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患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
男性における骨粗鬆症のスクリーニング:米国内科学会からの勧告
Screening for Osteoporosis in Men: Recommendations from the American College of Physicians
6 May 2008 | Volume 148 Issue 9 | Page I-35
「患者さんへのまとめ」は ,患者さんが近代医学の複雑でしばしば迷わすような用語をよりよく理解することを助けるためにAnnals誌によって提供されるサービスです.

「患者さんへのまとめ」は情報を提供する目的だけのために提示されています.これらの「まとめ」はあなた自身のかかりつけ医からの助言の代わりとなるものではありません.もしあなたが,この題材について疑問を持ったり,あなた自身の健康あるいは状況についての医学的助言を必要とする場合は,あなたのかかりつけ医と連絡をとってください.「まとめ」は非営利的な教育目的のためだけに転載されても構いません.他の用途への使用については,米国内科学会(ACP)によって承認されなければなりません.

下記の「まとめ」は「男性における骨粗鬆症のスクリーニング:米国内科学会の標準的治療法ガイドライン」と「男性における骨粗鬆症のスクリーニング:米国内科学会ガイドライン作成のための系統的レビュー」いうタイトルの論文からのものです.
誰がこのガイドラインを策定しましたか?
米国内科学会がこの勧告を策定しました.米国内科学会のメンバーは,内科専門医,特に,成人の治療の専門家です.

何が問題であり,これまでにどのようなことが分かっていますか?
骨粗鬆症は,骨の密度が低くなり,容易に骨折をおこす状態を示します.骨粗鬆症は,特に閉経後の女性によくみられます.しかしながら,男性も,年齢とともに骨粗鬆症が認められ,骨粗鬆症に関連した骨折が生じるようになります.

骨粗鬆症による骨折を予防するために,二つの方法が用いられます.一つは,十分なカルシウムやビタミンDの摂取,運動,禁酒・禁煙というような骨粗鬆症を防ぐ方法を推し進めることです.ある治療薬(ビスフォスフォネートなど)もまた骨粗鬆症を予防できますが,副作用や費用の面で一般的には推奨されていないのが現状です.もう一つの方法は骨粗鬆症のスクリーニングです.スクリーニングとは,骨折が起きる前に,骨密度の低下している人を見分けるという意味です.骨折の危険性の高い人々にとっては,骨折を防ぐ骨粗鬆症の治療薬の使用が最も有効でしょう.骨粗鬆症の検査には,二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)と呼ばれる検査法を用いて,骨密度を評価する方法があります.DXAは,開放的装置でX線を用いた,痛みのない非侵襲的な検査であり,軟部組織や骨の密度を測定することができます.より新しい検査法には,他のX線技術や超音波を利用したものがあります.

米国予防医療サービス専門作業部会は,65歳以上の女性や,骨粗鬆症の危険因子がある若年層の女性に対して,骨密度の検査を受けるよう推奨しています.しかしながら,男性が骨粗鬆症の検査を受けるべきかどうかは不明です.そのため,米国内科学会は,男性におけるスクリーニングの推奨基準を策定したいと考えていました.

米国内科学会はこの勧告をどのようにして策定しましたか?
米国内科学会は,男性の骨粗鬆症のスクリーニングの有益性と有害性を評価した論文を読んで検討しました.

著者らは何を見い出しましたか?
高品質の臨床研究によると,70歳以上で,低体重または体重減少があり,運動不足の男性は,骨粗鬆症の危険性が高いとされました.男性の骨粗鬆症の危険性を増やす因子は,外傷の無い骨折の既往,特定の治療薬(プレドニゾロンなどの副腎皮質ステロイドや前立腺癌の治療薬など)の継続使用,カルシウム摂取不足,喫煙,脊髄損傷などです.

著者らは,骨密度の検査により骨折の危険性を予測した最も信頼性の高かった研究は,DXAを用いておこなっていることをみつけました.超音波やその他の検査に関しては,ほとんど検討がされていません.

米国内科学会から,患者さんと医師が何をしたらいいか勧告がありますか?
医師は,定期的に高齢の男性に対して骨粗鬆症の危険性を評価するべきです.約6%の男性が65歳までに骨粗鬆症を有していたので,それまでに危険因子のスクリーニングを開始することが妥当です.

米国内科学会は,骨粗鬆症の危険因子を有している男性に対して,DXAによる骨密度測定を推奨しています.また,骨粗鬆症の治療にはビスフォスフォネートの内服を勧めています.

男性の骨粗鬆症のスクリーニング方法を評価するにはさらなる研究が必要です.

この勧告に関する注意点は何ですか?
米国内科学会は,男性に対する骨粗鬆症に関しての新しい情報が得られた時には,今回の推奨を修正するかもしれません.

(翻訳:川口鎮司)

English Abstract

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