品を他国から輸入するようになってきた.米国連邦議会議員らは輸入を公認するかどうかの議論を続けている.3つの要因が米国の患者や政策立案者にとって,他国が医療用医薬品の輸入元として信頼できるかどうかに影響する.その3つの要因とは,薬の安全性を保障する戦略の実行可能性,どのように国内価格と輸入価格とを比較するか,そして輸入が輸出国の医薬品マーケットにどのように影響するかである.
(翻訳:前田正彦)
論評(Editorials)
女性の性的満足感を改善させるためのテストステロン補充:複雑性と未知
Testosterone Supplementation to Improve Women's Sexual Satisfaction: Complexities and Unknowns
Rosemary Basson
女性の性的不満足感は17% から25%に認められ,有病率が非常に高い.我々はその原因を充分認識し,女性の性的不満足感を治療する論理的なアプローチを行っている.この号で,Davisと同僚らは経皮的テストステロン療法により閉経前の女性の性的不満足感を治療できる可能性を示唆している.彼らの研究ではテストステロン療法はわずかな利益しか示しておらず,著者らは性的不満足感を有する閉経前女性に広く適応することに警鐘を鳴らしている.
(翻訳:吉井康裕)

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