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総説(Review)
系統的レビュー:ハイリスク女性におけるMRI乳癌スクリーニング検査の有用性
Systematic Review: Using Magnetic Resonance Imaging to Screen Women at High Risk for Breast Cancer
Ellen Warner, MD, MSc; Hans Messersmith, MPH; Petrina Causer, MD; Andrea Eisen, MD; Rene Shumak, MD; and Donald Plewes, PhD
6 May 2008 | Volume 148 Issue 9 | Pages 671-679
背景: 乳癌のハイリスク女性に対して感度が高く,満足できるスクリーニング検査法が求められている.乳房の造影MRIは乳癌の診断に感度が高いものの,特異度が変化しやすい.

目的: 乳癌の極めてハイリスクな女性に対する年1回のマンモグラフィによるスクリーニングにMRIを併用した場合の感度,特異度,尤度比,検査後確率を要約する.

情報源: 1995年1月から2007年9月までにMEDLINE, EMBASE,コクランデータベースに掲載された英語論文および手作業で検索した関連のある論文.

研究の選択: 乳癌に対して極めてハイリスクな女性について,マンモグラフィにMRIを併用してスクリーニング(追加検査の有無を問わず)を行った,1994年以降に発表された前向き研究.

データ抽出: 方法と潜在的バイアスは二人のレビュアーによって評価された.データは,MRIとマンモグラフィ併用,マンモグラフィ単独あるいはMRI単独の場合の米国放射線学会乳房イメージングレポート・データシステム(BI-RADS)スコア,と生検結果を比較して抽出され,2x2分割表に挿入された.

データ統合: 小さいものは一施設における単回スクリーニング,大きいものは多施設の経年スクリーニングまで,関連する11の前向き非無作為化研究を検討した.研究サンプルで異なる女性の特徴には,対象の年齢層,乳癌の病歴,BRCA1またはBRCA2変異像が含まれていた.ダイナミック造影MRIの単純横断像,冠状断像を用いた研究(ヨーロッパの研究)や矢状断像を用いた研究(北米の研究)ではマンモグラフィの結果を用いずに判断された.陰性尤度比とBI-RADSによる悪性疑い所見の確率は,疾患の検査前確率が2%と仮定した場合,マンモグラフィ単独では0.70(95% 信頼区間,0.59 - 0.82)と1.4%(95% 信頼区間,1.2% - 1.6%),マンモグラフィとMRIの併用では0.14(95% 信頼区間,0.05 - 0.42)と0.3%(95% 信頼区間,0.1% - 0.8%)であった.ここではBI-RADSのスコア4以上を陽性判定の基準とした.

研究の限界: 患者の人口構成,施設の経験,スクリーニング陽性の基準の違いは各研究間の不均質の原因となった.家族歴のないハイリスク患者のデータは制限されており,また再発,生存に関するデータは得られなかった.

結論: マンモグラフィとMRIを併用したスクリーニングは,乳癌の遺伝的素因を持つ,あるいは持ちそうな女性に対して,マンモグラフィ単独で行うよりも癌を確実に除外できるかもしれない.

(翻訳:菅野義彦)

English Abstract

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